24. MIDORIの仕事/ Trabajo de MIDORI(6)
少し暗いテーマが続きますが、今日も初期に起こった課題のお話です。
日本人がやっているクラフトブランドということで、
話題性もあり、口コミは広がっていった。
委託販売先も増え、注文も増えていった。
昨日の記事には、人は増やさず、機械に投資したと書いたが、
それでもやはり人材は必要だ。
そのころで、常時5人近い職人さんが働いてくれていた。
ビジネス・経営を行う上で、最も大きな課題は「人材」だと思う。
だが、同時にこの「人材」という課題をクリアすれば、
ビジネスは一気に成長していく。
当時は、アミーゴのアミーゴや、家族(兄弟)、知り合いの知り合いから人材をリクルートしていた。
全く知らない赤の他人ではないので、関係性としては悪くない。
しかし、当時の僕はまだ組織経営なんて全くの素人だし、勉強をしたこともない。
ラテン基質の人ばかりなので、
日本人の僕からすると大きく価値観が異なることがあった。
仕事中のおしゃべり、携帯いじり、タバコ休憩、長い長いトイレ時間、
整理整頓や掃除をしない・できない→モノを失くす、などなど。
人を雇うことがこんなにもストレスなのかと、、、
つくづく、親が長く自営業で会社経営していたことはすごいことなんだと、実感した。
そのころの工房リーダーはパラグアイ人と日系人のハーフだった。
仕事はできるが、上記に挙げたような素行の悪さが目立つ人材で、
注意をしすぎると逆ギレされるし、
話し合いをしても、大きな声をあげ、こちらが折れるしかない。
そんなことの繰り返しだった。
ビジネスは順調に伸びているのに、
ここで人材を減らすわけにはいかない。
僕が耐えるしかないと、唇を噛み締めながら、
毎日彼らと向き合った。
そのころの僕の管理方法は最悪だった。
製造業なので、手を止めずに作り続けてもらわないといけない。
おしゃべりや携帯を禁止することもできない。。
僕は1時間毎に工房を見回りし、
注意こそしないものの、「こっちは見てるんだよ」という合図を送り続けた。
そうすると、どうなったかというと、
僕と職人さんとの信頼関係は悪化していった。
人間は常に監視されていると余計に不信感を抱くようになる。
ビジネスを伸ばしたいと調子に乗る僕の経営はどんどん空回りしてった。
売り上げは伸びると同時に、仕事量も増え、
南米なのに、僕の残業時間もふえ、土日も働くようなことが続いた。
当時はほぼ僕一人で、顧客対応、業者対応、納品管理、在庫管理などなど、
裏方仕事のほとんどを抱えていた。
楽しかったし、やればやるだけ結果がついてくるので、
やりがいもあった。
しかし、同じくらいにストレスも増え、
家族との関係も悪化してしまった。
そんなふうに、ビジネスは絶好調のまま、
コロナ禍がやってきた。
勢いのあった売り上げは2ヶ月連続ゼロを記録した。
ミドリ、第二の経済危機。
また日本への帰国の計画準備を考え始めた。
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