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【届けたい】
「え?完売?ウソ?もうないの?」
間の抜けた僕の言葉におだんごさんは「売れちゃった」といたずらっ子みたいに笑った。
5月19日文学フリマ東京。
会場である東京流通センターに着いた僕は一番の目的だった【おだんごやさん】に真っ先に向かった。
※本当は一緒に来た着ぐるみといきなりはぐれて随分と遅れて到着したことは内緒だ
店主のおだんごさん、そしてあやしもさんとくまさんが笑顔で迎えてくれた。会うのはまだ2回目なのにもう昔からの友達のような感覚でホッとする。
その日の文フリ会場は想像以上にお客さんが来場していて、特におだんごやさんのある第一展示場は文字通り人がごった返していた。
本当はおだんごやの3人とお話したかったけど、お店の迷惑になりそうだったから一旦立ち去り、他のブースを周ろうと思った。
ただその前にお目当てのおだんごさんの本を買っておこうと財布に手をかけたけど、ふと思い留まった。
「無謀だと思われるでしょうが、100冊持参しました」
おだんごさんの文フリ直前の記事にはそう書かれていた。
前に文学フリマに出店をされた方々から「なかなか売れない」と聞いたことがあった。おだんごさんが初めての出店だからとかは関係なく、単純に”100冊”を売ること自体が相当難しいと思った。
もしかしたら何冊か在庫が出るかもしれないな、そう思った僕は売れ行きを見てから購入しようと思った。
「また来るね!」そう3人告げて、僕は本を購入することなく別のブースへと向かった。
ブースをいくつか周ったり、いろんなnoterさんとお話したりして、ある程度時間が過ぎた後、僕は再びおだんごやさんへ足を運んだ。
何冊くらい売れたかをくまさんに声をかけた。
「今のでもう売り切れじゃないかな」
「え?完売?ウソ?もうないの?」
茫然と立ち尽くす僕に「売れちゃった」と言ったおだんごさんは、「見本誌取ってくるからちょっと待ってて!」と文フリ本部に預けてある見本誌を駆け足で取りに行ってくれた。
おだんごさんから本を受け取り無事購入ができた。でも100冊を売るのは難しいと勝手に心配していた自分の見る目の無さに恥ずかしさと申し訳なさを感じた。
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僕がおだんごさんの記事を読み始めてからもう何年か経つ。おだんごさんの記事に感動したり笑ったり学びをもらったり、そして救われたことも数えきれないほどある。
それはきっと僕だけじゃなくて、noteの世界にはおだんごさんの記事に救われた人たちはたくさんたくさんいる。
私の「売りたい」と、おだんごさんの「届けたい」は、実は、見ているものが違ったのかもしれない。
あやしもさんにそう伝えてくれた人がいる。
「売りたい」ではなく、「届けたい」。
そう思うとなんだか全部が腑に落ちた気がした。
おだんごさんが届けたいんだもん、そりゃ届くよな。
そんなこと自分を顧みればすぐ分かることだよね、あやしもさん。
実はおだんごさんは100冊じゃなくて133冊持ってきたらしい。そして当然のように全部が売れた。
そしてオンライン注文分が足りなくなって、なんと『重版出来!』したらしい。もう最高過ぎて笑っちゃうよ、おだんごさん(笑)
おだんごさん。
おだんごさんが「文フリ東京に参加します」と言ってから、届け切ったこの日までずっと夢を見させてもらいました。
その小さな体の大きな背中に尊敬しかありません。
そしてそんなおだんごさんを支えたれおさん、あやしもさん、くまさん、着ぐるみ。チームおだんごやさんは本当に本当に最高です。
僕はみんなの楽しそうに頑張る姿を間近で見る事ができてとても幸せでした。
また一緒に遊ぼうね。ありがとう!!
お疲れ様でした。
コッシー