44. 障害者雇用の難しさ/ Desafio que trabajar con gente descapacidad
ミドリでは障害者雇用にチャレンジしたことがあります。
結果としては、失敗してしまいました。
明らかな僕の責任でした。
僕の経験不足と考え、問題解決能力の足らなさが原因でした。
ミドリから徒歩5分の場所に、
SENADISという政府機関の「障害者のための人権国立省」
があります。
そこに派遣されているJICA専門家のえみさんは、以前からミドリに通ってくれていて、
僕らの中では「ミドリのアンバサダー」と読んでいるほどの、ミドリの大ファンです。
えみさんと食事をしている時に、
僕が全く知らなかった障害者の世界の一部を教えてもらい、
すごく勉強になったこと、好奇心と興味も湧きました。
もっと僕らにできることがないかな。
そんな風に、何ができるかと考えるようにもなりました。
タチカワデザインとして、ミドリとしてできることとしたら、
コラボ企画ができるのではないか?
僕らのミドリでの経験と、SENADISの方の感性をミックスさせて、
新しいデザイン商品が作れるのではないか?
または生産が追いついていないミドリの商品の作り手になってもらい、
新しい雇用を作り出すことができるのではないか?
ミドリに招待し、ワークショップやセミナーのようなこともできるのではないか?
いろんなアイデアが出ました。
しかし、どれも現実的なのに、
現実問題、実現性に欠けていました。
そうです。
僕らはそこまでのボランティア精神で協力する余裕がなかったのです。
もちろんビジネスベースのアイデアもあったし、
企業のCSRとして地域・社会、パラグアイへの還元、恩返しのようなものをしたい、という気持ちも強くありました。
ミドリがここまで成長してこれたのも、
パラグアイの人々が受け入れてくれたからであり、
これからも末長くビジネスを行っていくには、
何かしらの還元もしていきたい。
昨年くらいからそのような思いが湧くようになっていました。
話を戻すと、
僕らはタチカワデザインの仕事、ミドリの仕事が段々と忙しくなるので、
SENADISとのコラボ企画は、片手間ででしかできないということに気づいたのです。
気づくのが遅すぎですよね。。。
でも、一個だけお互いにwin-winの選択肢がありました。
それが、「雇用」です。
ミドリが忙しくて、生産が追いついていない。
人手が足りない。
では、手伝ってもらえれば助かる!
ということで、えみさんにも相談し、
雇用可能な人、ポテンシャルのある人のリストを送ってもらい、
こちらから連絡した上で、もっともレスポンスのよかった人を採用しました。
Sさんは愛想もよく、真面目で一生懸命働いてくれる人でした。
正直、障害のハンディキャップを抱えているとは、
気づかないくらいでした。
知的なハンディを抱えているようでしたが、
コミュニケーションではあまり問題はなかったですし、
ミドリの仕事ではそういった課題があまり影響しないように、
仕事を選んで振っていきました。
結果として、メンバーと馴染んで、日々楽しそうにお仕事をしてくれました。
これなら、もっとSENADISにお願いをして、
雇用を増やしてもいい、そんなふうにも感じました。
また、パラグアイも最近になってようやく障害者雇用を行っている企業を優遇する制度もできました。税制などの面で、優遇されるそうです。
ところが2ヶ月くらい経ってから、
同じチームのメンバーとの衝突が起こってしまい、
また、人間関係の難しさを痛感しました。
周りのメンバーからSさんへの理解が足らなかった、
イコール僕の指導が足らなかったと痛感しています。
4ヶ月にして人間関係という課題でSさんには、
当面の間はミドリをお休みしてもらうことにしました。
ハンディのない人でも起こりうる人間関係という課題で、
このような結果になったことはつくづく僕の経営者としての未熟さを知ることとなりました。
同時に大きく成長できたと思っています。
Sさん、ありがとう。
今回の出会いをヒントに、さらに改善を続けて、
またSさんが戻ってこれるような環境を作りたいと思います。
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