携帯工具(サドルバッグ・ツール缶の中身と用途)

自転車で走る時にどんなものを持って走っているのか。
ジャージのポケットやサドルバッグ、ツール缶に何を入れて走っているのか。

目的は?

  • パンク修理

  • サドルやハンドルの調整

  • 整備不良・あるいは超長距離の際のトラブル対応

普段は、パンク修理道具(とワイヤー錠)さえ持っておけばいいです。それで手に負えないなら、携帯で自転車店・タクシー・あるいはレンタカーを探す。財布やスマホを忘れないことが大事。

カタログや店頭でピカピカの携帯工具(スイスアーミーナイフ的なもの)を見つけて、こんなに多機能なのがこんなにも小さく!と Lezyne の工具など買っちゃいがちですが、何をしたいのか目的をはっきり決めてその解決のために工具を持ちましょう。どこまでは自分で対応して、どこからはタクシーや自転車保険のロードサービスを呼ぶかの線引きをすることです。
(なお、Lezyne の工具は悪い点はありません。どちらかというとお薦めです。)

パンク修理ができるために

(タイヤとチューブがある一般の WO タイヤを想定)

  • ポンプ (バリエーションとして CO2 ボンベと口金。お助けチューブなど)

  • (WOの場合)予備チューブ 1本(雨の後、あるいは知らない道を 100km 走るなら2本持っておくと安心) バルブ長はホイール(リムの高さ+20mm程度)にあっているのか要確認。

  • タイヤレバー タイヤレバーを 3本持っていきましょう。素手で着け外しできるのは上級者です。

  • (パンク修理キット)ゴムパッチ、接着剤、紙やすり。各々がすれたりつぶれたりしないように入った箱。あるいはシール式のパンク修理パッチ(スーパーパッチ、イージーパッチ)。分包のアルコール不織布シートも持っておくと失敗が少なくなる。分包のものはカメラ用品にあります。アルコール脱脂綿なら薬局。

  • (タイヤに貼るタイヤブート)布テープ(布粘着テープ)やダクトテープでもいい。タイヤが切れてチューブが飛び出す際に。使い終わった古タイヤを短く切ってビードも切り落として持ち歩く方もいます。タイヤが切れた部分の中に入れて二重にして補強にする。

  • ビニル手袋やゴム手袋(ニトリル手袋)あると手が汚れない。パンクの原因を探すときに怪我(切り傷)の予防に。パンクの原因探しにストッキングの切れ端を持つ人もいます。

  • 手を綺麗にするアルコールシートや Tiptop のハンドクリーナー。セブンプレミアムライフスタイル メガネクリーナー20包入が便利。1個入れておきましょう。

長めのツール缶と短いポンプだとツール缶にポンプが入ります。買い物の際には、実際に入るか現物あわせがいいです。また、携帯ポンプで何回ポンピングすると走れるくらい空気が入るのかは事前に家で練習しておきましょう。200回や250回押す必要がある製品もあります。トラブルの前の練習が大事。雑にポンピングしてバルブの付け根に亀裂を入れちゃうのも家だと対処できますが、出先だと大変です。
ポンプを自転車のフレームにつけっぱなしだと、パッキンが悪くなったり、ゴミの侵入で空気が入らなくなったりしていることもあるので、1年に一度は予備チューブを軽くふくらませるなど使ってみて動作確認しましょう。年末や新年の儀式にすると忘れにくいです。
Topeak, Panaracer はポンプの補修部品があるので、パッキン交換で長く使えます。輸入代理店にパッキンの取り扱いがなくても、台湾などの製造メーカー(giyoなど)に手紙を書くと売ってもらえる事もあります。
予備チューブは重たいので持たない、パッチやシール式パッチしか持たないポリシーの方もいますが、同行者がいる場合は復帰まで長時間待たせるので予備チューブを持っていきましょう。チューブが裂けた場合はパッチでは直りません。
シール式パッチの劣化(くっつかなくなる)、ゴム糊の劣化(固まって使えなくなってる)には注意。年末など定期的に交換するとトラブルを予防できます。
タイヤレバーは単純な道具ですが、手に馴染む、その人の使い方にあった形か色々ありますので、形が違うものをコレクションしてみてもおもしろいです。他人のお勧めががあてにならない道具の一つです。 :-)
最小限の荷物で走る時も予備チューブ1本とポンプとタイヤレバー3本だけは持っていきましょう。ポケット1個やサドルバッグに収まります。

注:
タイヤブートや布テープは応急処置です。無事に家に帰れたら、タイヤを新品と換えましょう。

雑誌などで、サドルバッグ・ツール缶の中身を見せてください記事がある時があります。他の人は何を持っているのかを見るとどんなトラブルを想定してツールを持っているのか参考になります。(自分も同じツールを持つ必要はありません)

サドルやハンドル、FDの調整

  • 3mm hex (時々)

  • 4mm hex 頻繁。シートクランプ等 STI

  • 5mm hex 頻繁。

  • 6mm hex たまに。サドルの固定

  • 8mm hex レア。サドルの固定

  • プラス +2 105クラスのブレーキシュー交換。FD, RD のリミットネジ。(ディレイラーハンガー交換)

3,4,5mm のヘックスレンチは軽いため、ショートレンチを ZIP ロックに入れて持ち歩くといいです。通常の工具の方が携帯工具より精度がよいことが多いため。また、ショートヘックスレンチはPB等の高級ブランド品でも 1本 100円程度です。
6mm, 8mm のヘックスレンチはずっしり重たいため、サドルポジション調整などの目的がない時は持ち歩きたくないです。代わりにヘックスレンチのついた携帯工具を持つ、あるいは、5mmに着く PB のソケットと 6mm, 8mm のヘックスビッドを持ち歩きます。(特に超長距離ライドの際) セット商品が PB 470 バイクツールセットです。

輪行の際に必要かもしれないもの

  • 15mm 薄口スパナ、ペダルスパナ。 MKS に短い携帯用ペダルスパナ(165mm)があります。(事前に家で一旦ペダルを外して付け直しておけば短いスパナで対応可能。)シマノペダルなら 6mm か 8mm の hexでも外れるものがあります。(サイズはペダルによる)旅行の前に家で一度外して付け直す事で、数年固まったネジが外れなくて駅で困るトラブルを予防できます。

ペダルレンチは輪行に不要な人もいます。(背が高くてペダルがすねに当たらないなど)

超長距離ライドのトラブル対応

自転車屋がない土地や人里離れたところで一人でなんとかサバイブするための道具。(通常は必要ない)

  • 2mm hex リムブレーキシュー交換。

  • 2.5mm hex XTRのレバー固定。カンパ・フルクラムのレコード ハブ調整。

  • 10mm hex Campagnolo クランク固定。長いものが必要。重い

  • 14mm hex Cane Creek, SRAM SYNC クランク固定ボルト

  • T25 TX25 ディスクローターボルト

  • T30 TX30 チェーンリングボルト

  • マイナス ネジ回し

  • プラス ネジ回し 105のブレーキシュー交換。RDリミット・Bテンション調整

  • でかいマイナス (ペグスパナ) チェーンリング裏、(フレームによりディレイラーハンガー裏)

  • ワイヤー交換も想定するならラジオペンチ。ワイヤーが切れるもの

  • チェーン切り工具 必要なピン、あるいはチェーン・コネクトを忘れずに!

  • タイラップ(インシュロック、結束バンド) 複数繋げて長くして物を固定したり何かと便利。余分を切るカッターかペンチも一緒に。大トラブルの時にあってよかったと思う

  • ニップル回し 自分のホイールに対応するサイズを。シマノ・カンパは特殊サイズ多し。ただし完組ホイールはスポークが一本切れると大きくふれて走れません。

  • Mavic のニップル回し兼ハブ調整工具 Mavic ホイールの人は

この表にあるから揃えて持って行こう!ではなく、自分の自転車で該当するネジのサイズはどれかよく見てからそろえましょう。自転車と目的によって必要な工具は変わります。

ツーリングで仲間の自転車の面倒も見なくてはいけない時やイベントの走行管理ライダーをつとめる時。この時には必要なさそうなものもついている多機能携帯工具の良さが活きてくる気がします。自転車を複数台所有の人も。

いいなと思ったら応援しよう!