泣いたらあかん
「小学校受験の時に、お母さんからそう言われてた。面接で泣いたらアウトだったらしいです。」
彼女はそんな話を笑いながら教えてくれた。
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今日も留学生と、”現状をさらに良くする為には何が出来そうか”に向かえる様な話をしていた。
「こうだったら?」「ああだったら?」「その時、どんな気持ちになりそう?」
あれこれ、聞いてみた。まーちょいと聞き過ぎたかもなー。
「えー、特に何も感じないです」
「分かりません」
「私がどう思うか。えー、別にそういうのは無い」
どこか気持ちにストッパーをかけている様な、或いは感情を言葉にしずらいのか、と思える様な返事が時折返ってきて、引っかかった。
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その後、取りあえず話は一段落して、彼女の友達とも一緒に雑談する時間があった。
ここでは高校受験とかないねー、という話題から、この学生は小・中・高で受験をした事が分かった。
小学校の入試
立体図を見て積み木幾つで出来ているか答える、絵を見て何がいけない事なのかを説明する、とかそんなのがあったらしい。そして、、、
お母さんから「面接では絶対に泣いたらあかん」と言われていたそう。
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彼女は笑ってそう教えてくれたけど、5歳児が絶対に泣くな、と言われ、泣かない様にする。相当に、感情を抑え込むコントロールが必要だったんじゃないか。それって苦しくないか???
どこか感情を外に出さずに話をする彼女の姿に、何となく合点がいった。いや、もちろん私の勝手な解釈なんだけど、でもそういう背景があるとしたら、自分の感情を解き放つ事を取り戻していく必要はありそうだなーと感じた。
泣きたい時は泣けばいい。
嬉しい時は笑えばいい。
そんな素直な感情を外に出す事が、ちょこっと難しくなっているかもしれない私達。
色んな背景があって、この学生は今私の目の前にいるんだな。
そんな当たり前のことを改めて感じた。