2度目のスーパーフォーミュラ観戦(その2)
意を決して座席に戻ると、ちょうど各マシンがコースインを始めていた。
観客からの拍手の中、阪口晴南選手が既に並んでいる隊列の真ん中をゆっくりと進み、ポールシッターの指定席へと車を止める。
現地観戦で最も好きな瞬間の一つだ。
相変わらず場内放送アプリ「Race Now!」は使えないままだったので「SFgo」を立ち上げるが、通常の動画視聴モードだとタイムラグが大きいし、新たに搭載されたサーキットモードだと実況が聴けなかった。
前回観た位置よりポールポジション側に席を近づけたので、スタートの瞬間の上位陣の動きがよく見えた。
レッドシグナルから、ブラックアウト!
ストールした車両はなく、一斉に全てのマシンが1コーナーへと飛び込んで行った。
場内放送では、野尻選手がトップに立ち、Juju選手が1コーナーで飛び出してしまったことを伝えていた。
「あー、Juju選手は1コーナーで終わっちゃったかー」とガッカリしていると、コースに復帰していることが告げられ、慌てて最終コーナーを立ち上がってくるマシンにスマホカメラを向けた。
野尻選手を先頭に、ポールの阪口選手がナカジマレーシングの2台に挟まれた状態で、目の前を駆け抜けて行く。
Juju選手も最後尾からしっかり走っていた。
予選2位の太田選手も阪口選手と同じくスタートで出遅れていて、牧野選手と並んでメインストレートを駆け抜けて行った。
2周目に入ったところで、ピエールさんがコースオフしたマシンがいることを告げた。
国本雄資選手と小高一斗選手がS字で絡んだようで、セーフティカーが入っている間にSFgoを見返すと、2コーナーを出たところで国本選手の左リアに小高選手の右フロントウィングが当たり、S字に入った瞬間に国本選手の左リアがバーストしてバランスを崩し、小高選手を巻き込んだようだ。
タイヤがまた冷めてしまう状況で、セーフティカーが事故区間以外を結構速いペースで走り、野尻選手がそれを称賛する無線が入った。
各車、再スタートに向けてタイヤを温める。
コースがクリアになり、再スタート!
野尻選手が危なげなく好スタートを切り、後続を引き離し始めた。
SFgoでJuju選手のラップタイムを時々確認したが、他の選手に全然負けていなかった。
昼食時にビールを飲んだものの、寒さで酔いが全く回らず、ブルブルと震えながら観戦を続けた。
野尻選手がリードを築いたまま、イエローフラッグが出ることも無くレースが進行していく。
ピットストップのタイミングで“ヤマケン”こと山下健太選手が2位に、山本尚貴選手が3位へと浮上した。
山本選手を応援すべくキーホルダーを買って決勝観戦に臨んだので、このままゴールまで行ってほしいと祈るような気持ちで見守った。
結局、その後に波乱は起こらず、クリーンなバトルが随所で見られる展開となった。
細かなところを確認するべくSFgoを再び立ち上げようとするも、つながらない状態になってしまって、場内放送も聴けなくなってしまった。
場内放送と反応の早いライブタイミングは快適なレース観戦に必要不可欠だと思うので、積極的な改善を願う。
結局、野尻選手が貫禄の勝利となり、山本選手は気迫の走りでヤマケンを追ったが一歩届かず。しかし、ヤマケンと共に復活をアピールする良い走りだった。
開幕直前にTGMからの参戦が決まった松下信治選手も好走を見せてくれたし、肝心のJuju選手も見事完走を果たし、まるでウイニングランのように手を振る姿に、優勝の野尻選手と同じくらいの拍手を皆が送っていた。
ゴールの瞬間とウイニングランの時に、サーキットが拍手に包まれる瞬間が大好きだ。
ゴール後のインタビューでは、珍しくテンションの高い野尻選手がおどけたかと思うと、山本選手は涙混じりの安堵の表情を見せてくれた。
3月開催を少しナメていたこともあってかなり寒い観戦となったが、最初に書いた個人的注目点の「Juju選手、無事に完走なるか?」と「山本選手、おかえり!」は素晴らしい結果となったし、それ以外にも見どころ満載で、開幕戦に相応しい良いレースとなった。
もう寒い思いをするのは御免だが、真夏も真冬(?)も経験できたので、きちんと対策をして、鈴鹿での開催時はまた絶対に来たいし、他のサーキットにも行ってみたいと改めて思った。
ちなみに、レース後に届いた行きつけのミニカーショップのメルマガを見て、今年の山本選手とJuju選手のマシンを勢いで予約してしまったので、しばらくは節制した生活が続きそうだ…
Koshichi Museum by Muuseo
https://muuseo.com/Koshichi-museum
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