リアルタイムなエッセイVol.36「ウチには、ラジオペンチ、がない」
うちにはラジオペンチがない。
当然どこの家にもあるような、いざという時の肝心の何かが、うちには欠けている。その一つがラジオペンチだ。
ラジオペンチ、みなさんご存知だろうか。これだ。(写真はFujiyaさんのラジオペンチ)1回はみたことがある、男性なら普段使ってる、という方も多いと思う。
針金とかを折り曲げたり、手では力が入れにくい、主に金属のちょっとした加工に使う、どこにでもある、ありふれた工具だ。小学生でも使うし、家に1個はある、もしくは普段使わなくても、工具セットに入っている、というところもあると思う。
でもうちには、ラジオペンチがない。ボクはつれあいと二人暮らしで、昔からの実家に住んでいるわけでもなく、歴史なんてものもないので、古い家ならどこかにありそうなものが欠如している。工具セットは持っているが、そこに入っていなかったので、単品で買わないと、ない。
でもラジオペンチが必要な場面はたまにある。
最近でいえば、洗濯物を干すための、洗濯バサミがたくさんついていて長方形のじゃらじゃらしたやつ、正式名称は知らないけど。とにかく、洗濯物を干すやつ。これには洗濯バサミがたくさんついているけど、まれに壊れて離脱する。一度壊れて、金具の輪っかとプラスチックのハサミが外れてしまうと、なかなか直せない。
でも、いまは便利な世界だ。インターネットで検索すると直し方を解説したページが、数は少ないがヒットし、解説してくれている。ふむふむ、、、こうやって治すのか、比較的単純なのだけど、金具を両側の元の位置に戻すのに、手でやると、ものすごく大変で、とても戻せない。で、解説にはラジオペンチがあるといい、と書いてあった。
そうか、やっぱり、こういうときはラジオペンチなのね。会社にはあるのでいつも何の気なしに使ってはいて、その効果も知っている。でも、うちにはラジオペンチがない。しばらく、手で格闘したけど、諦めて放り投げた。むりぽ、手が痛い。これも、うちにラジオペンチがないせいなのだ。これを直すため痛めた指と、費やした時間を返せ。
こういう肝心な時に必要ななにか、うちにはない。他には、文具ではじょうぎとかメジャー、とかセロテープとか、のりとか、ステープラの針とか(使いものにならないじゃん!)、工具ではマイナスドライバ(プラスはある)、穴を開けるためのキリとか、キッチンで言えばオーブンとかポットとか、刺身を切る包丁とか、日常で言えば傘立てとか、靴べらとか、ま、たいしたものでなないけど。
それでもこうしてなんとか生きてるわけだから、ないけど、絶対必要、でもないのだろう。
周りを見渡すと、絶対必要、というものは何だろうか。これは深い。断捨離をする段階になったら大命題だろう。最近捨てるものを多くして気づいたけど、本当に晩年を迎えるにあたっては、必要ないものばかりがたまっている。これを処分するのには、業者レベルが必要ではないか。死んだら全ておしまい、なのにと思うと暗澹たる気持ちになり途方にくれる。
でも今日は、そんな暗い気持ちを書きたいわけではない。みなさんの家にも、これが肝心な時に必要なのに、うちにない! というものがきっとあるだろう。そんな話がしたかっただけなのだ。
今日、会社は休みを取った。これからしばらくは2週に1回は休まなければならないだろう。いろいろ考えるところはあるけど、これも人生だ。
さっ!景気良くいこう、今日はスーパーで買ったステーキにする。明日のつれあいのお弁当も考えてるよ。あ、そうそう、今日は休みだったので、あさは、ただのしゅふ、はお休みした。さっきまでそれどころじゃなかったからね。今は落ち着いている。ご飯作りを始めようか。
じゃあ、夜のエッセイを書くかは決めていないけど、またね。
オ・ルボアール!
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