『カモレの夏 EP』解説
こんにちは、cadodeです。いつも聞いてくれてありがとう。
(以下はSpotifyで公開した話を編集、加筆したものです)
Spotifyの解説付きプレイリスト:
今日は、『カモレの夏 EP』がどうやって作られたか、
どうして作ったのかを話していきます。
カモレの夏
まず「カモレの夏」は、とある少女と、日本の夏を巡る旅の話。
もともと私の友人が作っている原作があって、
2023年にそのテーマ曲を作ったんですね。
それがこの「カモレの夏」という曲です。
カモレと"私"の旅は、佐渡島から始まり、東北を抜けて北海道へたどり着きます。詳しくはCDについている冊子を見てもらえたら嬉しいんだけど……
カモレという、明らかに超常的な存在と、
とても牧歌的で、地に足のついた旅路。
その危ういバランスの中で、夏は過ぎていきます。
この曲は、そのカモレの夏のはじまりと同時に、
終わりを示唆するような作りにしました。
音や歌詞にいくつか仕掛けがあるので、探してみてください。
感嘆符
感嘆符(!):エクスクラメーション・マークのこと。俗にビックリマークとも。閃き、驚きなどの感情表現に使われる。
テーマは、(カモレの)好奇心と、その拡張
最近は難解になりそうな要素をなるべく省いていた。
が、この曲では久しぶりにそれを解放しました。
内容については、正直、全部解き明かして!と言いたい。
解いてほしいが、先に答えを言うのはどこか恥ずかしい。
波止場にて
苦心した。
私はカモレの夏の、まだ描かれていない終わりと、その先を描かなければならなかった。
カモレチームは私の解釈を楽しみにしてくれるが、どうしても規定してしまう。重い。
最終的に、バランスを取りつつ、『波止場にて』と『ポストスクリプト』、この2曲を行き来しながら同時に作ることにした。初の試み。
当日、ポストスクリプトを録った後に、それを反映してようやく歌詞が出来上がった。
それから、ebaからのデモが飛んできた時、すぐにこの曲をMVにしようと決めました。『感嘆符』で作ろうと思ってたんだけど、この方がいい映像を作れそうだったので。
MVもよろしく。
旅に立ってまで
ライブで完成する曲を作りたかった。
人生は旅のようだ、と思うことがある。
時にレールがあり、選択があり、目的地に着いたあと、道を振り返り、また次のことを考える。
積み重ねで景色は変わる。その見え方も。
では積み重ねて来なかった人間には何が残されているのだろうか。
実際のところ、過ごした時間は平等にある。生きているのだから、何かはしていた。私は人より多く寝てきた自信がある。
やらなかった後悔はついて回るが、焦燥感に突き出されるより、過去の自分を認めてから歩き出したほうが、たぶん予後が良い。
ポストスクリプト
【postscript】〔手紙の〕追伸、追白、二伸
「追伸」の使われ方は色々ある。
言いそびれたことだったり、言い忘れたことだったり。
最後にさらりと大事なことが書いてある手紙とか小説、私は好きです。
それから、
原作『カモレの夏』は、旅を終えた後、岩手の旅館で書かれています。
"彼"は、書かなければならなかった。
生む苦しみ、とよく言われますが、私も生まない苦しみの方が強いので、
この曲が出来上がったとき、心から安堵しました。
intro
EP(Extended Play)を作るには、明確な意味が必要でした。
本当は必要じゃないのかもしれないけど、その時には必要だった。
ポストスクリプトで夏は終わり、
またいつの間にか再生して、再び夏がやってくる。
その構造を作りたかった。
EPを計画した段階で、私のなかで1曲目のカモレの夏と最後のintroは決まっていました。
個々の曲が単体でプレイリストに入り消費されていく時代だけど、
アルバム単位でループして聞いてもらえると嬉しい。
以上!
4/21まで原宿で個展、
5/8にはライブ『カモレの夏[追慕譚]』も渋谷で開催します。
チケット売ってるのでよろしく!
そのほか詳細はこちら、もしくはXやInstagramで。
それでは
koshi