118F10
正解:c
解説
我が国の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じた。つまり、2000年代後半から日本人の総人口の減少が始まった。
a. 1980年代、b. 1990年代:総人口は増加傾向にあった。
d. 2010年代、e. 2020年代:総人口の減少が継続している。
したがって、日本人の総人口が減少に転じた時期は、2000年代である。
考察
日本の人口動態は、少子高齢化の進行により大きな転換期を迎えている。出生率の低下と平均寿命の延伸により、人口の年齢構成が大きく変化し、総人口の減少が続いている。
総人口の減少は、労働力人口の減少、社会保障費の増大、地域経済の縮小など、社会経済に広範な影響を及ぼす。医療・介護需要の増大、生産年齢人口の減少による医療・介護の担い手不足などが懸念されている。
人口減少社会への対応には、出生率の向上と高齢者の社会参加の促進が重要である。ワークライフバランスの改善、子育て支援の充実、女性の就労支援などにより、出生率の回復を図る必要がある。同時に、高齢者の健康づくりや社会参加の機会の提供により、健康寿命の延伸と社会の活力維持を図ることが求められる。
医療提供体制についても、人口構造の変化に適応した再編成が必要である。地域包括ケアシステムの構築、在宅医療の推進、医療・介護の連携強化などにより、限られた医療資源を効率的に活用し、地域で安心して暮らせる体制を整備していく必要がある。
人口減少は避けられない趨勢であるが、その影響を最小限に抑え、持続可能な社会を築いていくことが重要である。医療者は、人口動態の変化を踏まえた医療提供のあり方を常に模索し、社会の変化に適応していく姿勢が求められる。同時に、個々の患者の尊厳と権利を守り、質の高い医療を提供し続けることが何より重要である。人口減少社会における医療の役割と責任について、医療者一人一人が自覚を持って取り組んでいくことが求められている。
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