オムニテルデッキリスト解説
どうも、はじめまして。
関西で細々とレガシーをプレイしている、こしあんと申します。
今回はレガシー環境に存在するアーキタイプオムニテル(Omni-Tell)について『カルロフ邸殺人事件』発売前の構築を備忘録として残すための記事です。
備忘録ですがオムニテルを使いたい、オムニテルで少しでも勝ちたい、そんな方の参考になれば幸いです。
1.オムニテルとは
まず、オムニテルとはオムニをテルするデッキです、いわゆるショーテル系のデッキです。
名前の通り、《全知/"Omni"science》を《実物提示教育/Show and "Tell"》で出してそのままデカブツを叩きつけたり、無限に《蟻の解き放ち》を打ち込んで勝つデッキでした。
時は2023年5月12日、『機械兵団の進軍:決戦の後に』の発売から《ヴェズーヴァの漂うもの》を手に入れてショーテルを打たないコンボを搭載出来るようになり、デッキとして1段階強くなりました。あんな薄っぺらいパックでこんなに変わるとは…………
現在のオムニテルの各カードの組み合わせを下記にまとめました。
ルートなんて呼ぶほど分岐はありません。
実物提示教育かヴェズーヴァを漂うものを起点に矢印の先までの組み合わせを作るだけです。
①実物提示教育+全知+狡猾な願い
②実物提示教育+全知+デカブツ
③実物提示教育+デカブツ
④ヴェズーヴァの漂う者+デカブツ(+渦まく知識、思案などのドローソース)
⑤ヴェズーヴァの漂う者+狡猾な願い
それぞれ裏目や対策カードが変わるので、手札と対面で相談してどのルートで行くか決めましょう。デッキの流れは以上ですので、次項からデッキリストの解説を行います。
2.デッキリスト
直近のリストがコチラです。
採用理由や枚数など特徴的なものは次項で説明しています。
長くなるので気になるカードの項目だけ読んで貰えれば幸いです
3.メインボードの特筆点
《ヴェズーヴァの漂う者》は4枚確定です。
青黒にしてリアニとハイブリッドしたり、《Eureka》を複数枚詰むエウレカテルにしない限りは確実に4枚採用です。
今までのオムニテルでは下記のような事が多発していました。
「実物提示教育は引くのにデカブツも全知も引けない」
「実物提示教育の1枚目を消されて2枚目が全然引けない」
これは2枚コンボではよくある話だと思います。
デッキに4枚しか無い《実物提示教育》を探しているとそうなりますが、それが8枚なら見付からない事はそうそう無いですし、1回目が弾かれても2回目のキャストに余裕が出ます。
また、《実物提示教育》を《外科的摘出》で抜かれて即投了なんて事も無くなります。
異なるプランで攻められるようになった分キープ基準やゲームプランの切り替えが少し難しくなったとは思います。
《ヴェズーヴァの漂う者》を使う上で大事なのは優先権の確認と誘発の確認です。
特に誘発の確認は山札の上が変身出来ない物でも戦闘に入った場合は行いましょう。
誘発スタックで除去を使ってくれるかもしれません。
また、対戦相手の戦闘開始時にも誘発するので対戦相手のターンにグリセルやエムラになって盤面を止められる事も覚えておきましょう。
《緻密》は筆者のプレイ環境にDDFTやイニシアチブ、エルフ等が一定数上位卓に居ることが多く、そこに対して確実に1ターン貰うためのお守りです。
プレイする環境にそれらが少ないのであれば抜いても問題ありません。
《残虐の執政官》はカラカスで縛られている時に《俗世の教示者》で仕込んだり、post対面サイド後のショーブッパにデカブツを合わせられる事があるのでそこをカウンターします。
《グリセルブランド》は《ヴェズーヴァの漂う者》の登場によりデッキに戻ってきました。
《オークの弓使い》に弱いのは変わりませんが、《ヴェズーヴァの漂う者》を出して召喚酔いしている時に捲れるとそのまま起動出来て最強なので《偉大なる統一者、アトラクサ》を押し退けて採用しております。
《偉大なる統一者、アトラクサ》のメリットが
・ブルーカウントになる
・手札に加えるのでドローではない、ライフも失わない
・変身したら警戒魂絆で殴って、《ヴェズーヴァの漂う者》を寝かさずにライフ回復が出来る
などメリットはメチャクチャあるので好みで《偉大なる統一者、アトラクサ》に変えても良いと思います。
《ヴェズーヴァの漂う者》のバリューを上げる事に重きを置いているので筆者は《グリセルブランド》派です。
《衝動》、好きとしか形容出来ない1枚。
つい先日まで森の知恵を入れていた枠を潰して《衝動》の2枚目になりました。
経緯としては
・《森の知恵》がオークに弱すぎる
・《トレストの使者、レオヴォルド》にも弱い
・《衝動》で構えながら確実にコンボパーツを探す方が裏目が少ない
以上からどのマッチアップでも最低ラインの仕事をする《衝動》に軍配が上がり現在の採用枚数になっています。
《グリセルブランド》の項目とチグハグの発言をしていますが、《グリセルブランド》は7/7飛行魂絆+《オークの弓使い》が出ていない時の上振れ要因として2つの側面があるためです。
《狡猾な願い》は人によって採用枚数が変わりますが自分は確定で4枚採用だと思っています。
理由は《全知》ルートと《ヴェズーヴァの漂う者》ルート両方で強く使え、ダブった時はサイドの《夏の帳》や《狼狽の嵐》に変換してバックアップ枚数を増やすなど手札でダブついても強く使えるケースが多いからです。
また、メインから《外科的摘出》や《活性の力》などを持って来ることもよくあります。
頭の片隅に何を持ってくるのか、持ってこないといけないのかを考える事も重要です。
《直観》はつよわいです。
常にサイドアウト候補です。
それでも《実物提示教育》《狡猾な願い》《全知》《ヴェズーヴァの漂う者》の5枚目として活躍して、メインなら《外科的摘出》が飛んでこない為1枚採用です。
適当にキャストして適当に解決しがちですが、《直観》はプレイヤーを対象に取ります。
《トレストの使者、レオヴォルド》が居れば1ドローされますし、《夏の帳》を打たれると対象不適正になり立ち消えます。
キャスト時に「対象そちらで」位言うのがベターですが、2.3回に1回は「なんのことですか??」みたいな反応をされます。
それも一興です。
《ロリアンの発見》は《古えの墳墓》の採用枚数が増える度に《ロリアンの発見》も採用枚数が増えていったカードです。
《氷牙のコアトル》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を抜いて《古えの墳墓》込みの速度感でゲームを進める現在のオムニテルでは色事故が増えています。
しかしマナスクリューもしたくないため暗にフェッチも増やしたくない。
そんな時に《ロリアンの発見》が出てきました。
《古えの墳墓》+《ロリアンの発見》でゲームが出来て、ブルーカウントとして扱えて、《全知》が出た後にはソーサリーの《Ancestral Recall》です。
採用まで少し懐疑的でしたが使えば分かる強さでした。
枚数は常に検討していますが、現状は2枚で落ち着いています。
《古えの墳墓》は《ヴェズーヴァの漂う者》採用型にしてから採用枚数がグンと増えました。
最初は1枚だったのが、2枚、3枚と増えていき現在は3枚で落ち着いています。
現在は速度感を重視している為3枚ですが先述の通り色事故を引き起こす要因にもなっているためノータイム4投!!とはなりませんでした。
しかし2T《実物提示教育》《ヴェズーヴァの漂う者》は強力であり、非青デッキ対面は容赦無く2T目にコンボを狙いに行きます。
青いデッキでも2マナランドを活かしてデイズケアもしやすくはなりますが《不毛の大地》の的になりやすいので、なるべく手札に抱えて攻めるターンにセットランドしましょう。
《耐え抜くもの、母聖樹》は8cast全盛期に強い《森》として採用し始め、感触が良かったので今現在も採用しています。
現在は《力戦の束縛》や《霊気の薬瓶》《ウルザの物語》《罠の橋》、サイド後は《耳の痛い静寂》など当てたい物は多いです。
4.サイドボードの特筆点
まずオムニテルに入っているサイドボードは2種類あります。
①《狡猾な願い》で持ってくることが出来るインスタント
②《狡猾な願い》で持ってくることが出来ない置物
基本的にこの2つです。
サイドボードを話す上で重要ですので改めて書き示しておきました。
まずは①《狡猾な願い》で持ってくることが出来るインスタントにフォーカスを当てていきます
①《狡猾な願い》で持ってくることが出来るインスタント
《狼狽の嵐》は《狡猾な願い》から持ってくることもありますが、サイドインすることも多いです。
打ち消し合戦に強く、基本的に《夏の帳》と《狼狽の嵐》以外に裏目はありません。
しかし、それらを当てられるとストームが100でも1億でも意味がありません。
また、《狼狽の嵐》の特徴として相手のスペルを消したい時は強いが自分のスペルを通したい時のバックアップとしては微妙ということが挙げられます。
当たり前の話なのですが《狼狽の嵐》のスタック上から通したいスペルに《意志の力》を当てられるだけで打ち消されるのはeasyです。
常に最強の打ち消し呪文ではないという事を頭の隅に置いておきましょう。
《外科的摘出》はサイドインしません
《外科的摘出》はサイドインしません
《外科的摘出》はサイドインしません
基本的にはサイドインしないし、とても大事な事なので3回書きました。
リアニ対面先手だけ《夏の帳》を構えながら《外科的摘出》をハンドに持っておけるのでワンチャンですが、それでも60枚に1枚の《外科的摘出》より60枚に4枚の実質《外科的摘出》の方が強いと思ってます。
《狡猾な願い》は3マナ2点ペイの《外科的摘出》です。覚えておきましょう。
1枚のカードを頼りにゲームするなら《墓掘りの檻》を探すマリガンをして置くだけで即死は免れます。
《夏の帳》はサイドインしません
《夏の帳》はサイドインしません
《夏の帳》はサイドインしません
《夏の帳》は何故か禁止されていないオリカなんで擦り切れるまで使いましょう。
《外科的摘出》の項目でも書きましたが、サイドインするより《狡猾な願い》を4〜7枚目の《夏の帳》として運用する方が強いです。
最近のよく使うシチュエーションはカスクラのサイド後に《避け難い裏切り》へのカウンターとして使ったりします。
常に環境のどのカードに対して有効に使えるのかを把握しておく事が重要です。
大会中どうしても、対戦相手が使う・使いそうカードの正確なオラクルに自信が無ければ迷わずジャッジを呼んでオラクルを確認しましょう。
テキストの勘違いで負けるのは勿体無いです。
(当たり前ですがジャッジを何度も呼んで大会の進行を妨げるのは止めましょう)
《俗世の教示者》はコンボ用です。
サイドインもしません。
《ヴェズーヴァの漂う者》誘発スタック、《狡猾な願い》→《俗世の教示者》でエムラ積んで殴って勝ち!!
結構決まるのと、このルートのお陰で《ヴェズーヴァの漂う者》が実質マスト除去になります。
対戦相手視点ではサイド後に除去を完全に抜くことが出来無くなるため、以前より対策カードがズレてコンボが通る事もあります。パイロとrebは打ち消しと除去、両方の性質を併せ持つ♡ので天敵
以前はメインに1枚でしたが、《狡猾な願い》でかさ増しした方が強いのでサイドに収まってます。
《活性の力/Force of Vigor》は発売されてからずっとサイドに入り続けていて、今なお他の候補は現れていません。
しかし現在のリストではグリーンカウントが激減しており、ピッチコスト確保の点から脳死で入れ続けるのはどうなんだろうと悩んでいます。
(コアトルウーロ期のグリーンカウントは大体10枚、現在は3.4枚)
ハードキャストも容易に出来るマナコストで、ワンチャン0マナで唱えられるのは唯一無二の為、現在もリストに鎮座しているが常に懐疑的ではある1枚です。
《呼応した呼集》は《全知》がある状況で《グリセルブランド》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》を持ってくるためだけのカードです。
勿論サイドインはしません。
《呼応した呼集》まで通っていれば打ち消しは無いですが、除去を打たれる可能性はあります。
《グリセルブランド》か《引き裂かれし永劫、エムラクール》どちらから唱えるか悩んだ場合は除去されても良い方を先に唱えましょう。
また、一部のデッキで《敵対工作員》がサイドインされる場合があります。
対戦相手に黒2が出せる状況があればワンチャン出てくる可能性があることを頭に置いておきましょう。
先に出来ることはして、可能であれば打ち消しを手札に加えてから《呼応した呼集》を唱えられるのがベストです。
《崇高な天啓》は《狡猾な願い》から持ってくる《もみ消し》枠です。
この枠は《崇高な天啓》以外だと《計略縛り》を入れる事が多いですが1ドロー、バウンスも追加で出来るのが偉すぎるので《崇高な天啓》が出てからずっと《崇高な天啓》を使用しています。
(超余談ですが《氷牙のコアトル》が入っていた時期はコピーモードもよく使っていました。)
②《狡猾な願い》で持ってくることが出来ない置物
《花の絨毯》は抜けたり入ったりしていて、環境の上部にどれだけ青いデッキがいるかで採用枚数を調整しています。
今現在は豆系統のデッキが隆盛しており、そこに対してマナを2.3倍使うことで手札を整えて《目くらまし》などもケアしてコンボを叩きつけていきます。
《花の絨毯》をコントロールしている場合、戦闘前メイン・フェイズに入ったら何かアクションをする前に《花の絨毯》からマナを出すのかどうかを宣言しましょう。
何かアクションを取ってから「マナ出します!」「○色出します!」は通りません。
(正確には戦闘前メイン・フェイズ開始時に誘発しているので、誘発スタックでアクションを取ることは可能です。)
現在は3枚採用しているため、島の枚数次第では《グリセルブランド》《残虐の執政》《全知》のハードキャストも可能です。
コンボを通す事だけに捕らわれないようにしましょう。
《花の絨毯》は対戦相手を対象に取らないといけないため、《トレストの使者、レオヴォルド》が居ると1ドローされてしまいます。
ケアは難しいですが、《トレストの使者、レオヴォルド》が出た後に考え無しに《花の絨毯》を出すのは絶対に止めましょう。
《墓掘りの檻》はリアニ、スパイ、セファブレetcなど墓地経由のコンボ対面に入れます。
1枚で勝てるカードではありませんが、通れば確実に1〜3ターン程貰えるため速度勝負が難しい、出せたらほぼeasy win な対面が存在するため2枚採用しています。
この記事を見て組む際はプレイする環境に《墓掘りの檻》が刺さるデッキがどれ程いるのかしっかり見極めて、追放するタイプの墓地対策に入れ替えなども検討してください。
カスクラサイド後の《避け難い裏切り》にも刺さるので覚えておきましょう。
(カスクラがサイド後絶対に《避け難い裏切り》プランにするわけではないので噛み合いジャンケンだったりもします)
《激しい叱責》はデスタク、アルーレン、イニシアチブ系、オラクル系など生物で妨害をしてくる、生物で勝ちに来るデッキに対してサイドインします。
相手のエンドに入ってから《激しい叱責》を出して、場に《激しい叱責》が残っている状態でショーオムニ決めるのがよくある勝ちパターンです。
勿論毎回そんなに上手くは行かないので、《石鍛冶の神秘家》スタック、イニシアチブ生物スタック、《オークの弓使い》が居る時のエンドに出して返しでドロソを使い込むなど勝つまでの時間稼ぎとして使うことも念頭に置きましょう。
負けないプレイも大事ですが、目が薄い勝ちをどうにか拾いに行くプレイも大事です。
出し惜しんでも負けるならワンチャンに賭けて使う判断も必要です。
《倦怠の宝珠》はデスタク、オラクルデッキに入れます。
どうしてもオラクルデッキ、特にDDFTとオムニテルは9:1位の相性だと思っています。
ハンデスにダリチュの暴力加速、打ち消しもデイズ込みでマシマシ、まぁ勝てません。
なのでその9:1をなんとか7:3位に出来んもんかと思って行き着いた先が《倦怠の宝珠》でした。
特に《古えの墳墓》の枚数を多く取っているため、ベーランマシマシ構築よりはコンボ成立までに何とか間に合わせる事が出来るようになりました。
それでも有利にはなりません。
マッチアップしたら覚悟を決めましょう。
デスタク対面は早期に置けるとeasy winです。
リミテみたいな生物をはじき飛ばしましょう。
以上でサイドボードの解説が終了になります。
執筆中にもサイドボードは変えましたし、執筆後の大会では少し違うサイドボードを組んでると思います。
「このサイド15枚が最強!板!!」
なんてのは勿論存在しないので、確定枠以外は常に検討に検討を重ねて欲しいです。
5.さいごに
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
随所で軽く説明はしていますが具体的なマリガン基準や各デッキのサイドチェンジなどは全く書いておりません。
近い内にそちらを書いたnoteも執筆予定ですので、この記事を読んで興味を持って頂けた方は気長にお待ち頂ければと思います。
また、ご質問やご意見などあればコメント頂くかTwitterアカウント「@OmniTellDrifter」宛にリプライをお願いします。
また、この記事を読んでモンエナを奢りたくなった方がいればサポート頂ければ幸いです。
有料部分には今まで採用してきたサイドカードをメモ書きレベルで書き殴っています。
そちらに興味を持って頂けた方もぜひサポートお願いします。
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