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絵を描くのが嫌になりそうな状況を全力で避けるために必要だった3つのこと


とにかく、絵を描くことを続けるためには、絵を描くのが好きなのに嫌になる状況を避けることが必要でした。そうしないと

絵描きが好きで楽しい、のに
絵に気持ちよく取り掛かれない、逡巡する、不安になる

という反対のことが脳内で同時に起こってきます。何か対策しないと、絵を描く気力が完全に消失してしまうことになります。

ここまで、絵が嫌になった時にやろうとしていたことは何かを思い出してみました。私が絵をやめないために避ける必要があったのは、

  1. 練習でしかないことをする」のを避ける

  2. 「描きたいテーマを修正する」のを避ける

  3. 「自分の絵を活用しようとする」のを避ける

です。練習も修正も活用も、いいこと、というか、できるに越したことはないですよね。そこが落とし穴だと思っています。

「練習でしかないことをする」を避ける

「絵は楽しんで描くのが一番」「練習だけではつらい」とよくいいます。本当だと思います。私の場合、一番つらかった練習は、「写真の模写」です。2022年ごろ、まだ初心者のころ、「躍動的な(アニメ風の)絵を描けるようになりたい」と思い、練習用に、

「田舎道を背景に、正面に向かって走ってくる夏服の高校生(多分)」の写真

模写題材に選んでしまい、完遂に半年かかってしまった(2022)

を選んで描きはじめました。正直、「何が何でも好きで描きたい題材」ではありません。それでも「練習だから」「やりがいがある」ということで、練習でしかないことに取り組むことを許してしまったのです。

「正面に向かって走る人」自体が難しく、それを人物をアニメ絵になるようにうまくデフォルメしてから、背景になじませるのだから今考えても難しい。
素体を描いて、表情や服の輪郭を決めて、線画にして・・・を何度も繰り返しました。見返すたびに気に入らない部位が目につき、それを直すと別のところがおかしくなって・・・。しかしここは練習と思って粘りました。

結局、半年かかってこの絵に見切りをつけたときに燃え尽きを起こし、次に何か描こうとする気が失せてしまいました。

「描きたいテーマを修正する」のを避ける

本当をいうと完全に絵への意欲が失せていたわけではありません。こういうものを描きたい、こういう人がこういうことをしているところを描きたいという気持ちの芽生えはまだありました。でも、これまで、それをそのまま実行に移すのは、私にとっては簡単ではありませんでした。そのテーマが何か「不適切」な気がして、自分で「修正」してしまうのです。

私のような人がこんな絵を描くなんてみっともないのではないか
こんな絵を描いても、下手とかセンスがないとか言われそう。だとすると人に見せられないではないか
今感じている意欲は、この絵を仕上げるためにかかる労力に見合うのだろうか
この絵が変に仕上がったら、そのとき自分を許せるだろうか

絵を描き始める前に思いがちなこと

「本当に描きたいテーマ」には、高い技術的な壁、世間的な(?)壁が付きまとうことが多く、なかなか貫徹できません、筋トレと違って、絵は描き手を裏切るような気がするのです。その点2次創作や練習(←たとえば、いわゆるルーミスヘッドをいろいろな角度から描くというようなやつ)は、裏切られる度合いがかなり薄まります。でもこの調子では、いつまでも自分のオリキャラや作品はできません。

そこで、ここで思いきって、自分の描きたいものを描くことにしました。あまりに下手で恥ずかしく、人に見せられるよう(になることが期待できるよう)なものでなくても

すると、絵の変なところが許せない自分と、絵を上手く修正する能力がない自分が喧嘩している状態を変えることができました。すると、いつからか、自分の好きにかかわらず、伝わる絵・恥ずかしくない絵を描こう、という気力も少しはでてきます。でもそれは二の次です。

「自分の絵を活用しようとする」のを避ける

「イラスト」の動詞Illustrateは、「絵で説明する」という意味です。イラストは、がんらい、説明という「活用」が期待されてしまう存在なんだと思います。

もちろん、世の中にはすばらしいイラストがたくさんあり、たくさん活用されています。たとえば、キャラや世界観の魅力をIllustrateできれば、SNSに載せたときにいいねがたくさんつきます。それで収入が得られて有名になるという効果があります。一方、いうまでもないですが、いいねを気にしすぎて病んでしまう絵描きの多さも問題になっています。

私はそれでSNSには手を出していないのですが、そのかわり、単に趣味にすぎない絵描きに費やした投資(時間+金)を、本業の世界で回収したい的な効果に期待する気持ちがありました。それで、自分の(絵という趣味ではない)本業にイラストを使えないか、とすごく考えていました。例えば、本業で使っている道具を擬人化したキャラクターとか、本業のマスコットキャラクタ―的なものを構想してみたりとか。あるいは自分の仕事上のプレゼンに使えそうな絵を描こうとしてみたり。

しかし、今のところ全然うまくいっていません。具体的には、本業がらみのキャラは、構想段階で終わっています。実は、2,3枚、擬人化イラストは描いてみましたが続きませんでした。今のところ自分の中で、絵描きと本業を結びつけることが全然しっくりきていません(自分が絵をマネタイズするなら、それが多分一番近道だろうけど)。

絵だろうがそれ以外の創作だろうが、本当に好きな題材なら、いい構図が浮かばなくても、平板的なポーズでも、服や髪が平凡でも、あともうひと踏ん張り!がききます。でも実用的な効果を期待するだけの存在に対しては、その踏ん張りがききません。

結局、純粋に絵を描く技能や、キャラデザの経験をある程度は積んでおかないと、そういう「自分が発注して自分で受注する」ようなことはつらいです。自分の絵を活用しようとすると、どうしても期待がかかってしまいます。そして技能がないと、ほぼ確実にその期待を裏切ることになるので。。。

自分の絵に、描くことを楽しむこと以外のことを期待するのは、上級編

もちろん、私も、SNSにいい絵を毎週でも毎日でもアップして、いっぱい言いねがつけばいいなーとは思います。もちろんこのnoteの記事も。仕事でも自由に自分のイラストを使えればかっこいいです。でも、それは「期待」しすぎ、上級編だと思っています。

今も、絵でも記事でも、やっている過程が好きで、質はどうでも描き切った・書ききったことに満足できる範囲にとどめていて、そうでないことは全力で避けています。

最後に、この記事を書き終えて満足してます。たとえスキがゼロでも。あー、でも1個はほしいかな。



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