あってはならぬ人生
父の四十九日法要。
献杯の挨拶で、分家のおじ様の言葉が何やら心に刻まれる。
「あってはならぬ人生だった」
多分3回は言ったと思う。
意味云々は置いておいて、何となく響きが気に入った。
「あってはならぬ」
なかなか使わないよね。「あってはならない」と言うよりずっと説得力があがる。そして、ある程度お年を召した方が発するから様になる。ちょんまげでなくてもよいけど、時代劇のような戦時中のような風景が見え始める。
「あってはならぬ」という言葉が似あう時代に生きた人だったんだなぁと。
どんなに老いてもヨボヨボでも、「あってはならぬ」と言い切れる時代の人たちはなんだか格好がいいなぁと。
男尊女卑甚だしい人たちで、ど田舎の狭い世界の中で生きていて、「●●家」というのを大きな誇りにして生きてきてる人たちで、正直、二度と戻りたくない世界観だけど、それでも、なんだか格好がいいなぁと。
そして夫が帰り際に言った言葉が面白く。
「●●家の人たちは本当に●●家が大好きなんだねぇ」
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