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漆のSDGsの達成へ | 漆生産と漆離れについて
漆の生産推移
みなさん、漆のことをどれだけ知っていますか?
はじめに、国産漆のグラフをよーく見て欲しいのですが、右肩下がりですね。
ちなみに、文化財に修復するのに2.2トン必要です。
平成元年頃は5㌧、そこから3分の1になってます。なぜでしょう?
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漆の生産の減少の一考察
生産に関する課題点は分かっていることが多いです。
また、困難な課題も多いです。
例えば、漆の木の本数や状態、漆掻きの人的資源、温暖化、労働条件、食害など。
漆掻き職人は山中を歩き、6月から10月頃の酷暑で、熊などの野生動物との危険もありながら、大変な思いをして国産漆を採取しています。
遠いことのように思えますが、身近なことです。
国産漆の不足は、国宝や重要文化財の修復ができなくなります。
「金閣寺」がボロボロになったらどう思いますか?
生産者を守る取り組みが必要です。
SDGsと漆産業、漆染めについて
SDGsの中には、漆産業の課題と関連することが多いと考えています。いくつかピックアップします。
8. 働きがいも経済成長も
2030年までに、消費と生産において、世界がより効率よく資源を使えるようにしていく。また、先進国が主導しながら、計画※にしたがって、経済成長が、環境を悪化させることにつながらないようにする。
※「持続可能な消費と生産に関する10カ年計画枠組」のこと。2012年に、二酸化炭素の排出の少ない生活スタイルや社会の仕組みを作ることを目的に採択された計画
未活用のウルシ木材があるのであれば、有効活用し経済循環を生み出す取り組みをすべきである。
その一つに漆染めという選択肢を考えています。
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9. 産業と技術革新の基盤を作ろう
2030年までに、資源をよりむだなく使えるようにし、環境にやさしい技術や生産の方法をより多く取り入れて、インフラや産業を持続可能なものにする。
未活用のウルシ木材を使い、持続可能な産業構造を目指すべきである。
未活用木材を使う漆染めで新たな収益とサイクルを生み出す。
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11. 住み続けられるまちづくりを
世界の文化遺産や自然遺産を保護し、保っていくための努力を強化する。
漆の生産量が減少すれば、国宝・重要文化財が守れません。
少しでも漆に興味を持っていただきたい。
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「漆離れ」とは
いくつか質問です。
みなさん漆塗りの箸やうつわを使っていますか?
お正月に漆器を使いますか?
毎日漆塗りのモノを使っていますか?
漆の話をしますか?
もし、全く当てはまらない方がいましたら、それは漆と距離があります。
私は、漆と心理的・物理的距離のある状態を漆離れと呼んでいます。
統計データはとっていませんが、大多数が漆離れ状態だと思います。
「漆離れ」を解消する取り組みが必要です。
漆には、魅力がたっぷりと詰まっています。見た目や機能性、歴史など。
あらためて、聞きますが、
漆のことをどれだけ知っていますか?
この記事で漆に関心を持っていただけると幸いです。
漆文化や産業を後世に残しましょう!!
次回は漆染めを中心に書きます。
to be continued