Legendary RC を買った。
子供の頃に手に入れることができなかった、タミヤのサンダーショットを買って作った話を以前書いた。
そして、スーパーセイバーが再販されることになり、買おうかどうか悩みまくっている日々のことも書いた。
スーパーセイバーの時は、実はほぼ買うつもりだったので、メカ類を買い揃えていた。
だが、予習のつもりでタミヤのホームページにあるスーパーセイバーの説明書を読んでいるうちに、サンダーショットより一世代前となるシャーシの組立に興味が薄れていったことと、価格が思ったより高めだったことで、憧れは持ちつつも買う気持ちが冷めてしまった。
その後は、サンダーショットとグラスホッパーⅡを時々棚から出しては愛でる、を繰り返す日々を送っていたが、じわじわと物欲を刺激するモデルが再販された。
それは、タミヤのラジコン100作目となる本格レーシングバギー「トップフォース」だ。
子供の頃には手に入らなかったモデルだが、散々悩んだスーパーセイバーにもう少しお金を足せば、現在でも通用する速さを持つハイエンドマシンが入手できてしまう。
すごく悩んだ。
実はトップフォースには、サンダーショットほどの思い入れは無く、ボディデザインとカラーがそれほど好きなわけでもなかった。
ただ、RCマニアの人達からの評価が高く、ハイエンドモデルも一度は組んでみたいという好奇心が、じりじりと物欲を刺激し続けていた。
結局は一歩踏み出さなかったのだが、その要因としては、やはり特別な思い入れも無いのに無理して買うにはちょっと高いという点、そしてこの価格帯になると、他にもこれが買える、あれも買える、と選択肢が逆に増えてしまった点だ。
そうして悶々とした日々を過ごしていた時に、一筋の閃光がビビッと全身を走った。
伝説的モデルの再販。
永遠の憧れ、Legendary RC。
その名は「アバンテ」。
細かな説明はWikipediaに任せるとして、アバンテの登場時期にばっちりハマった世代にとって、名前を知らない人はいないし、その存在に憧れなかった人もいない、と断言したい。
クルマにも、その玩具にも人一倍興味があった少年期の自分にとって、実車も含めてこれほど刺激を受けたモデルはあっただろうか。
単なる「カッコいい」の言葉では済まされない、ぶっちぎりのカッコ良さ。
凝った作りと高価なパーツが、宝石の如く惜しみなく散りばめられた、ハイエンド中のハイエンドモデルが醸し出す独特の佇まい。
当時のキッズにとって、高橋名人と同じく神様のような存在だった滝博士が設計した、タミヤ初の純レーシングバギー。その再販。
めちゃくちゃ心が揺らいだ。激震だ。
大人になって働いて、趣味にそこそこ注ぎ込める程度には稼ぐようになったが、だからといってお小遣い制のしがないサラリーマン。1万円のミニチュアカーを一つ買うにも散々悩む有様だ。
アバンテは、ラジコン専門店で買っても5万円前後。それだけでも我が趣味の中ではぶっちぎりの高額品。メカやら何やらを含めたら、7〜8万円は飛ぶだろう。
さすがに無理だ。諦めよう。
そう思って物欲をグッと飲み込んだ自分が、狂気の沙汰と言える購入ボタンをポチッとしてしまうことになるとは…
タイトルにある通り、今、我が家には“Legendary RC”がある。しかもブラックスペシャルだ。
狂気の沙汰に至る要因はいくつかあった。
まず、再販後に速攻で売り切れると思っていたのに、意外と売り切れず、色々と調べて考える時間があったこと。
次に、スーパーセイバー用に買ったと冒頭に書いたメカ類の存在を、実はすっかり忘れていて思い出したこと。
そして、アバンテでは必須と言われるオプションを満載したブラックスペシャルが、某RC専門店で数量限定の特価だったこと。
それらが重なって頭の中で一気に、ブラックスペシャルを買って標準ボディとの着せ替えをすれば、オプションも最初から入手できて、最良の選択なのではないかと思い付いてしまった。
そうなると今度は、標準ボディとステッカー、独特のホイール探しになるが、ネット検索したら全てがあっさり揃ってしまったのだ。
そしてダメ押しの一撃。ブラックスペシャルの特価より少しだけ価格が安かったため最後まで悩んでいた、標準アバンテ「売り切れ」の文字。
「明日死ぬかもしれないのに、今買わんでいつ買うんや・・!(ポチッ)」
購入前までは、箱を開けた時のブリスターパックの高級感なんてナンボのもんじゃい!と、完全にナメていた自分。その浅はかさたるや…
会社で嫌なことがあっても、忘れることができる存在って、本当に素晴らしい。
続く…
Koshichi Museum by Muuseo
https://muuseo.com/Koshichi-museum