コロナがもたらす社会問題の話

2020年に入り急激に感染が拡大したコロナウイルス。中国国内、周辺のアジア諸国にとどまることなく、全世界で大問題になりました。

ヨーロッパでも今や毎日ニュースになる程ホットな話題となり、悲しいことにコロナ感染者が増加するに比例して、差別問題や国境問題などの社会問題が次々に浮上するようになりました。


アジア人差別の話

日本人が国内で“中国人”を見たら警戒心を抱くのと同じく、ヨーロッパで生活していると“アジア人”という大きなくくりで警戒の対象にされてしまうのが現状です。

私はプラハで生活していて差別自体一度も受けたことがなかったので、チェコ国民は寛容なものだと勝手に思っていたのですが、

幸運なことにたまたま私がその対象にならずに今日まで過ごしてこれただけのようで、

先日、日本から同じくプラハに留学に来ている友人からたくさんの差別が存在していることを聞き、私自身もショックを受けました。

その友人によると、街中を歩いているとお年寄りや小さな子供が「コロナだ!」「ニーハオ、コロナ!」と面と向かって言ってきたり、通りすがりの人々が感染を防ぐかのように手で口を覆ってきたりと、ウイルスかのような扱いを受けたと言います。さらに、飛行機を利用した際には、客室乗務員が首に巻くスカーフで口を覆いながら話しかけてきたり、機内食がもらえないという差別もあったと教えてくれました。

私も二週間ほど前にドイツのミュンヘンとイタリアのローマを旅行していたのですが、差別を受けるどころかあたたかくフレンドリーに話しかけてくれるような方達ばかりだったので、一概にアジア人が差別の対象になるとは言えませんが、アジア人が警戒されていることは覚えておいた方がよさそうです。

ローマの空港(チャンピーノ空港)では人種に関係なく全員が入国前にサーモグラフィーの検査を受けなければなりませんでした。

国境閉鎖の話

ヨーロッパの国々はシェンゲン協定のもと、パスポートなしで国を移動できる社会が成り立っています。それが、コロナの感染者が日々拡大していることの予防策として国境閉鎖が打ち出されようとしています。ヨーロッパにいる留学生はボーダーレス社会が浸透している社会でこのような対策が検討されていることに違和感を感じると教えてくれました。もともと孤立している島国の日本とヨーロッパとでは国境閉鎖の重みが異なると思いました。現段階では国境閉鎖を実行したヨーロッパ諸国はありませんが、イタリアのように感染が拡大した国がさらに進行した場合、どのようになるかは注目していく必要があると思います。


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