帰納法とタイルの話
4月23日 くもりのち晴れ
本日のBGM The 13th Floor
今日は晴れているのにやたら寒くて
またしても私の代謝組織がストライキを始めて
体温を全然あげてくれないのかと思っていたら
今日はちゃんと寒い日だったみたいで安心しました。
さて先日電気窯で焼いたやつが
窯が冷えたので取り出し。
青っぽい色は大体電気で焼きます。
電気の方が鮮やかになるからですね。
もうちょっとびびらずに足元まで
かけたらよかったなあと思いましたが
まあ悪くはないって感じですね。
ちなみにこれは縦長な水差しで
持ちやすいようにぼこぼこしてます。
工房の戸を開けると、
外壁に貼っていたタイルが
一枚足元に落ちていていました。
陶器用のボンドで止めていたけど
貼ったのが確か5年前くらいだから
そのくらいで寿命がくるのかしら。
これからいっぱい剥がれたらどうしましょ。
いやんいやんとゴリラ踊りをして
気を落ち着かせましたが、
その前にこのタイルはなんなのかというと
釉薬のテストピースで、
こんな感じで工房の外壁に貼っています。
これは書かれている番号によってどの釉薬が
どの色になるかの一覧表として壁に貼ってあるものです。
私は焼き物の学校に行ってなくて、
何処かの窯元に弟子入り修行もしてないので
釉薬のことは全然理解していなくて、
陶芸家の人が会話の中で
なんとかリウムとか なんたら酸と言うてるのを
うむうむと訳知り顔で相槌を打ちつつ
心の中では「この人はさっきから何を言うてるんだろう」と
ほとんど内容を理解していないのですが、
私は全然話を聞いてないのに
さも聞いてるふうに装うのが得意なので、
釉薬のなんたら酸に理解を深めることなく
ここまできてしまったわけです。
なので私の釉薬知識は
とにかく混ぜて、
焼いてみて、
いい色だけ覚える、
と言う大変わかりやすい帰納法的な
手段による知識群で、
その結果がこれ↓になるわけなのです。
このタイルは5年前から増えてないのですが、
今では釉薬も化粧土も焼き方も増えたので
全ての組み合わせのパターンを作ると
たぶんこれの何倍にもなると思います。
いつの日かそのパターンを全部作って、
壁一面にタイルを貼ろうと思っていましたが
考えただけでもめちゃくちゃめんどくさいので
よほど何もやる事がなくなればやると思います。
今のところの優先順位で言えば
「昔クリアしたドラクエのレベル上げをする」
って言うのと同じくらいの位置にいますね。
パラパパッパッパッパー♪
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目