19. MIDORIの仕事/ Trabajo de MIDORI(1)
MIDORIは、TDSのビジネスの一つで、木工のクラフトブランドの名前だ。
正式名は「Todo Palo Santo MIDORI」
全部パロサントのミドリだよ、という意味だ。
2017年10月にスタートしたので、かれこれ5年半近く経営しているブランドだ。
これまで紆余曲折あり、いろんな苦労もしてきたが、
それ以上に楽しみも喜びも多いビジネスだ。
Noteで書き表すには、かなり長くなってしまいそうなので、
要点だけまとめて書いていきたいと思う。
まず、パロサントとはパラグアイで有名な香木で、
マテ茶を飲む茶器(グアンパ)によく使われ、多くの人に親しまれている。
和名は「本緑檀」で、日本ではほとんど出回っていない。
南米のパラグアイ、ボリビア、ブラジル、アルゼンチンのグランチャコと呼ばれる乾燥地帯でしか樹勢していない木だ。
木部の断面が緑色で、甘い香りがするという特色がある。
世界一重い木の一つでもあり、重厚感がある。
最近、日本でも同名のパロサントがヨガやパワーストーン業界で流行っているが、
それとは別物となっている。こちらの見た目は黄色ぽく、軽い。
差別化するために日本の方々には、僕らのパロサントは「グリーンパロサント」、
もう一方のパロサントは「イエローパロサント」として呼ぶようにしている。
パロサントについて語り始めたら、まだまだ書けることが沢山あるのだが、
キリがないので、とりあえずパロサントの概要はここまでにしておこう。
このビジネスを始めたきっかけ。
当時、独立して1年たらずで、
TDSの建築の仕事は安定していなかった。
正直、暇で収入も安定しない時期もあった。
人気があり、実績のあるデザイン事務所でもない、
僕らにとってはそれは仕方のないことでもあった。
そんなある日、イグアス移住地のIさんから相談があった。
Iさんは、僕が最初にパラグアイに調査に来た時にもお世話になった人で、
それ以来、ずっと交流がある。
「イグアスで何か観光のお土産になるものが開発できないか。」
当時、イグアス移住地は言わずと知れた日本人移住地ということで、
日本や海外からの観光客が訪れていた。
しかし、お土産に買って帰るものがあまりないと言うのだ。
せめて買っていくのは、地元のスーパーで売っている、ブラジル製の製品など。。。
そこで、僕らが考えたものは、
「パロサントのお箸」だった。
パラグアイで一番有名な木を使い、お箸にしたら、
お土産にもしやすいし、嵩張らず、持って行きやすい。
さらに、日本に帰っても日常で使えるので、実用性もある。
僕は早速スーパーでパロサントのグアンパに書いている業者にコンタクトし、
彼らの工場を訪れた。
ジョンくんと訪れたその工場の衝撃は今も忘れられない。
僕らは気づいたら、あまりの予期せぬ喜びと共に、その場で舞っていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?