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拵展「あしどり」を終えて

まずはじめに

あしどりにご来場くださり、誠にありがとうございました。

拵、初となる個展。
2018年10月に始動した拵でしたが、「5周年」という節目の年に開催をすることが出来て心の底から良かったと思っています。

最終日のレセプションでもお伝えしましたが、最近は…特にこの「あしどり」では「1:100」といった大勢に向けた言葉を使いたくなくて「1:1の関係」を強く意識していました。

その為、SNSの投稿等でも「あなた」という言葉を使っていました。

結局「どこまでいってもひとりひとりの関係だな」と思い、故にあなたに会いたかったんです。
「あしどり」は、約6年という月日で出会えた「あなた」との待ち合わせにしたかった。

ちび・ゆうとクラウドファンディングという手法にてお届けして、強くなってきた「1:1」という想い。
※良かったらこれも読んでね(「あなた」と「わたし」を「ゆう」


「あしどり」という名に込めた想いと「5周年」というタイミング。
最近は色々ことを振り返るタイミングにもなっていました。

素敵なお花をありがとう!

拵の「あしどり」

徐々に消費社会についての疑問視が出てきている様にはなっていましたが、拵をはじめた頃は今より全然少なくて

「革の元となる動物がどこのものなのか明確なものを使いたい」
「何が使われて鞣されてるのか知りたいし、見たい」
「害獣なんて人間都合で命を潮末にしているなんておかしい」等々

なんてことを始めたからずっと言ってきたわけですが、そんなのはあくまでも理想論や綺麗事。甘っちょろい戯言として扱われる時が多々ありました。
(未だにあるけど)

でも、その甘っちょろい戯言が自分にはとても大切なことで、「ものに溢れた現代」でものづくりをするには欠かせないことのひとつでした。

「Made in Japan」ってなんだ?
Japanの先は?誰が何でどうやって拵てんだ??

これが気になると言ったら頭のおかしいやつ扱い。
でも、それでもよかった。
世の大半がそうだったとしても、それが気になんない方が自分には違和感があり、心からそう思った。
んで、そっちの方が至極真っ当だと信じて、棚に上げ続けて活動してきました。
(未だにそう思ってます。)

どんどん便利になった現代。
「便利さ」と「豊かさ」

便利ってなんだ?
豊かさってなんだ??

時代とは逆行してようが大切にしたいものがある
「先人たちのあしどり」
「ものづくりのあしどり」

そして自分の好きを、欲しいを形に。
何よりも「拵」の一番のファンは自分であり続けたい。
いつか後世に残ったその時に胸を張れるように。
そんなことを考えながら歩んできた6年でした。

拵展「あしどり」

初個展ということもあり、どれだけの人に来ていただけるか正直不安でした。
個展をやりたいと相談して二つ返事で快く引き受けてくれ、通常営業とは異なる営業時間で対応してくれた友達。
全力で協力すると言ってくれて一緒に個展を盛り上げてくれる友達。
キービジュアルをはじめ、構想など相談に乗ってくださった先輩。

いつもの百貨店での出店とは異なり、今回は「拵」を目指して来てもらうわけであって、言い訳なんて出来ない。

あなたに会えることが愉しみな一方で、やっぱりどきどきは止まりませんでした。
ただ、やるからには全力で。
そしてあなたの笑顔に逢うために本気をと心に決めて。

でも、そんな不安も始まれば、いつしか忘れる程に本当に幸せな個展となりました。
初日のオープンからSNSで見たと言って来てくだった方を皮切りに、平日の日中でもご来場いただけ、夜はお店のお客様を交えながら連日遅くまで。
毎日笑顔に逢えて、それぞれが感慨深い日でした。

ありがとう。

参加型企画「あしどり」

いつしか拵にも6年間(5周年)という「あしどり」が刻まれてきた。
わたしにも人生の「あしどり」があるように、ひとりひとり、あなたにもあなただけの大切な「あしどり」がそこにはある。

足からはそんなひとりひとりの「あしどり」が感じられるんではないかと思い、個展では「あしどり」企画と題し、来場者ひとりひとりの足を形取らせてらせてもらいました。

あしどりの様子
「右足は未来、左足は過去」「好きな足を好きな場所」「書くことは日付、名前、一言」
これの条件を元にした「あしどり」でしたが、その中生まれる個性が本当に楽しかったです。

合計62名の「あしどり」をして感じ、確信したことはただひとつでした。
「全てのあしが美しく、色気が宿っていた」ということ。
当たり前で使い古された言葉かもしれないけど、ひとつとして同じあしどりなんてなくって、どれもが尊く、他の誰のものでもないあなただけのものでした。

ひとりひとりの人生のあしどりが、確かにそこにあった。

右足か左足か。どこにどうやって足を置くのか。
その「あし」にどんな言葉を紡ぎ、何を残すのか。
それぞれの「あしどり」がそこにあり「全てが美しい」
ただただ、これだけでした。

4日間で60人以上のあしと向き合った自分があなたに伝えたいと思ったことは「あなたのあしどりはあなただけのもの。それが尊くて美しい」ということです。

この先のあしどりで、悩んで、悔しくて、なんかわかんないけど、ふと下を向いてしまう時もあるでしょう。
そんな時があってもいい。人が生きるんだから。
でも、その視界に映った自身の足を見た時には、この言葉を思い出してください。
そして自信を持ってください。
背負ってきた歩んできた人生、全て込みで「今のあなたが一番美しい」

あの空間は1人だけでは出来ないもので、あなたがいたからこそ生まれた空間でした。
そんな待ち合わせ場所をあなたと創り上げることが出来て、本当に幸せな4日間でした。
ありがとうございました。

歩んでいったその先で、またあなたに会うことが出来たら嬉しいな。
その時、お互いにどんな「あしどり」になっていますかね。

徐々に増えていくあしどり
あなたのあしで完成した「足に願いを」
ビアカフェ萬感にて7/7(日)まで展示をしていました
同時に完成した「あしどり」は拵の工房にて展示中
※お披露目の機会も企画中です※

「あなたへ」

いつも本当にありがとう。
あなたがいたから拵が今日まで続いています。
いま、わたしはここで生きれています。

今回の来場なんて関係になしに、あなたがいたからこその今日です。
今、この瞬間なんです。
故に拵展「あしどり」が開催させてもらうことが出来ました。

会いに来てくれて、あたたかいメッセージをくれて、SNSでリアクションをくれて、本当に、本当にありがとうございました。

絶対にまたやります。また会いたいです。
あなたに会いたい。

本当にありがとうございました。

愛しています。

拵 小室 祐平(made by com)

さぁ次は何をやろー

拵展「あしどり」
あしどり
レセプションありがとう!

Special Thanks

・ビアカフェ 萬感
・野口 礼於
・植田 マミ
・中島 慧
・杉本 和仁
・杉本 架歩
・あ な た

※敬称略※


【プロフィール】

拵 小室 祐平
made by com

〜色気の宿るものづくりを〜
鉄を主成分とした独自の染色『黒鉄染め』を中心に
厳選した産地のわかる内地(国内)の原皮革で拵えてます。

E C :https://koshirae.official.ec
S N S :https://www.instagram.com/koshirae_com

-お取り扱い情報-
● 横浜髙島屋 6階 紳士(常設展開)
● 伊勢内宮前 おかげ横丁「かみなりや」

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