自分は大丈夫だと思っていた
毎年6月は仕事が立て込み多忙になる。
通常業務に併せて全正社員との面談と評価、取締役会の準備と実施、決算業務などなかなかに重たい仕事をこなさなければならない。
今年はそれに加えてコロナワクチンの手配や土地の交渉など例年にはない仕事もちらほらあった。
さらに社長の療養期間が延長され、今までの中で1番ハードな6月を迎えることになった。
それでも自分がやらないといけなかったし自分しかできないことだった。
だから休むわけにはいかなかったけど自分なら大丈夫、そう思っていた。
そんな時だった。
うちの福祉用具事業所の営業職員の一人が事務所で倒れて救急搬送されたと連絡が入った。
慌てて病院へ行くと、点滴を終えた彼が病院の待合室で座っていた。
「大丈夫か?」
「はい。ご心配かけました。熱中症らしいですけどもう大丈夫です。」
そう言って彼はバツが悪そうに笑顔を見せた。
詳しく話を聞くと、ここ数週間かなり仕事が立て込んでいたらしく休みを返上して働いていたとのことだった。
自分は大丈夫だと思っていたが、倒れる前日極度の腹痛に襲われ自分の体調の異変に気付きそろそろ休もうと思っていた矢先の出来事だったらしかった。
彼にはしっかりと体調を整えてもらうために数日休むように指示した。
その日の夕食時、奥さんに今日の一部始終を話した。
「あんたも気を付けた方がいいんじゃないの?ここのところまともに休んでないでしょ。あんたが倒れる方が会社にとって迷惑だよ」
自分では重々承知してることでも改めて言葉で言われると胸に重くのしかかる。
多分休んだ方がいいのだ、それは分かっている。しかし全部知っておきたいという勝手な考えと好きで仕事をしているから大丈夫という変な自信からつい先延ばしにしてしまっていた。
現状を続けるのかそれとも強引にでも休むべきか…考えれば考えるほど答えが出せず不安だけが募る。
そんな不安からか、その日食べたチキンステーキはいつもと味が違ったように感じていた。
次の日だった。感じた不安が現実のものとなってしまった。
その日は朝から酷い腹痛で午前中はトイレで仕事をしていたと言ってもいいくらいずっと籠っていた。
汚い話だが、全部出したせいか午後からは幾分痛みは楽になり、なんとか業務をこなすことができた。
(倒れる前日に極度の腹痛に襲われる___)
救急搬送された彼の言葉が脳裏をよぎる。自分は大丈夫だと思っていても身体は正直に異変を伝えてくれる。
もう限界だぞ、休め!そう言ってるように思えた。
これはもう休んだ方が良いかなぁ…そんな風に思ったけど、それでも残された業務を考えると決断出来ずにいた。
休むのが正解なことは自分自身が一番分かっているくせに、実行しない僕の心はもう腐っているんだと思った。
勇気を持って決断できない自分は本当に憶病なチキン野郎だと思った。
腐ったチキン野郎だと思っていた。
その日はさすがに早めに仕事を切り上げて家路に着いた。
家に帰るなり奥さんが僕に声をかけた。
「今日、お腹痛くなかった?」
さすが長年連れ添った夫婦というべきか、僕の体調の異変をちゃんと感じてくれていた。
「実は午前中めちゃくちゃ痛かったんだよね」
そう奥さんに告げると、奥さんは「やっぱり!」と納得の表情をして続けてこう言った。
「私も今日ずっとお腹が痛くて、どうやら昨日の夕飯の鶏肉が痛んでたみたいなんだよね」
「え?鶏肉が痛んでた?」
「そう。チキンが腐ってたみたい。ごめんね(笑)」
チキンが_
腐っていた_
僕が腐ったチキン野郎ではなく、本当にチキンが腐っていたせいで激しい腹痛に見舞われたのだった。
とんだチキン野郎だ。
ってなことがありました。
こんにちは、コッシーです。
さて、大変長い前置きになりましたが、冒頭書いた通りハードな毎日を過ごしており記事を書いたりコメント返したり皆さんの記事を読んだりする時間が取れておりません。ごめんなさい。
ただ今回は腐ったチキンのせいでしたが、さすがに疲れも感じてきましたので、もう少しゆっくりと仕事をしていこうと思っております。
趣味は「仕事と息子です!」と公言しちゃうくらい仕事大好き人間の僕ですが、最近は息子と接する時間も少なくなってきてしまっています。
何でもかんでも自分でやることが決して正しいわけではありません。周りの仲間を信じて仕事を任せていこうと思います。
というわけで、6月の後半は休みを取っていきます。息子とガンガン過ごしていきます。ローストビーフをたくさん作っていきます。書きたい事がたくさんあるので記事も書いていきますのでこれらかも変わらぬご指導ご支援よろしくお願い申し上げます。
そして、最後に。
腐ったチキンを食べるのは絶対にやめた方が良いです。
6月のハードな毎日が霞むほど地獄をみますから。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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