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ブルーアーカイブ 3.5周年PUタイトル 反転と連なりの色に関する話

 生放送で発表された情報量に圧倒され、メインとイベントシナリオの同時更新なんて爆弾を持ってきて温度差で大爆発してしまいそうな今日この頃。

その中で発表された各種PUタイトルをよく見てみると、過去のPUタイトルから踏襲してるのが見て取れてついつい書き連ねてしまいたくなりました。

一時の暇つぶし程度に見てもらえればと思います。


アビドス高等学校

ホシノ(臨戦)

ホシノ(臨戦) PUタイトル
ホシノ PUタイトル

「あの場所は約束の最中」
 まず目に付くのは約束という部分に入る緑とピンクの差し色。
ホシノ単独PU「積み重なる誓いの翼」の時にもありましたが、積み重なる部分の緑がユメでその上に乗っているピンクがホシノだと当時も沸き立っていました。今回もユメとホシノを強調したPUタイトルを出されて興奮してしまいますね。

 最中(さなか=一番盛り上がってる時)に差し色として黄色が入ってるのは、「誓いの翼」の部分にも入っている事を含めアビドスの砂漠の色だと考え、アビドスでユメとホシノが過ごした日々と約束を内包した表現かなと。

 背景にはもう一つ注目する点があり、PUタイトルの上下に取り繕ったようなセロハンテープが描かれており、ホシノがアビドス砂祭りポスターを破った後にユメが修復したのと重ねられてさらにダメージを負います。


ホシノ(水着) PUタイトル

 ホシノは性格・行動・PUタイトルなどいくつも表と裏の表現が使われており、昼行灯と夜の自治任務、水着PUタイトルの水面反射、ユメの髪色との対比、ホシノ(臨戦)の攻撃型と防御型、ホシノとホシノ*テラーなど、生徒の中で一番二面性を出されている生徒だと思います。

 この水着PUタイトルも表記されている文字が「黄昏れから水面へと」に対して、水面に映る文字が「誰そ彼から皆もへと」と同音異義で二重に意味を持たせてくるのに当時やられました。
暗く辺りに誰がいる分からず誰そ彼と問いかける黄昏時にいるホシノが、水溢れる地に仲間たち皆と遊びに来ている過去と未来を表している、そんな解釈でした。

 しかし今回のPUタイトルで黄色と水色はホシノのオッドアイの色だけではなく中間色の緑を基準とした反転とも捉えられ、ユメが居なくなった後の砂漠を反転して青春をしているのかと考えられ少し唸ってしまいました。



シロコ*テラー

シロコ*テラー PUタイトル

 ブルーアーカイブを始めた先生に対してプロローグから現れ、2周年生放送で発表された4thPVで飛び出してきたことで湧き上がり、最終編で語られる反転してしまったシロコ*テラー。
今回のフェスPUは原点に返り、ゲームリリース直後に開始された初のPU「拝啓、はじまりの季節へ」を踏襲し二人のPUになっています。

各種シロコPUタイトル

 今までのシロコが登場するPUタイトルはどれも水色を使われていまして、「拝啓、はじまりの季節へ」の左側や「親愛なる、はじまりの君へ」の親愛の差し色などがシロコを表していたりと顕著ですね。

しかし今回のPUタイトル「この場所が永遠の彼方」は今までの色鮮やかさとは打って変わって彩度が反転されモノクロ基調となっており、色彩に触れ恐怖に反転してしまった彼女を強く表しています。

「この場所」は時空を渡り、シロコと共存する現キヴォトス
「永遠の彼方」はシロコ*テラーが生まれた前キヴォトス
シロコ*テラーにとって現キヴォトスは永遠に帰れない滅びた前キヴォトスから見た果てしなく遠い地。

シロコ*テラーのメモリアルロビーから見る世界は彩度が低く、彼女が居た世界は終わってしまった事を強く感じさせます。
色彩により反転して世界を滅亡させてしまったシロコ*テラーには、今のキヴォトスは余りにも眩しいのかもしれません。



アリウススクワッド

アリウススクワッド PUタイトル

 前回のアリウススクワッドPUタイトルは生徒個人に対して季節と色を与えられ、自分の色から次の季節の色に繋げられています。
アツコ 徒桜に咲く儚く散る桜・桜色
ミサキ 逃げ水の蜃気楼の一種・赤色
ヒヨリ 木枯らしの終わりを告げる風・水色
サオリ 雪代水に積もる雪が溶けた水・青色
どれも辛く苦しい時の中で季節は儚くも連々と繋がり今に続いてると感じてさせてくれます。


サオリ(水着)PUタイトル
ヒヨリ(水着)PUタイトル

 そんな事を踏まえて生放送でサオリのPUタイトルが紹介された時に声が出てしまいました。
今回の水着のPUタイトルは前回の個人の連なりから変わり、1人を3人が支えている様が見てとれたからです。

サオリは冬の属性でしたが水着PUタイトルでは「花曇りに 白波を 映して」とアツコ・ヒヨリ・ミサキの順で色が使われています。
またヒヨリのPUでは「片時雨を 白日が 覆って」とサオリ・ミサキ・アツコの順で色が使われています。

 今回のPUタイトルが特異な点として生徒が持つ色を背景に押し込み、生徒の次の季節、冬のサオリであれば春の「花曇り」、ヒヨリであれば冬の「片時雨」を主題に秋と夏が加わる形となっており、サオリ・ヒヨリのPUタイトルなのにサオリ・ヒヨリという実像を出していないPUタイトルなのです。

これは幼い頃から共に育ち今なお切れぬ絆を持つアツコ・ミサキ・ヒヨリ・サオリたちが語る虚像からPUタイトルが形を作っていると言えます。

 この虚像から実像を類推させる構図は過去のイベント「-ive aLIVE!」で、ナツが自信を失っていたアイリに語ってくれたことを思い出させてくれました。


ナツ
私たちはそれぞれ違う存在で、だからこそ見えないものもある。
逆に、自身の中に、眼をふさいでしまいたいと思うものを見出すこともあるだろう。
その時にはまずは環境を見るのだ。
自分自身を含めた環境を見るのだ。

-ive aLIVE! 08 ひとつの青春物語


 サオリはミカとの対話の中でアズサのことを羨ましがり、ベアトリーチェから開放されたサオリには何もないと考えていましたが、先生に世界を提示されミサキにアリウススクワッドを頼み自分探しの旅に出てしまいました。

そんなサオリの行動もミサキ達からすれば別の側面が表れます。
ミサキから見ればお守りを押し付けて自分を逃げられなくさせる自分勝手なサオリ
ヒヨリからはみんなを導き頼れるリーダーシップを持っていたサオリ
アツコからは自信がなく迷い足掻きながら前に進むサオリ
彼女たちから色々なサオリの虚像を見させてくれます。

 彼女たちがキヴォトスを巡り海にやって来て楽しんでいった夏を、自己紹介ならぬ他己紹介で教えてくれるPUタイトルとは一体どんな意味なのかと考えた物を記します。


「花曇りに 白波を 映して」
花曇り
=桜の花の咲くころの、薄くぼんやりと曇った空模様
白波=泡だって白く見える波

 「映して」に掛かるのは空を映す水面を指す事が多いが、PUタイトルでは空に浮かぶぼんやりとした雲に掛かっており、雲では水面を移すことはできないでしょう。なので花曇りを気象用語として捉えるのではなく暗中模索で自分探しの旅をするサオリ、白波を夏の海に置き換え意訳するならば

「楽しかった海の思い出を抱えて自分探しの旅を続けに行ったサッちゃん」

Sheside outside 16 エピローグ



「片時雨を 白日が 覆って」
片時雨=空の一方は時雨が降りながら、一方は晴れていること
時雨=①秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨
   ②涙ぐむこと。涙を落とすこと。また、その涙。
白日=照り輝く太陽

 雨と晴を併せ持つ片時雨を太陽が覆うという不思議な言い回しも、片時雨を片目が隠れていてよく涙を流すヒヨリ、白日を夏の楽しい思い出や希望と準え

「苦しくて涙を流していたヒヨリも今は太陽輝く夏空の下で楽しく過ごしているよ」

Sheside outside 03 スクワッドの事情

こんな解釈を置いておきます。



終わりに

Vanitas vanitatum omnia vanitas
全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものだ。

エデン条約 2章 20 エピローグ

 彼女たちはベアトリーチェに翻弄され憎悪に、怒りに、軽蔑に、嫌悪にすり潰されながらも、共に生きた隣人の中にその行動と意思は確かに残り、絶望から解放された彼女たちは自身のアイデンティティを探しながら今を生きています。


アツコ
アズサはあの時、花を見てこう言ってた。
それがたとえ虚しいことであっても……抵抗し続けることを止めるべきじゃないと。

エデン条約 4章 27 エピローグ


 今回の彼女たちのPUタイトルに共通する文字として「白」が使われており、罪を背負い込んで希望がなかった彼女たちにとって「白」とは、何者にもなれる白いキャンパスを指し示し、自分を赦し互いに赦しあい未来を共に描いていける様に感じられる事が何よりも嬉しいですね。


そんな彼女たちに幸多からんことを。

4thPV・Sheside outsideアニメPVより