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パルミー添削提出への道(12, 完) ~ 調整で絵が急変し、添削依頼文で逡巡する。
パルミー添削用の絵を企画からはじめて約2か月、ようやく最後の調整、そして提出となります。
まずは基本的な昼間用の調整から
仕上げの最初は線画に色を付ける色トレスから。線画が消えすぎるとしまりがなくなるので、白い服など明るい部分の輪郭線を重点的にやります。最初はオートアクションで一発で処理していたのですが、手直しが必要なのと、意外と、手作業でやってもつらくないことがわかりました。
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次は、この後お話するのと基本同じ方法で調整をして、いったん、当初の想定どおり、晴れた日中の屋外の感じを出しました。しかしなんとも平凡な感じです。
せっかく決めたユニフォームの鮮やかな色をぼやかしてしまうのが惜しいと思いつつ、夕方など、もう少し暗い時間帯も試すことにしました。
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調整でコントラストを変えると、雰囲気が変わる
調整の手順は、日中か夕方かに関係なくだいたい同じにしました。キャラ、近景、遠景それぞれに、明るさ・コントラストとグラデーションマップのレイヤーををかぶせます。
常々、「目立たせたいものはコントラストを上げましょう」とよく言われるのですが、今回は、逆に目立たせたくてもコントラストを下げたほうよさそうです。この効果を何というのか、どう説明したらいいのか、勉強不足でわかりませんが、とにかく、いろいろ試せることが大事? でしょうか?
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次に、両方に夕焼けのグラデーションマップをかけた。
逆光を描写すると立体感が増した
光は空のほうからきているような絵だと思いますので、逆光として表現します。キャラ全体に影を乗せてから、光があたりそうな部分をマスクで削ります。光は、後光のようにキャラ全体の輪郭をぼかしたものを下に敷いてから、別レイヤーでリムライトや光沢を描いてやります。
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光はぼけありとぼけなしの2種類を発光レイヤーで入れる。過去の添削でもっと入れるようアドバイスがあったので、意識的に入れた。
これまでずっと昼間で考えていましたが、仕上げの過程で、夕焼けの黄~紫の光がある感じを出した絵に変わりました。どういうわけか、キャラの立体感が強調されているようにも感じます。
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僕を応援してくれている、プライベートな感じも出ているかなと思います。
この絵をを提出したいと思います。
提出するのは絵と文!
提出する絵が固まったので、パルミー添削への提出の準備をすすめていきます。レイヤーの構造と名前を見直してわかりやすくし、不要な作業用レイヤーを削除して、提出用のファイルをつくります。統合した画像ファイルも作成しておきます。
添削をお願いする先生を選びます。「依頼内容」のところに最大800字で今回の添削でお願いすることについて説明を記入するのですが、先生によって求める内容が違うので、必ずチェックします。だいたい、
どんな絵かの説明
注力したところ、こだわったところ
うまくできなかったところ、改善したいと思っていること
を求められていることが多いです。
1(絵の説明)については、設定画やラフのときの記事で結構カバーできたと思っていますので、その線で執筆します。
2(注力したところ)は、アイデア出しから仕上げまで比較的まんべんなく頑張った感はしますが、アイデア出しから「色ラフ」までの流れだと思います。色ラフまでで今回の絵のかたちがきまりました。ユニフォームのデザインや顔パーツの色もここで決まりましたので。
添削では、1,2.で説明した自分が「表現したいこと」「こだわったこと」に近づくように、実際の絵をステップアップする方法をアドバイスくださることが多いです。「〇〇を表現するために、こういう構図・ポーズ・表情・・・はどうか?」など。私はそこが一番勉強になるコメントだと思っています。
自分の絵の何を気にしているのか、表現するのは結構難しい。
問題は3「うまくできなかったところ」です。抽象的なことをいっても困るだけと思われるので、具体的な改善希望点をあげていきたいところです。もともと不備や突っ込みどころ(伸びしろともいう!)はいくらでもあるので、改善点を列挙するのは難しくありません。
- 絵全体を落ち着つかせてもうすこし大人っぽい・洗練された印象を与える配色(固有色に縛られすぎているのか?)
- 構図が平坦。もうすこし感情を揺さぶれないか。
- 顔回りももう少し描き込めるはず(キャラの目力をもっと強くする、髪の毛をゴージャスにする)
- 関節や服の描き込みは苦手で、常に課題。
- 全体的に情報量を上げる方法。今回は背景は素材としたのでなおさら。
ただ、本当に気になっているのは、いろいろですね。
1枚の絵に時間がかかりすぎた。この調子では自分はこういう絵を描くのだという宣伝ができない。SNSは当然だけど、noteの週1投稿も危うい。
構図・造形・色遣い・・・諸々ひっくるめて、単に一つのイラストとしてみたときに、あか抜けた、突き抜けた感じになっていない
絵を描くことは楽しんでいるが、絵が遊べていない! 色彩やタッチの表現方法(デザインともいう?)が何かに縛られている感じがする。もう少しデフォルメというか、ポップな、遊びの要素がほしい!
ある表現方法を選ぶと、表現できる内容が限られてくる。特に、世界観の表現(背景)との折り合いが問題になってくる。そういった、一つの表現方法(技法、画風)で続けていっていいのだろうか?
生成AIが今後どのように絵と絵描きに影響してくるのか?
自分の「好き」や、表現したい気持ち・シチュエーションは、この絵で表現する努力はしました。だけど、むしろそれが原因で、いちイラストとしてみたときの垢抜けた魅力の追求が後手に回ったのかもしれませんね。子供向けに、真面目に状況を説明しただけの絵っていうことでしょうか。
垢抜けるってどういうことか、主観的この上ないのですが、端的になることや誤解を恐れずいうと・・・雑誌「建築知識」の表紙は、2019年あたりからイラストになっていますが、この表紙に載っていても違和感がないような感じ、と、とりあえず説明しておきます。
ただこれでは目標としては漠然としすぎています。具体的に、「2次創作で、いちばんかっこいい〇〇(キャラ)を描く」「〇〇さん(絵師)のような絵を描く!」、あるいはもっと割り切って「今いいねが一番伸びそうな絵を追求!」となれば、もっと上達は早いでしょうが、今の私にはどれもあまりしっくりきません。
添削依頼で一番難しい質問は「目指している絵師は?」
そういうわけで、目指す絵師さんがいない問題をクリアされた方には理解しがたいかもしれませんが、単なる絵柄の好みや「この絵師さんのようなきれいな絵がかけるようになりたい」(有名なこととか、技能への憧れ)のレベルを超えて、「この人のような絵が描けるように具体的に頑張っている」といえる絵師さんを言えるというのは、すごいスキルだと思います。
私はそういうスキルを磨く途上、つまり、そういう「目標の絵師さん」を探し続けているところです。
提出完了! そしてこの記事も完了! 次は何を書こうか・・・
毎回、こんなことをつらつら思いながら、添削依頼を書いています。そして、依頼がきっちり埋まったら提出完了です。
添削結果が届くまでは、チアリーダーからは離れて、次のお題について考え始めます。