家づくりで失敗しない収納計画の秘訣:ダメな収納とその解決法
こんにちは、株式会社HARMONYの山本航聡(やまもとこうそう)です。
家づくりを考える際、収納計画にしっかり取り組むことは、快適な暮らしを実現するために欠かせません。しかし、「収納スペースが足りない」「使いづらい」などの問題は、多くのご家庭で発生しています。本記事では、収納計画で陥りやすい失敗例を挙げ、それを解消するためのアプローチや最新トレンド、将来性を踏まえた計画の立て方を解説します。さらに、収納計画を「アバウト」に考えがちな方に向けて、リアルに必要な収納サイズを具体例を交えながら紹介します。
ダメな収納計画の典型例とその解決策
1. 収納スペース不足
収納不足は家づくりで最も多い失敗例です。
「収納は最低限でいい」「とりあえずクローゼットを作っておけば大丈夫」とアバウトに考えてしまうケースが多く見られます。しかし、実際の生活では物がどんどん増えるため、具体的な収納計画が必要です。
解決策:必要な収納容量を見極める
現在の物量を把握する:手持ちの衣類、道具、書類などをリスト化し、それぞれに必要なスペースを計算します。例えば、成人女性の衣類が平均100着ある場合、ハンガー収納の幅は約2~3m必要です。
将来を見越す:現在の持ち物だけでなく、趣味や子供の成長に伴って増える物も考慮します。
ストック品用スペースの確保:日用品や食品のストックはキッチンや洗面所近くに確保。
2. 使いづらい位置に収納を配置
収納が使いづらい位置にあると、日常生活の中でストレスを感じる原因になります。例えば、天井近くの棚に頻繁に使う物を置くと取り出しにくく、奥行きが深すぎるクローゼットでは物が埋もれがちです。
解決策:動線を重視した収納設計
よく使う物は目線~腰の高さに収納:頻度に応じて適切な位置を選定。
棚の奥行きは30~40cmが目安:深すぎると手前に物が積み重なり、奥の物を取り出すのが困難になります。
取り出しやすい設計:スライド式の棚や引き出しを取り入れることで、物の取り出しやすさが向上。
3. デッドスペースの発生
天井近くや壁の角、奥まった空間が無駄になると、収納効率が低下します。これもアバウトな設計が原因で起こりがちです。
解決策:デッドスペースを徹底活用
造作家具の導入:例えば、壁の角に合わせたコーナーラックを設置し、無駄な空間をなくします。
天井近くの収納を活用:滅多に使わない季節物や思い出の品を収納。天井高がある場合はロフト収納も検討。
成人男性の衣類を収納する場合の奥行き目安:成人男性のスーツやシャツをハンガーにかける際には、奥行き55~60cmが必要です。奥行きが狭すぎると衣類が収納できない、またはしわが寄る原因になります。
床下収納の活用:キッチンや玄関などスペースが限られる場所に便利。
4. 用途のミスマッチ
キッチンに衣類を収納するなど、適切でない場所に収納スペースを設けると、効率が悪くなります。
解決策:用途に応じたゾーニング
玄関収納:靴やコート、傘を一箇所にまとめ、外出時の動線をスムーズに。
キッチン収納:調味料や調理器具を取り出しやすく収納できるパントリーを設置。
リビング収納:リモコンや書類をまとめて収納する棚を設置。掃除道具の隠し収納も忘れずに。
効果的な収納計画のためのアプローチ
1. ライフスタイルに基づく収納設計
家族の人数、趣味、日常の過ごし方に合わせて収納スペースを計画します。
子育て世帯:おもちゃや学用品を整理しやすい収納を子供の手が届く高さに設置。
趣味を持つ家庭:趣味道具専用の収納スペースを確保することで、リビングをすっきり保つ。
ミニマリスト志向の家庭:必要最低限の物だけを効率よく収納できるスペース設計。
2. ゾーニングの考え方
家全体をエリアごとに分け、それぞれに適した収納を設けます。
玄関:靴、傘、鍵をまとめる収納スペース。
リビング:掃除機やリモコン、書類をまとめる収納棚を設置。
キッチン:パントリーやカウンター下の引き出し収納。
3. 動線を考慮した配置
動線に合わせた収納配置は、生活効率を大幅に向上させます。
帰宅動線:玄関近くにシューズクロークを配置。
家事動線:洗濯機近くにタオルや洗剤の収納を確保。
4. 「見せる収納」と「隠す収納」のバランス
デザイン性と機能性を兼ね備えた収納を目指します。
見せる収納:お気に入りの雑貨や本をディスプレイ。
隠す収納:生活感のある日用品やストック品は扉付き収納でカバー。
収納計画で注目すべき最新トレンド
ウォークスルークローゼット:部屋を繋ぐ収納で動線を効率化。
IoT対応収納:スマートフォンで収納物を管理。
マルチファンクション家具:収納と机、椅子を兼ねた家具が人気。
収納計画で考慮すべき将来性
家族構成の変化:子供が成長した後も使える収納設計。
物の増減:趣味や仕事の変化に対応する柔軟性を持たせる。
まとめ
収納計画は「なんとなく」で考えると失敗しがちです。具体的な物量や動線、将来の変化を見越して計画を立てることで、快適な暮らしを実現できます。この記事が家づくりをする方の参考に少しでもなれば幸いです。
山本航聡(やまもとこうそう)
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