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グルメエッセイを実食〜「りんごとグリンピースの白和え」〜
こんにちは。
読書と食べ歩きが好きなので食に関するエッセイをよく読みます。本に登場するグルメで、気になるものは実際に食することも。
今回は京都出身の料理研究家、大村しげ著『京暮らし』に出てくる「しらあえ」を作って食べてみました。
「しらあえ」の章でりんごとグリンピースを入れた白和えについて触れています。
りんごの白あえは、さくさくと歯ざわりがようて、じっとりと汗ばむ青葉のころに、ほんさっぱりとする。
おとうふも白う、りんごも白うて、白いもん同士はあんまりあいそがなさすぎるので、豆さんをほんのちょびっと青うゆがいて、まぜる。豆さんというのはえんど豆のことで、そうや、クリンピースというたら、ようおわかりどすやろ。
どう思います?
私の率直な感想は「これ本当に美味しいのか??」でした。いやいや、食べてもないのに先入観は良くないよね。じゃあ、ちゃんと確かめてみよう、と思い作ってみることに。
※作り方はエッセイの内容と異なる部分あります。調味料等、読んでも書いていない、分からない部分もあるので。ズボラにまあるい感性で作ってます。悪しからず。
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といたからしを摺りばちでよう摺り、そこへふきんで水気を絞ったうふをいれて、またよう摺り合わす。そして、お砂糖で少し甘味をつけて掲げる。しのびがらしが奥のほうでぴりっときいていて、それがお味を引立てるみたい。
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りんごはサイコロに切って、塩水につけたのを、いかきにあけて水気を切ってから、おとふにあえる。
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いざ実食!
不思議な味…。
口に合わず残すのではないか、と怪訝に思っていましたが悪く無い。
グリンピース、豆特有のもくもくとした食感と、りんごのシャキシャキ感をまろっと豆腐が包み込む。滑らかな豆腐とリンゴの爽やかな甘みが特に印象的です。全体的に優しくてぼんやりした味なので確かにからしがアクセントになってて良いと思いました。(でもちょっと入れすぎたなあ…)
デザート感覚で食べるものかと予想してましたが、夕食の副菜で出しても違和感ない一品。そして食べ進めて慣れてくると何だかいくらでも食べれそうな感覚が湧いてきて、どんどん口に運んでしまいます。
?意外に美味しいかも?ハマってきたかも?
そして、驚くことに更にレシピには続きがあります。
余った白あえは、気前ようパンに挟んで、思いきり大きい口をあけて、ぱくつく。そして、パセリを刻みこんだりすると、パンにはよう合う
???
まさか、白和えをパンと組み合わせるとは…
確かに京都はパンの消費量が日本トップクラスで、パン好きで有名です。
日本らしい「白和え」とTHE洋食な「パン」をこともなげに組み合わせて食してしまうのは「京都」人だから成せる業か。
これもトライ!!↓
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パンに挟むのがかなり好き。
大豆の独特な香りがパンに挟まることで一体となって気にならなくなる。小麦の香りとさっぱりした白和えが本当に違和感なく調和してます。突飛なレシピかと思いきや、日々の朝食メニューに取り入れたい気分。毎朝とはいかないけど、日常的に食べても全然食べ疲れない、親しみやすい味ですね。
単独で食べても悪くは無いけど、パンに挟んで食べる方が私は好みでした。トーストなどの硬いパンよりコッペパンとかソフトで甘味が感じられるパンの方がこの白和えとは合う気がします。邪道かもしれませんが粉チーズ足すとゴージャスになって楽しそう。
おみのおし(みそ汁)があったら、よけいけっこうである。パンとみそ汁というのも、出合いとみえる。
うむむむむむ…。
味噌汁と合わせるのはもう勇気が出ませんでした。紅茶と一緒に食べましたが美味しかったです。そして、もっと味向上できそうな気配もするのでまた作ってみたいと思います。
意外にも美味しかった「りんごとグリンピースの白和え」。
さて、こちらの料理、レシピもエッセイ自体にも京都らしさがすごく濃縮されていると感じます。
暮らしに違和感なく和洋折衷を取り入れたり、「余った」白和えを再利用する、というのもステレオタイプですが、所謂京都人の合理主義が表れてるようで。この1ページも満たない、短い「しらあえ」のエピソードはこれでもか!というくらい京都が溢れ爆発してるように感じました。
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