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療育と自然観察と社会参画(第一回・論点整理)

Twitter上で、協調性運動機能障害をもつお子さんとの体験にもとづき、
『野山での外遊びと自然観察が、良き療育になる』との旨述べられているのを読んだ。

興味深いご提案。発達障害当事者として、どのような可能性が広げられるか、考えていきたい。

ただ、私も体験不足であり、今日のところは論点整理に留まると思う……その点、どうぞご容赦を。

○外遊び・自然観察による療育の必要性
・発達障害をもつ子どもさんと、そのご家族(以下『当事者』『ご家族』と記す)の機会損失を取り戻す場として。
『当事者』は感覚過敏や、外からの刺激への反応により、『ご家族』には予測不能な行動をすることがある。それを、周囲の人から迷惑と取られないかを気にされ、家の外での活動を控える『ご家族』が見られる。この点で、外遊びや自然観察は、他の人との接触が少なく、『ご家族』にとって負担感が小さく済むのを期待している。

○療育としての有用性と方向性
有用性や、その有用性を高めるための活動の方向性を下に列記する。
もちろん、何に力点を置くかは、『当事者』の年齢や特性により、違っているだろう。
そして、より望ましくは、『ご家族』や担当医の方も交え、ガイド役が処方できないだろうか?この点、研究課題です。

 ・作業療育に類する事柄
粗動運動に関するもの……木登り、飛び石、小動物を掴む等
手指の巧緻性……工作等

 ・精神衛生に関すること
笑う人居るかな?当事者としての私見では、大切だと思うので。
お昼寝、ヨガ,数息観等

 ・感覚器の調整
視覚(明るい/暗い、コントラスト)、聴覚などの機能調整力を高めるのに活かせる方法はなかろうか?
……この点、療育や医療に関わる方のアドバイスを是非いただきたいです。

 ・コミュニケーションの活性化
感じ取る手段を多チャンネル化する…(特定の感覚優位となっている『当事者』へ有用)。
触覚や嗅覚を用いた観察活動(すでに『ネイチャー・フィーリング』と名がついた手法が開発されています)
また、観察会に参加する様々な人たちと『当事者』とが言語コミュニケーションを取ることでの、苦手意識の解消。

○限界及び注意点
最大の注意点は、安全確保。
ガイドや他の参加者が『当事者』の特性を頭に入れ、不意の行動へ対処できるよう、準備が要るだろう(あるいは、啓発活動も)。

2点目には、『当事者』のもつ感覚過敏に、どう折り合いをつけていくか?
特に触ることでの拒否感は、定型発達者に比べて強く出ると予想。
何を隠そう、私自身、爬虫類と昆虫に、触れない種が多いのです(痛覚の過敏と、ヌメリへの違和感から)。
一方、『怖いもの・近づき難いもの』と『当事者』が遠ざかったままでは、自然への理解を深める機会がなくなるため。

○まとめ
日本自然保護協会の活動の一環として、
『いつでも、どこでも、誰とでも』を旨とした、自然観察による普及活動に、長年の蓄積があります。
その中でも、『誰とでも』の点でより広く・バリアフリーなやり方で、自然体験ができるよう、研究も深められている……私の不勉強もあるが、特殊支援学校での活動をルーツとする、ネイチャー・フィーリングもその一つ(これから深めて勉強しないといけないのだが)。
ただ、現在のところ、発達障害者・児に特化した方法論は、見聞きしたことがない(開発者個人の研究レベルの手法は、おそらくあるのだろうが……)。
療育に関わる方、当事者さん(特に大人の方)、ご家族の方に、ご参加、提案を、広くお願いしたいと思っております。

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