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デスティネーション・マネージャーの卒業発表資料を2年ぶりに振り返り

はじめに

みなさま、こんにちは。旅人系デジタルマーケターの小坂です。
2018年3月末に札幌に来てからまもなく4年。無事4度目の冬を超えました。
札幌に来てから新たに挑戦したことがいくつかありますが、そのうちの一つがデスティネーション・マネージャーへの挑戦です。

今後この育成プログラムを受けようと思う方の参考になるように、もしくは受けている方の課題取り組みの参考にするために書いていますが、DMO運営に取り組む方にも参考になればと思いますし、このようにアウトプットすることで得られることもあるかなと思っております。

デスティネーション・マネージャーとは?

デスティネーション・マネジャーは「北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院」が提供する履修証明プログラムであるデスティネーション・マネージャー育成プログラムを修了した人に付与される称号です。
講義に参加し、課題などに取り組むとともに、最後には「デスティネーション・マネージャー」称号授与にかかる最終課題を提出し合格することが必要になります。

「デスティネーション・マネージャー」称号授与にかかる最終課題

最終課題は、任意の地域でDMOを作る(もしくは既存のDMOを運営する)ことを想定し、その組織の責任者(CMOなど)になった場合どのような計画をたてDMOの目標を達成するか、という課題になります。
ですので、目標設計、地域分析、マネジメントプラン、マーケティングプランなどを定性・定量両面から資料を作成し、それとは別にプレゼンします。

このプラグラムで学ぶこと

もう少しこのプログラムを解説すると、この育成プログラムには必須・任意の講座がいくつかあります。
私は下記のような講座を受けました。
※科目名は当時のモノであり、今はないものもありますし、私のときには選べなかった科目もありました。

  • 【前期】地域と観光

  • 【前期】情報メディアと観光

  • 【前期】広報とマーケティング

  • 【前期】観光地域ビジネス論演習

  • 【後期】観光地域マネジメント論演習

  • 【後期】観光事業マネジメント実践演習

  • 【後期】観光マーケティング論演習

  • 【後期】サービス産業広報論演習

地域マネジメントや事業の運営、マーケティングやサービス、そして観光と色々な要素との関係などを学びます。

振り返った理由

私は仕事でデジタルマーケティングをやっています。
所属している会社(株式会社メガ・コミュニケーションズ)ではDMOや観光協会、自治体、観光施設、旅行会社などのお客さんも多く、それに関するマーケティングに関わることも多くありますし、セミナーや講座をすることもあります。
それらの仕事に2年前学んだ内容は活きているんだろうかということと、2年前の課題でまとめたことはどれぐらい正しいのかということを確認したいと思ったところです。

最終課題の内容(概略)

地域は北宗谷地域を選びました。稚内市、利尻富士町、利尻町、礼文町、幌延町、豊富町を包括する地域にDMOを作るならというところです。
なお、これは勝手に私が想定して作ったものなので、リアルにあるわけではなく、北宗谷地域で進んでいるDMO結成の動きとも関係ありません。(私がこのプレゼンをしたときはその動きについて正確に把握していませんでした)

資料の構成は下記です。

  • 地域と選んだ理由、自身の想定する役割

  • 地域の特徴:現状分析や課題など、PESTE・BRIM・クロスSOWTなどの分析を用いました。

  • DMOのミッション・ビジョン:何故DMOが必要なのか、戦略目標や実現したいイメージ、解決したい課題も書いています。

  • DMOの事業計画:収入・支出両面での事業計画です。

  • DMOのマーケティング:ターゲットを定め、4C戦略で考えました。認知から拡散までのステップで課題を考えています。

  • ステークホルダーと関係性:DMOのステークホルダーは誰(組織)なのか、そことの関係性はどうするべきかという話です。

  • 意気込み

なお資料はワードフォーマットがありそれで提出するのですが、プレゼン資料は同じ構成で別途つくります。

よかったと思うところ

IT化やワーケーションに注目していた

本課題の最終発表日は2020年2月3日、日本でも新型コロナウィルスが取り上げられ始めたころです。
本課題を作成したり発表したとき、コロナ禍やコロナ後のことは意識していませんでしたが、課題では「永続可能な地域づくり」というのもテーマにしていたため、「観光」の枠で直接は語られないことにも注目していました。
そのため、長期滞在したい、担う人材が育つ(残る)、受け入れ態勢が整うなどのテーマから、IT化を重点課題の一つとしていました。
昨今ではDXがよく言われますが、そこは想定通りだったなと感じます。
また同じ視点から「ワーケーション」にも注目していました。
これも2年経って振り返るとワーケーションはバズワードのようになっているところもありますが、想定通りでした。

人が居たくなる場所というのは、地元の人、観光客、ビジネス客、ワーケーション利用者いずれも同じですし、受け例体制整備(=品質向上)にはIT化はレベルアップの観点からも、コスト削減(及び資源集中)のためにも欠かせません。
「観光」「ふるさと納税」「移住」「地域おこし協力隊」「ワーケーション」「企業誘致」など共通のテーマであり、「地域が好き」なだけでは解決できない課題に取り組むことがDMOの重要な役割だと思っています。

検証可能な内容にしていた

できるだけ定量的に書いたことと、事実関係を入れたこと、何故そう考えたのかを残していたことで、2年経ち外部環境などが変わっても検証可能な内容にしていました。

今となっては感じる改善点

この対象地域には2回いったことはこの時点でありましたが、それだけで課題のための訪問はしていません。ですので、事実誤認がある可能性があります。
また、事業計画はDMO内だけのものなので、波及効果も定量的に示せたらよかったなと思いました。
地域の範囲や優先順位、ステークホルダーももっと改善の余地があるかなと思います。

現状の仕事の関連

地域でウェブ解析やデジタルマーケティング、SNS運営の講座やセミナーをやる機会が増えました。呼んでいただくのは非常にうれしいです。そのようなことに地域(自治体やDMO、施設等)がお金と時間を投じ、関係者が熱心に聞いてくれるというのは非常にうれしいです。

またコンサルを行うこともあり、そこでもその対象(DMOや施設等)の事業目的や収益構造を知ることが重要なポイントです。
その点ではこのプログラムの経験が活きています。

修了後も、4期生(私は3期生でした)と一緒に聴講生として一部講座を受ける機会もあり、関連する調査に同行させていただくこともあり、過去に少し仕事で関わった地域を実際に見る機会もありました。これもありがたいです。

資料の紹介

最期に資料を紹介します。ワード資料は紹介しませんが、プレゼン資料のみ掲載します。
なお課題のために作ったものですので、誤認・誤解などあればご了承ください。


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