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【桜】

月曜日。

先週まで蕾だった桜が週末の温かい気候によって信じられないくらい綺麗に咲き乱れていた。

それはもう満開とも言えるくらいで、来週には散ってしまう可能性も考えられた。


「今日から花見に行きたいと思いますが…運転お願いできませんか?」


急にお花見を行く事を決めたため運転手のあてがないようで、デイのスタッフからお願いをされた。

もともと利用者とお花見に行きたいと思っていた僕は快く承諾した。


「さぁ出発しますよ~」

同乗するケアスタッフが元気に利用者に声を掛ける。ゆっくりと車を走らせる。お花見のコースは毎年同じで、事業所から車で15分ほどのところにある川沿いの桜並木を目指す。

道中車内では桜の話で盛り上がっている。

「雨が降らなくて良かったですね!」「まだ早いんじゃないの?」「綺麗に咲いているという噂ですよ」「楽しみだわ」

この時間もまた楽しい。


ほどなくして川沿いに到着する。

満開の桜たちが僕らを出迎えしてくれる。

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車を停めて利用者たちと桜並木を遊歩する。


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桜を見上げる利用者の顔はキラキラと輝いていて、本当に嬉しそう。桜よりもつい利用者の顔に目がいってしまう。職業病だろう。


「今年も見れたわ」

ある利用者がポツリとこぼす。

「いつもこれが最後かもしれないと思って眺めているんですよ」

立ち止まりゆっくりと話されるその顔はとても穏やかだった。きっと本音なんだと思う。

「また来年も一緒に来ましょう!」

そう言う僕に肯定も否定せず少し笑顔を向けてまた歩き出す。

しっかりとしたその足取りを見て、さっきの言葉はきっと実現するんだろうな、利用者の隣を歩きながらそう思った。




…というわけで、利用者さんたちとお花見に行って参りました。その日は花粉が酷くて、くしゃみ連発で満開の桜を見ました。

こんにちは、風情もなにもあったもんじゃないコッシーです。


さて、本当はまだ先でしたが、急に暖かくなったせいか思いのほか桜が咲くのが早くて、急遽昨日お花見に行きました。

桜のほとんどが満開でとても綺麗で、利用者たちはみんな笑顔でした。おそらく来週には散ってしまうので、お花見を早めて良かったと思いました。

こんな言い方は良くありませんが、もしかすると来年の桜を見ることができない利用者もいるかもしれません。とても残念なことではありますが、それは誰にどうすることもできない事です。

この先どうなるかは分かりませんが、利用者さんたちの今を大切にしないといけないなぁと桜を見ながら思いました。


桜の下で利用者を撮影しました。

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また来年も一緒に見に行きたいな、そう思います。


それではまた。

コッシー

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