溶けるな自分 夏と青く
季節は巡る。
1年前の時がどんな夏だったかなんてもう覚えていない。
ただ、「暑かった。」それだけは鮮明に覚えている。
溶けそうな夏が今年もやってきた。
かんかんに照らす太陽、熱々に熱せられてるアスファルトに、暑さに項垂れている人、動物たち。
2023-07-28 晴れ
この日も相も変わらずの猛暑、外は37℃を越えようとしていた。
時計は2時過ぎ、ふとお菓子が買いたくなり外に出る。とりあえず涼しい格好で。
ドアノブに触れた手が外の暑さを予感させる。
隙間から吹き込む風が自分の体温と同じで吹かれていることに気づけない。
太陽は、外に出た自分を容赦無く照りつける。
ドアを開けた瞬間気づいた、猛烈な暑さに足が止まりそうになりながらも私は歩いた。
なぜ、歩きなのか。友人に自転車を貸していたことをド忘れしていて外に出ようと準備した手前、
引き返すのも億劫だったからだ。
もしかすると既に暑さに頭をやられていたのかもしれない。これから片道30分以上歩くというのに
晴れた空を見るのはいつぶりだろうか?
この辺では雨が降ったり曇りの日が多く晴れる日が最近は全然なかった。
歩くのにこんなに足取りが重くなるものなのか。
そう思いながらも歩き続ける。
目当てのものを見つけ帰る時も自分の背中を陽は常に刺し続けた。
帰りは坂道ばかり、それでも今は昼下がり。
学生達が授業が終わり帰っているところだ。
今日あった事を語らいながら帰る様子に自らの学生の頃を思い出す。
あんな事あったよなだったりあいつ今何してるんだろう。など思いを馳せる。
そんなこんなでようやく自分の家にたどり着いた。自転車で行けば40分もかからないような買い物だったが、歩きで行ったためか2時間程度かかってしまった。
客観的に見れば時間を損したように思えるかもしれないが、逆に言えば普段は見ないようなところまでゆっくり見ることが出来たのだ。これほど贅沢な事はない。
きっと今の夏もあっという間に過ぎまたこの夏も忘れてしまうだろう。
でも次の年もその次の年も「今年も暑いな…」
そんなふうに言える自分でありたい。