エデン条約編4章前編 ステンドグラスについての追加考察
エデン条約がまた盛り上がっているようなので、エデン条約編 第4章 前編更新時(2022年6月上旬)に考察した内容をここに置いてきます。
始めに
前回の考察より第四のステンドグラスに描かれた点の考察が甘かったのでさらに考察を重ねてみました。
前回:https://note.com/koroux/n/n8ef49e2d076f
「ステンドグラス」
ステンドグラスに描かれている画は、生命の樹としても描かれているナツメヤシにベアトリーチェが模していると考えましたが、キリスト教においてはどのように捉えられるかと調べると、イコンと呼ばれるものが出てきます。
このステンドグラスに描かれているベアトリーチェの頭部には、キヴォトス外の存在である彼女にはあるはずがないヘイローが描かれており、やはりベアトリーチェは神格化を目指していると思われますが、その場合何のテクストを模倣しているのかと探した所、キリスト教の復活大祭に注目しました。
「模倣先」
エデン条約編においてイエス・キリストのテクストを模している者がいるとするならば、それはベアトリーチェではなく儀式の要として育てられたアツコに当たると考えます。
キリストは神の独り子であり、キリスト教に置いて言葉はロゴス(Logos)として特別な物扱いされており「神の言」はキリストを表しているとされています。そしてキリストは人類の罪の贖いのための犠牲として生贄となり磔刑になりました。
アツコはゲマトリアから特別な血筋であるロイヤルブラッドと呼ばれ、スクワッド内で意思疎通の手段として手話を手馴れて扱える事から、長年喋る事を禁じられていると考えられます。そしてベアトリーチェの生贄の為に磔にされたアツコが描かれ.ました。
またベアトリーチェによるアツコの仮面の強制については、顔とは個人を特定しうるものであり、キリストというテクストを得るときに邪魔になる個性を仮面で覆い隠しているのだと考えます。
これらテクストを踏まえてアツコをキリストに見立てる事が出来れば最上の生贄であると言えるでしょう。
ステンドグラスに描かれているヘイロー、地に伏すアダムとイヴに手を差し伸べる構図はイコン『復活』にとても近似していると感じられますが、近似しつつも相違点が見受けられる点について、『復活』中央に描かれているイエス・キリストにテクストを寄せ過ぎてしまうと他人の為に生贄になる象徴に近づいてしまうため、生贄になるつもりがないベアトリーチェは死の克服(復活)や勝利を意味するナツメヤシを象ったと考えます。
考察
以上のテクストの意味を読み解きベアトリーチェの目的を類推するならば、キリストに見立てたアツコを生贄とし神格化を果たした自らの手で人類の祖であり、かつて楽園に住まいしアダムとイヴの復活を目論んでいるのだと考えます。
4章タイトルである「忘れられた神々へのためのキリエ」というタイトルの忘れられた神々は、かつて楽園に住まい神と繋がっていた頃のアダムとイヴを指すのではないでしょうか。
余談
前回のエデン契約考察の中でミカが責任転嫁の罪を背負っていると書きましたが、その場合役割は誰になるかと考えた所、ミカは全ての責任は外部の者であるサオリに責任転嫁しているのでサオリ=ヘビ ミカ=イヴの図式に成り立ち、アダムは誰だろうと考えたらミカに責任転嫁をしてしまったセイア=アダムという考えになりました。