見出し画像

豚骨バレンタイン

2月14日、豚山という二郎系ラーメンチェーン店に初めて行った。ちょっと前から興味があったのだ。豚山はラーメン二郎とは違ってロットというシステムがなく、食べるのが遅くても怒られたり帰らされたりしないので、初心者でも安心して食事することができる。

私はミニラーメンの食券を買った。ミニの麺量はだいたい120gとのことで、これなら余裕で食べ切れるだろう。店はお昼時で満席だった。列に並び席が空くのを待つ間、落ち着きなく回りをきょろきょろ見渡していた。ほかのお客さんと目が合って気まずかった。

席に着いてもそわそわしていた。卓上調味料を1つ1つチェックしたり、コールの説明が書いてある張り紙を見つめてコール脳内練習をしたりした。

コールというのは「ニンニクマシマシ」とかいうあれだ。店員さんに「ニンニク入れますか?」と訊かれたら、ニンニクの量・ヤサイの量・アブラの量の好みを答えるのだ。私はニンニク少なめ・ほかは標準にすることにした。ラーメンを待っている間、ほかのお客さんがどんな感じでコールをしているのかよく聞いた。いつ自分の番が来てもいいようにスマホも見ないでじっと待っていた。

その瞬間は突然やってきた。近くに店員さんがいなかったので油断していた。厨房の遠い位置にいる店員さんが「ミニラーメンのお客さん、ニンニク入れますか?」と言ってきた。瞬時にこれは私に言っているのだと理解し、すぐ「少なめで!」と答えた。店員さんが「ニンニク少なめですね」と復唱した。一発で伝わって嬉しかった。

安堵しているとラーメンが運ばれてきた。これを着丼というらしい。カウンターの上に置かれたラーメンを持ってそーっと自分の目の前に移動し、割り箸を取った。いただきます。

まずは麺を引っ張り出して野菜の上に乗っけた。二郎好きの間ではこれを「天地返し」と呼ぶらしい。麺が伸びるのを少しでも阻止するためにそうするのだ。そして麺をすすった。しょっぱくて驚いた。ニンニクがかなり効いている。咀嚼すると小麦の味がしっかりしてきて、歯応えも香りもよくてとてもおいしい。小麦の味大好きなのでこの麺も大好きだ。チャーシューはとても柔らかくて箸で簡単に切れた。しっかり味が染み込んでいた。野菜は量が普通だったのでぺろりといけた。ごちそうさまでした。

帰宅後、取り憑かれたようにまたラーメンを食べたくなった。近所と職場近くのラーメン屋を調べまくってよだれを垂らした。いずれ本家のラーメン二郎にも行ってみたい。小麦の味がしっかりするワシワシの麺をすすりたいんじゃ!

一晩寝たらラーメン発作は落ち着いていた。でもいつか二郎にも挑戦するだろう。麺は半分で、ニンニク抜きにしよう。

いいなと思ったら応援しよう!