ぱんな屋台 後編
舞台は東京ビッグサイト、選手控室に移ろう。
俺は個人戦を控えていた為、会場の様子がさっぱり分からない。今誰が戦っているのか?団体戦の進捗は?
個人戦以外のタイムスケジュールは?
舞台袖の控室に移動すると薄暗いスペースに選手達が暗い顔をしながら出番を待っていた。
正直ギョッとする程、控室の空気は重く感じた。
誰1人喋らず、パイプ椅子に座り続けて2年経ちましたって雰囲気が漂う。
前列のふるふるさん、おばちやんさんからは疲労と緊張の色が濃くみえた。絞り出すように笑みを寄越すおばちやんさん。
無理もない。
会場入りしてから今の今まで、休んでいる時間なんてなかったのだろう。会場を駆けずり回り、カラオケ選手権でオタ芸踊ったりしながらも、徐々に近づく決戦の時に心が休まるとは思えない。
ふるふるさんは安定の競馬中継視聴だったかもしれない。が、おばちやんさんと変わらず重めの佇まい。ドッシリ、ではなくズッシリ。
それぞれが闘いの前、緊張なのか自棄なのか、何も考えられない状態なのか、はたまた闘争心を高めているのか。
静かな控室。ドラゴンのように怯えているようにも見える。
ちょっとしたキッカケでヒステリックに暴れ出す者すら現れそうだな、と感じていた。
実際の所、皆の肉体、精神状態は想像の域を出ないのだけれど。
1人、明らかにリラックスしている者がいた。虎は鍛えないかもしれないが、全力で休みはする。
たまにしか見せない緊張した面持ちではあった。
だから、休む。
しばらく後、俺の物語が終わった※以前の投稿参照。
何か大事なピースを無くした喪失感を抱きながら、もう一つだけ、俺に残された使命があるのを思い出す。
(ぱんな屋台の応援を…)
急いでメインステージ前へ行く。多くの観戦者がこの団体戦の結末を見届ける為、選手達を応援する為に集まっている。凄い声援だ。
ステージ右隅のほうで俺も声を出す。絶対に届かない声援なのは分かる。だが叫ぶ。届けるのは声じゃない。思いだ。届け。
まずステージに登壇したのは「団体戦があると聞いて」チーム。
ひろしさん、コクさん、みおさん。
わぁっ!と会場が湧く。
にこやかないい面構えしてやがるぜ!敵ながら天晴れだ。俺も声を出す。今だけは声援送ってやるぜてやんでぇ。
東京予選を勝ち上がった時からこうなるんじゃないかって予感がしてた。リーダーのひろしさんが圧倒的試合巧者なのだ。闘いに臨む気持ちの作り方が抜群に上手い。
凄いよ。マジで強いんだひろしさん。この強さが麻雀に活かせてないのは世界三大ミステリーの一つだろう。
飄々としたリーダーをみおさん、コクさんの高精度プレイヤーが支える。精度アベレージは間違いなく大会トップクラス。強敵だ。
次いで「ぱんな屋台」チームが登壇。
対照的な登壇の仕方。嵐さんのMCの通り「静と動」
始まる。ついに始まる。
会場は静かにざわついていた。
以下現場で椅子がキャッチした場面。
始まる前からエモすぎる。高揚しすぎて両手の所在が不明になる。本気で応援する時、人は忘我するんだな。
3
2
1
始まった!!!
今回の大会は同時にプレイする為、両方のプレイが追えない。ずっと大画面右側の「ぱんな屋台」チームを見ていた。「団体戦があると聞いて」チームを見る余裕がない。せめて音だけは拾う!
W UPだと?えぇヒキしてる!負けないぞ!
「ぱんな屋台」チーム
優勝おめでとう!!!!!!!!!!
当時の感情が湧いてきて、もう何も書けん!
最後に最高の1枚を載せて、このnoteを締め括ろうと思う。
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