色の水玉と、見え方の話
色の見え方には個人差がある。
詳しい統計や研究を見たことがないけれど、たとえば、藍色と青紫との区別がつきにくい、深紅が見えない、赤と緑とが区別つかない……などなど、それらの程度や組み合わせを考え始めると、百人百様というべきだろう。
そうした個人差がある一方で、色を使っての表現や標識は作らないと、我々自身も不便。
そのとき、他の色と見分けられない人が少数ならば(たとえば人口の1%くらいなら)、区別がつかない人を『障害』と切り捨てて、その色を日常で使ってきた。
その『障害』に、むかしは、色盲や色弱と名前をつけてきた、という歴史がある。
……が、これは、わたしも別な種類の障害者として(法的には『障害者』認定に至らないレベルの発達障害がある)声を大にして言いたいのだ。
こうした障害は『本質的な欠陥』ではない。人々の生活の効率上、手立てがまだ打たれていない『未利用の荒地』みたいなものなのだ、と。
ということで、色覚に不便を抱える方たちのキャンペーンを紹介したい。
色の見え方の個人差で、大波にも怪獣にも見えてしまう、というプリントTシャツが、関係NPOから発売された。
(Tシャツの作成したNPO、TRUE COLORSさんのアドレスはこちら。
http://www.truecolors.jp/ )
たしかに怪獣もいる。細かくて、見分けにくいけれど。
こうした見え方の多様性には、色の弁別だけでなく、それぞれの色に対する視力(分解能)の違いも、絡んでくるかもしれない。
この前、土星と木星との会合(見かけの大接近)について、「どのように見えますか?」というのを市民参加での調査を、名寄の天文台がしていたが、
これは見かけの角度の差と、2つの輝点の明るさの差とが絡んで、人によって見え方が違ってくるはず、という仮説を検証する試みだった。
色覚も含め、目から入る情報の処理には、まだまだわかっていないことが多い。
こうして、色覚の問題が、多くの人の意識に上るようになり、
より適切な配色や、補助具(メガネみたいなものになるかな?)の開発につなげられれば、と願う。
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