129. 新規開発のジレンマ/ Dilemas de desarrollo nuevo(2)
先日の新規商品開発について、
愚痴みたいなことを書き出してしまいましたが、
その後のリーダーの話し合いと、その結果を受けての対策について書きたいと思います。
悶々とした気持ちのまま、夜があけ、
翌日リーダーを話すことができました。
彼も賢い人間なので、よく考えてくれているし、
同時に彼も悩んでいることがわかりました。
まず、彼らがこそこそと作っているのは、
蚊取り線香置きでした。
シンプルなデザインですが、
確かにあったら良いなと思われるような商品アイデアです。
今まで縦型で、カタツムリのデザインはありましたが、
そのデザインも全然アリだと感じました。
なぜ、その場で僕に教えず、こそこそしていたかというと、
まずアドミに許可を取っていない、話していない後ろめたさがあったようです。
後はサプライズで驚かせたかったのでしょう。
でも、毎日工房を見回っている僕にそのようなサプライズは難しいだろう。
(ごめんね笑)
次の理由は難しいです。
新人で若いメンバーは、エネルギーが有り余っています。
日々同じことばかりしていると飽きるし、モチベも下がります。
新しいこと、自分が作りたいものもいっぱいあるんでしょう。
毎日のようにリーダーに、あれはどうだ?これはどうだ?と、
新作のアイデアを見せてくるのだそうです。
でも、常に注文を抱え、在庫を作り出さなくてはいけません。
新作ばかり作っている時間はありません。
正直リーダーにとっては迷惑だったそうです。
だから、半日やるから作ってみろ、と提案したそうなんです。
もう一つプラスの理由もありました。
その蚊取り線香おきを作ることで、
その新人が今までやったことのない新しいテクニックが2つも、
実践することができるのです。
それをリーダーは経験させたかった、とも言っていました。
確かにこれは素晴らしいです。
新しい技術を学ぶと、
別の仕事でも必ず役に立ちます。
課題や問題にぶつかったときに、
一度経験したそういった技術が、効率的は解決に導いてくれることもあります。
これは、リーダーの判断を褒めたい。
ただ、やはりアドミに相談なしに始めるのは良くない。
チームのビジネスですから、
アドミは全てをある程度把握しておく必要があります。
今回の一件を全て受け入れてしまっては、
コントロールできなくなって、皆が好き勝手してしまう。
それを一番避けたかったのです。
その後、下記のようなルールを設けました。
***
新作アイデアの提案方法について:
24 de Enero de 2024
■新作のテーマ
下記の条件を満たした新作を考える
1) お客さんが求めているものを作る
2) 利益率が高い
3) 視認性が高く目立つ
4) 大量生産しにくい(手間がかかる)
5) オリジナリティがある(真似しにくい)
6) 基本的に立川、いずみ、ジョンがデザイン監修したものを市場に出していく
(デザインの統一化、デザイン性重視のため)
7) 市場が求めているものを分析し、作っていく(市場調査・マーケティング)*後日ランキング共有する
8) 職人の新しいテクニック会得と習得
9) ヒット商品にあることを意識する
■アイデア提案の流れ
下記の流れで
1)サンティに提案+評価
2)アドミに提案+評価
3)採用されれば、デザインチームの監修を受けた上で試作を作る
*採用は月に1人1アイデアまで
*採用されなかったが、どうしても作りたい場合は、自宅で制作し、後日提案する(その際は材料は無料提供するが、必ず事前にサンティに報告する *サンティは翌日アドミに報告)
*アイデア出しは毎月の第2週月曜に行う
*新作制作は毎月の第3週の一週間の間に行う(基本は特注優先)
*新作は自己判断で勝手に作ってはいけない。お客さんの注文、売れる商品の在庫生産を優先し、アドミの許可のもと作成する。
■生産の優先順位
① お客さんの注文・特注
↓
② よく売れる商品の在庫制作
↓
③ 急ぎの工房整備
↓
④ 新作
***
我ながら、よくできたと思うのですが、
いかがでしょう?
これなら、お互いに納得して、新作作りを行なっていけそうですよね?
でも、違いました。
リーダーから、
こんなにルールばかりで縛られるのはもっとやりずらい。
皆のモチベが下がるし、創造性も独自性も失われる、というのです。
そうか、そうだよなあ。
日本とも違うし、自由なラテンでこんなんじゃあダメだよなあと。。。
結局のこのルールは廃止となりました。。。
難しいなあ。
そして下記のようにシンプルなルールにしました。
しかも口頭での、ゆるい暗黙のルールのような感じです。
新作アイデアは、まずリーダーに提案して、
その後アドミに相談する。
オッケーが出たら、制作をしてみる。
それだけです。
まあ、これで良いだろうと。
今までもこんな感じやってきましたからね。
でも、早めにやらないといけないことがあります。
昨年の売り上げ商品ランキングの共有です。
これを見せることで、
ミドリでは何が売れているか、どんな商品が人気あるかを
メンバーにも知ってもらい、それを元に新商品を考える足がけにして欲しいのです。
いやあ、人の管理は難しい。
さらにその彼らのモチベの維持・管理となると余計に難しい。
日々、勉強ですなあ。