ビアテイスター認定講習会を受けてきた
表題の資格は「クラフトビアアソシエーション」が認定するもの。テキストによればビールには現状122のスタイルがあり、その種類は年々増えている。ビアテイスターはそれらを色や香り、味わいから適切に分類したり、不要な味や匂い(オフフレイバー)を見つけ出したりする。と、これが講習で習った資格の概略。
いろんな種類のビールを飲んでいると、何がよいビール、レベルの高いビールなのか分からなくなってくる。自分がつくったビールを販売するのであれば、ビールの良いのか悪いのか、適切に判断する知識や感覚をもっていないといけないかと思ったのが受講の理由だ。
ちなみに講義でも強調されていたが、「良い悪い」は「美味しい不味い」ではない。ビアテイスター同士で同じ"ものさし"でビールを語れるようにするのが資格の目的だ。
講義は丸一日。半分は香りや味覚の感じ方やその評価の方法、午後には世界の様々なビールのスタイルの解説になる。最後に認定試験がある。
香りや味を知るため、ビールもたくさん飲む。飲むといっても舐めた程度だが40種類くらいは出てくる。1種類につき2口くらいちびっと舐めただけだが、最後にはまあまあ酔っ払ってしまった。
ドイツビールでも15 種類くらい飲む。日本のビールに一般的なピルスナーも「ジャーマン」と「ボヘミアン」で色や味わいが微妙に異なり、そのような違いも学んでいく。ちなみに上記の2種の場合、色の違いがあるのでわかりやすい。
自然発酵のベルギービールなど、変わったビールも出てくる。驚いたのはランビックやベルリーナ・ヴァイセなどのサワービールのおいしさだ。ランビックはベルギーで作られる自然発酵(培養された酵母を加えず空気中の酵母で発酵させる)のビールだが、以前飲んだものは酸味が強すぎておいしさを感じる前に驚きで終わってしまった。今回飲んだ「Oude Geuze Boon」は上品な酸味にフルーティさが相まって、スパークリングワインのような味わいだった。
最後に認定試験がある。合格率は高めと聞いていたが、これが難しかった。試験は知識に関する筆記試験と、味や香りに関する官能試験。9割以上はマークシートでの回答になる。
筆記試験はまだなんとかなるのだけれど、それほどすぐれた嗅覚を持っているわけではない自分にとっては官能試験が壁だった。
官能試験では何種類ものビールが出され、それを評価したり、種類を当てたり、オフフレイバーを嗅ぎ取ったりしないといけない。
オフフレイバーには、DMS、ダイアセチル、イソバレリアン酸などがあり、それぞれ「クリームコーン」「バター」「チーズ」などと表現される。困ったことにこれらは日本のクラフトビールには結構あるらしく、それ故か全てどこかで感じ取ったことがある匂いなのだ。だからこそ自然に感じてしまい、記憶した匂いをすぐに忘れてしまう。
しかも官能試験では問題を1問読み飛ばしてしまい、課題のビールと問題がマッチしないまま回答してしまうという痛恨のミス。最後に問題数が合わないことに気がついて、残っていたビールで急いで評価をやり直したが頭が大混乱してしまった。
先生曰く「日頃から匂いに名前をつけるようにしていると嗅覚は磨かれる」とのこと。ちなみに訓練のためにビールに溶かすカプセルもあるのだけれど、海外からの発送で150ドルもする。
落ちていても仕方ないかな、という感触。でも感覚がつかめなかったんだからそれはそれでしょうがないようにも思う。その時は気持ちを切り替えて引き続き頑張ろう。