稽留流産〜自然排出(待機的管理)の経験を話します

はじめに

このブログは私が稽留流産と診断されてから自然排出するまでの過程を記録に残すために書いたものです。

私は、
ー当時37歳
ー中絶歴1回あり
ー子宮筋腫あり
ー血液型がB型Rhマイナス 
で今回が2回目の妊娠でした。

病院で8週目の産科診察

前回6週目で心拍確認できていたし、問題ないだろうと思っていました。
医師「大きくなっていますね。・・・(何かを探しているような、30秒くらい長い沈黙)」
医師「ちょっと(胎児の臓器が)もやもやっとしているんですね。心拍も確認できないし・・・。」
この沈黙で大体想像がついて、ああ、きっとだめだったんだ、と。
私「もうこの時点で心拍確認できないってことは、難しいってことですかね・・・。」
医師「そうですね・・・。この場ですぐに(流産の)診断するということはしないので・・・また1週間後くらいに来てください。」

まさか自分が。
たぶん動揺していたと思いますが、待合室ではなるべく平静を装っていました。
一言LINEでパートナーに報告。心臓動いてないんだって、と。
この時はまだ実感がわきませんでした。
だってつわりもまだあるし、誤診の可能性もあるし。

自然排出を決める

流産が確定して自然に排出が始まっていないのなら、手術を勧められるのが当然の日本で、医者から提示されたオプションにやはり待機的管理法による自然排出はありませんでした。
医者「胎芽が大きいので、手術した方がいいですねー。」
あまりにも簡単に言うんだな、と思った。
私「手術は希望しません。」
そう言うと、医者は「相当な痛みと出血になりますよ。」と言った。
2回言われたのを覚えている。
そしてグロブリン注射を打つのは排出から72時間以内で良いか確認した。
医者「なるべく土日は避けてくださいね。」
私「・・・なんでですか?」
医者「当直とかの関係で」
病院の都合に合わせろと。自分の意思が尊重されていない対応に、絶対に自然排出を成功させてみせると怒りと決意を込めて処置室を出た。

2回目の医者の見解を聞く前に、私は自然排出についてインターネットで相当に調べていた。
稽留流産で検索すると、多くの人が体験談をブログに載せているということがわかった。流産が進行してしまった人、同じく稽留流産で自然に排出されるのを待っていた人・・・同じような体験をしている人はたくさんいるんだということがわかった。中には、出血がひどくて貧血になり救急車を呼んだ人もいるんだ・・・と怖くなった。だけど、選択的に自然排出を待つことができるんだということを知った。

鍼施術で陣痛促進のツボを刺激して、排出がうまくいった人がいた。
私も実際に1回施術してもらい、1週間後に茶色いおりものが出始めた。
(その後は残念ながら大きな変化はなかったので、2回目の施術はしなかったが・・・)
なるべく自然に完結させたい、人の手で子宮から赤ちゃんを掻き出すことはもうしたくない。
ある助産師さんの動画で、手術か自然排出かを選択するとき、「自分の体でしょう?」と言っているのを聞いて、背中を押された気がした。

欧米や先進国の多くは稽留流産となった場合、薬で流産を促すのに対し、日本は手術を受けるか、自然に排出されるのを待つかの2択しかない。しかも2015年まで流産手術は掻爬手術が主流で、WHOでもはや推奨されていないのに今現在もこれを採用している病院がある。
薬が体に良いかどうかの議論はおいておき、流産という事実をまだ飲み込めない女性に対し精神的にも痛みを伴う手術という選択を迫るのは残酷じゃないだろうか。身体にも心にも苦痛を与える方法しか、日本には無いんだろうか、と悲しいのと怒りを感じた。手術を選択肢から外したのは、私にとっては自然なことだった。

ひたすら待つ

稽留流産と診断されたとき、医者からは連絡先はおろか痛みや出血があったときは病院に連絡してくださいの一言もなかった。(のちに渡された紙切れに時間外受付電話番号があったがそれを見ろということなのだろう)
私は幸運にもノルウェー人のパートナーから、ノルウェーでの流産処置について聞くことができた。
自然に待機する場合、2〜4週間かかるとのことなので、4週間は待とうと思った。
母と姉に、こういう経緯だから、もしその時が来たら、付き添いをお願いすると思うと伝えた。
母&姉「何か変化あった?」
私「最初は茶色いおりものがで始めるみたいなんだけど・・・まだ何も」
というやりとりが続いた。
急な出血に備えて、バスタオルをお尻の下に敷いて寝ていた。

そういえば、妊娠8週目には、朝起きたら感じていた胸の張りはほぼなくなっていた。匂いに対してはまだ敏感だったけど、食後、胃が圧迫されるような膨満感以外は、ほぼ通常の感覚が戻っていた。食欲は9週目くらいから戻ってきて、肉類も食べられるようになっていた。

この待つ間、食欲が戻り通常通り食べられた、というのが結果的に体に良かったと思う。つわりがあったときは、魚や肉を焼く匂いがだめで、タンパク質源は納豆、豆腐、鮭フレークなど偏っていた。
自然排出までの体力づくりの期間と思って、なるべくたくさん食べた。

ところで、この待つ期間、同じように自然排出を待っている方は、自分の体の中がどうなっているのか、痛みや出血はどのくらいか、と怖い気持ちがあるはず。
妊娠している人の15%くらいの確率で流産が起きるとわかっていても、なんで自分だったのかとか、ちゃんと食べなかったせいかとか、あの時ストレスを感じていたからかとか、色々考えてしまうのが当然です。
待つ期間が長いほど、辛い気持ちをずっと抱えないといけないです。
できるだけ、誰かと話してみてほしいです。


















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