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ベランダの自然 鳩編「その1」
先日、ベランダの隅で鳩の雛を発見した。左の写真の左上の辺りで、ヤツデの葉の下に二羽の雛が隠れていた。写真にある四角い植木鉢にはサクラの木を植えているが、その植木鉢の台として、古くなった座椅子の骨組みだけを再利用している。その台の下に隙間があるが、その隙間を利用して、奥の緑色の丸い植木鉢との間に巣があった。ヤツデの葉を払ってみないと上から見ても分からない。
今年の2月頃から複数の鳩がベランダに飛んできていたが、私は追い払ったりしなかった。鳩たちは結構くつろいでいる様子で、鉢植えの隙間で交尾しているのも見たことがある。まあ、日中は仕事で外出するし、好き勝手にさせていたのだ。
鳩が巣を作ると糞で汚れる。しかも、鳩の糞は乾燥すると細かく壊れる。それが風に舞うと害になるという。公園をジョギングしていた人が、細かくなった鳩の糞を空気と一緒に吸い込んで病気になったと、何かの記事で読んだことがある。だから、巣立った後の掃除が大変で嫌なのだが、鳩も子育てしたいだろうから、春先の一度だけなら許してやろうと思っていた。
実は、私の部屋のベランダで鳩が子育てするのは今回が初めてではない。すでに、過去に三羽の鳩が巣立っている。一番最初は10年ほど前で、今回と同じような場所に巣があって、一羽が育って飛んで行った。
その次は5年程前で、ベランダの反対側に巣を作り、二羽の雛が育っていった。鳩は条件が揃えば一年中、何度でも子育てするらしいが、私がベランダで巣作りを黙認するのは、春先の年一度だけだ。梅雨以降はエアコンを使うので、鳩を追い払っている。
鳩は卵を二個産む。二個とも孵化することもあれば一個だけのこともある。以前、鳩の卵を恐らくカラスだと思うが、盗んでいった事があった。その年は、それ以来鳩が来なくなった。今回、二個の卵が孵化しているということは、今年の鳩は子育てが上手なのかもしれない。
掃除は嫌だが、動物でも植物でも、命が生まれて育つことは目出度いと思う。私は独り住まいなので、自宅に帰ってくると話し相手が誰もいない。殺風景なのだが、鳩とは言え、すぐ近くで生き物が生活している感覚は悪くないと感じている。
しかし、今年は穏やかでない事件が起きた。それは、次回お話しする。