パルミー添削提出への道(11) ~ 生成AIを使った絵のダメ出しは、あんまり強度上げなければ大丈夫!
パルミーの添削に締め切りを合わせて長時間かけてイラストを描く過程の記事の11回目です。ここまで長いと、読んでくれる人も減ってきているようですが、提出のときまで続けます。次(12)で絵を仕上げて完となりそうです。
生成AIを絵の予備添削に使う
私は絵の添削をしたことはないのですが、仕事で文の添削は結構します。その際、最初の添削は、誤字や、業界の相場に合わない語法や論理を直すのに精いっぱいで、その文を本当に良くするための修正は、次、いやその次・・・というわけで、ラウンド1,2,3,…の添削が要ります。
文でも絵でも本当は何ラウンドも添削すべきなのは同じでしょう。でも、パルミーの添削は2か月に1回、1作品1ラウンドだけ。そこで、絵のダメ出しを生成AIを使ってやったらどうだろう?と思いました。
添削のための画像生成は非常に簡単
生成AIで狙った絵を出すのはそれなりの技術なんだろうなあと思うのですが、私が今回やるのは、ほぼ完成した絵を入力して、修正の参考になる絵を出すだけですので、手順としては非常に簡単です。ツールとしては、これまた非常に手軽な、Kritaのアドイン経由で使えるStable Diffusion 1.5(SD1.5)を使っています。SDXLなど、もっと新しいベースモデルがたくさんありますが、この用途では、SD1.5ベースがむしろベストです。
Checkpointはいろいろ試すのが基本です。いろいろ試した過程は今回割愛しますが、結局、今回の画風への対応については BloodOrange Mix などが向いていたようです。
強度は25~40%の範囲内で調整します。少ないと絵の変化がわかりにくく、逆に大きすぎるとタッチがかけ離れ、ハルシネーションも顕著になります。プロンプトは基本何も入れなくて大丈夫です。楽です。
この記事の扉絵は、前回の記事の扉絵の「添削結果」そのままです。「上手くなった」というか「巷で見る絵にに近くなった」と思います。反面、自分独自のタッチや表現したい表情が崩れてきました(なんか怒っているみたい?)。実際は、そういうところを取捨選択して本絵に変更を加えます
それでは実際の絵の直しのほうに入りましょう。まず、生成AIと関係ないのですが、背景とキャラの間に何かあったほうが前後感がわかりやすいということで、3Dモデルでフェンスを入れました。assetsのフェンス素材を使わせていただきました。
生成された画像は、やっぱり「改善」していた・・・
方法は先ほどの扉絵の時と同じですが、強度は25%、リファレンス画像は縦1024pxに縮小して出力したものを使いました。
下の絵を家族に見せて感想を聞いたところ「ほとんど同じだけど・・・あえていうなら右のほうがいいかな?」でした。AIに負けた・・・・
もう少し詳しくみていきましょう。予想どおり、一番特徴をつけておいた1番の子(左)の顔が「常識的な上手い美(少?)女の顔」に見事に直されています。でも、私的にぐっとくるキャラを、上手いかもしれないが普通の美女キャラに直すのは惜しいので、今回は顔については、(1)~(3)の3点に絞って調整していきます。
メガネの描写不足は、no promptで生成した画像からはメガネが消失してしまう(プロンプトに"glasses" を加えると残る)ことで露呈しました。そもそも、メガネをかけたチアリーダーの絵ってそんなになさそうです。
素直に、でも少しだけ直します。
以上の「アドバイス」にしたがって絵を修正しました。線画を直すのはベクターにしたおかげでさほど苦労しませんでした。塗りの修正も、線画の変形に合わせる程度です。修正前と修正後をこうやって比べてみると、大きくは変わっていないですね。あえて大きく変えていない、とも言いますが。
修正前後の絵をきっちり比べるのは、記事を書くためにわざわざやったのですが、そうでもしないとわからないレベルの修正でしょう。でも、特に1番の子のほおと目の周りは、わりにはっきりわかる程度に描写が改善できたと思います。これもAIのおかげですが、AIが出した画像は1ピクセルたりとも使っていませんよ!