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パルミー添削提出への道(9) ~ 線画は、線のきれいさというより、絵が安心すればいい、と思う。

パルミーの添削を依頼することを目標に絵描きをすすめてきましたが,残りちょうど半分(1か月)となりました.ここでようやく線画に取り組みます.緊張するところです。


今回,線画に3日間と、例によってだいぶ時間かかりました(登場人物1日1人のペース).レベルは違うでしょうが,例えば,私がだいぶお世話になっている本のひとつ(パク・リノ「光と色のチュートリアル」)にも「線画は時間がかかる」と書いてあります(p.140).

線画に関するたった3つのアドバイス.でも十分多い!

線画に対するアドバイスも結構幅があり,私はだいぶ迷いました.線も心もよれよれです.ジャンルが違うアドバイスが混在しているからでしょう.

  • 入り抜きとか,線をきれいに引くための割と体育的な話.脳と手のリンクがとか,力を抜くとか入れるとか,手首を動かしたり動かさなかったり,視線はどう動かすとか・・・.

  • どういうシルエットがよいか悪いかという話.これも,平面構成としてイケてるか話と,カタマリ感覚・立体感をどれだけ線で表現できているかという話に分けられる.

  • 線の太さや切り方で厚みや光や硬さや柔らかさなど,いろいろ表現できますよという,主に漫画の技法的な話

ベクターはじっくり屋さんのベストアイテム!

この3点(体育・シルエット・技法の問題)をうまく切り分けられるのは,実はベクターだと思っています.ただ,私がベクターがそれなりに使えるようになったのはごく最近,アナログ模写でミリペンでペン入れをしだすようになってからです.やればわかると思いますが,ベクターは,下手でもいいので,一発で線をひくことを要求します.

ベクターのいいところは,コピーして使いまわせるところと,線修正ツールを駆使して,劣化なしでじっくり試行錯誤できるところ(体育の鍛錬不要)です.使っているツールを以下まとめてみました.

  • 制御点.線の切断はツールプロパティで,他はキーボードか左手デバイスで切り替え.

  • ベクター線単純化.線全体処理ON, 2次ベジェ,単純化度は都度調整.

  • ベクター線展開(ベクター線つまみをコピーしてつくる).制御点を追加をonに。

  • ベクター線つなぎ.線全体処理ON, 2次ベジェ,角の丸めをOFF

  • ベクター線つまみ.制御点を追加をON.

  • 線幅調整.ベクター線幅描き直し.基本ほぼそのまま使える.

私のとっている基本的な手順です.線のかたちの調整と線の太さの調整を別々に,じっくりできるのがいいところです.

  1. 普通に線を引く.下手でいいのでなるべく一発描きで.

  2. 線の始点近くのゴミ制御点を消す(制御点ツールかベクター消しゴムで).

  3. 必要に応じて線をつなぐ.この段階で2次ベジェに変換される

  4. 制御点ツールで線の形を調整して,シルエットをいい感じにする

  5. 制御点を増やす

  6. ベクター線幅描き直しで,線の太さを変え,質感をいい感じにする

ここで必要なのが5.の「制御点を増やす」で,そうしないと6.がうまくいきません.逆に,制御点が多いと3.がうまくいきません.
ベクター線展開で線のあたりに触れるとようですが、それでもダメな場合はベクター線描き直しで線を揺らすようにしています。

あと、2.が地味に面倒です.誰かいい方法を教えてほしい・・・.

色ラフとともに,絵を安心させていこう!

線画は,色ラフ,一番最初に描いた設定画,資料(写真や他のイラスト)を常に見ながら描いていきます.線画を一度入れたら,色ラフの塗りを更新して,「ラフより悪くなった病」を発見し,直します.早期診断早期治療が大切です.

そして,イラストに「安心しろよ」と心の声をかけながらいきましょう.そうすると線から雑さが消えていきます(個人の感想です).同名の歌(石井竜也「安心しろよ」)からとったセリフです。この歌は,線画を描くときの気持ちをすごく表していると思います.

この歌は,歌詞にもはっきり書いてあるとおり,「恋人」に向けたものです.これが一つのポイントで,絵を自分の恋人(←笑うところじゃないよ!)のように思えば,思うようにならないことも含めていい感じになると思います.絵を,自分とか自分の分身のように考えてしまうと,病んでしまいそうですね.

これは特に顔のところで効いてきます.顔の線画がラフよりかわいくなくなる現象は本当によくあります(プロのメイキングでもざら!).塗りの不透明度を下げて線画を上書きし,塗りの不透明度をmaxに戻すと,「あれぇ~???」となります.

ここからが勝負で,瞳やまつげの形や角度を変えたり,口の線をひき直したり,少しずつ直します.客観的に何がどうよくなったのかはわかりませんが,少なくとも自分が思い描いたイメージには近くなりました.

最初に色ラフをなぞった線画と,微修正を繰り返した結果.
重ねてみると,結構ずれていることがわかる

3番の子(チアコス)は,いかにもコスチュームというロゴがほしかったので,フリーのフォントを使わせていただきました.ありがとうございます!フォントの扱いは必然的にベクターになり,これまでの話の延長線上でいけます.

靴は3D素材レイヤーをベクターに変換して,線幅変更して済ませました.スカートの線画はコピーとメッシュ変形で使いまわしました.結局,ベクターはそれなりに時短にもつながりました.

他の場所も,ペンで描いて,制御点を調整して,塗りを更新して・・・を繰り返していきます.そういうわけで,記事を書く時間を除いて3日かかりましたが,線画ができました.こう見ると,絵が,よくなったかどうかはともかく,「安心した」感じはします..たぶん,後でまた直すことになるでしょうが...

左が色ラフの線の部分,右が今回仕上げた線画

次は仕上げ? いや,まだ塗りがラフのままでしょ・・・.

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