
118E8
標準予防策が適用されている患者に対し、医療従事者がディスポーザブル手袋を着用せずに取り扱えるのはどれか。
a 患者の眼鏡
b 創部にあてたガーゼ
c 便が付着したオムツ
d 口腔ケアに用いたブラシ
e 喀痰が付着したティッシュペーパー
正解:a
解説
標準予防策は、全ての患者に適用される感染対策の基本であり、患者の血液、体液、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚に接触する可能性がある場合は、手袋の着用が推奨されています。
a. 患者の眼鏡は、通常、体液や分泌物などで汚染されていません。したがって、手袋を着用せずに取り扱うことができます。
b. 創部にあてたガーゼは、血液や体液で汚染されている可能性が高いです。手袋を着用して取り扱う必要があります。
c. 便が付着したオムツは、排泄物で汚染されています。手袋を着用して取り扱う必要があります。
d. 口腔ケアに用いたブラシは、唾液や血液で汚染されている可能性が高いです。手袋を着用して取り扱う必要があります。
e. 喀痰が付着したティッシュペーパーは、分泌物で汚染されています。手袋を着用して取り扱う必要があります。
以上より、患者の眼鏡(選択肢a)のみが、手袋を着用せずに取り扱えるものです。
考察
標準予防策は、医療関連感染を予防するための重要な戦略です。手袋の着用は、標準予防策の中でも特に重要な要素の一つです。
手袋は、医療者の手を汚染から守るだけでなく、医療者から患者への感染伝播も防止します。したがって、患者の体液や分泌物、排泄物などに接触する可能性がある場合は、必ず手袋を着用する必要があります。
ただし、手袋の着用は、手指衛生の代替にはなりません。手袋を脱いだ後は、必ず手指衛生を行う必要があります。また、手袋を着用したまま複数の患者に接触したり、患者の体に触れた手袋で環境表面に触れたりすることは避けるべきです。
医療者は、標準予防策の原則を理解し、適切に実践することが求められます。感染対策チームや感染管理認定看護師などの専門家と連携し、最新のエビデンスに基づいた感染対策を実施することが重要です。
また、患者や家族に対しても、感染対策の重要性を説明し、理解と協力を得ることが大切です。医療者と患者・家族が一体となって感染対策に取り組むことが、医療関連感染の予防につながります。
感染対策は、医療の質と安全を確保するために欠かせない要素です。標準予防策を中心とした感染対策の徹底が、患者アウトカムの改善と医療の質の向上に寄与すると考えられます。
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