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【社会考】「賢く縮む」は出来るかな?➁.

0.「今日の記事のポイント」

☆「ウェールビングをご存じですか?と、厳しい現実を見てみよう」

☆「人口減少下でも成長が出来るとは言ってないよと、正しい情報と方針が安心をもたらすよ」

☆「コロちゃんとスマートシュリンク」

1.「ウェルビーイングをご存じですか?」

小見出しの「ウェルビーイング」とは「身体的・精神的・社会的に良好な状態」を表す言葉だそうです。コロちゃんは初めて知りましたよ。新聞論考の「小峰教授」に教えていただきましたよ。

今日の記事の「【社会考】賢く縮むは出来るかな?➁」は、昨日の投稿記事「【社会考】賢く縮むは出来るかな?➀」の続きになります。

まだ昨日の記事をお読みになっていない方は、下記のリンクからお読みください。

「【社会考】賢く縮むは出来るかな?➀」

上記の昨日の記事は「日経新聞」に掲載された「小峰隆夫大正大学教授」の「人口減少を前提に賢く縮む」と題した論考から、「少子化対策で人口減少を止める」ことは出来ないという主張を見てきました。

また「人口減少で経済は縮む」との考えは誤りであり、「マイナス成長は逃れられる」と「人口減少下でのウェルビーイングを更に高めることは十分に可能だ」と主張されています。

(※ウェルビーイング:身体的・精神的・社会的に良好な状態)

それに対して、コロちゃんは大枠はその通りだと賛成しつつも、「人口減少で経済が縮むこと」は不可避だと思いましたね。

まあ「小峰教授」も、論考をよく読むと「賢く縮む」とはありますが、「成長出来ない」とは一言も書いていませんから、さほど認識はコロちゃんと違わないのかも知れませんね。

次にコロちゃんの考える「日本の厳しい現実」を見てみましょう。

2.「厳しい現実を見てみよう」

「小峰教授」は、論考で「人口減少で経済は縮むとの考えは誤り」とおっしゃられていますが、コロちゃんは難しいと考えています。

その理由は、「小峰教授」が教えてくれた論考の以下の内容です。

◎「実質経済成長は以下の要素の和となる」

➀「人口の増減率」+
➁「人口に占める生産年齢人口の割合の変化率」+
③「生産年齢人口1人あたりのGDPの伸び率」
=「実質経済成長率」

上記の計算式は、昨日の「【社会考】賢く縮むは出来るかな?➀」でもご紹介した「小峰教授」の新聞論考の中に記載してあったものです。

上記の①~③の「日本の将来予測」を以下で見てみましょう。

➀「総人口はだいぶ減るよ」

もう「日本の人口が減少することは、誰もが知っていることだと思われますが、下記に「国立人口問題研究所」の「将来人口推計」で、その減少の規模感を見てみましょう。

◎「将来人口予測:死亡中位推計」

➀「2020年:1億2165万人」
➁「2045年 :1億880万人」1285万人減
③「2065年  :9159万人」1721万人減
④「2070年   :8700万人」459万人減

結構減るでしょう? 2020年から2045年まででは、25年間の間に毎年平均で51万人が減りますね。

「横浜市とか名古屋市」が「50万人都市」ですから、その1市が毎年丸々消滅するイメージですね。

➁「生産年齢人口は6年後から急減するよ」

次は「生産年齢人口の減少(15~65歳未満)」を見てみましょう。

探しましたら、以下がありましたよ。(小数点以下切り捨て)

◎「生産年齢人口予測」

➀「2020年:7509万人」
➁「2045年:5832万人」1677万人減
③「2065年:4809万人」1032万人減
④「2070年:4535万人」274万人減

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf
(出典:国立人口問題研究所:日本の将来推計人口(令和5年推計)結果の概要より:10月11日利用)

こちらも結構減りますね。2020年から2045年まででは、25年間の間に毎年平均で67万人が減りますね。

上記で見た「総人口の同期間の減少数は年平均51万人」ですから、それよりも多いですね。

ということは、「高齢者の減少数」より「生産年齢人口の減少数」の方が多いとなるのですよね。「実質経済成長率」への影響は、「生産年齢人口の減少」の方が大きいと思われますよ。

もう一つ見ておきましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「財務省 生産年齢人口(15~64歳)の割合」より

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/03.pdf
出典:財務省 財政制度審議会  我が国の財政運営の進むべき方向より(10月11日利用)

上記のグラフは「財務省」が発表している、1970~2070年の「15~64歳の生産年齢人口の推移」です。

2020年以降は「予測値」ですね。

グラフの赤ラインが「日本」なのですが、今後の「生産年齢人口(15~64歳)」の推移は現在から6年後の2030年まではほぼ横ばいで推移し、その後は一気に急減するようですね。

この「6年後までは横ばい」というのが油断を招きそうですね。皆さんが「この程度ならばまだまだ大丈夫だ」と考えそうですよ。

しかし、その後の2030年からのグラフの下がり具合が凄まじいですよ。これだけの急減を「1人あたり生産性の上昇」でカバーできるでしょうか? コロちゃんは無理だと思いますよ。
ヾノ゚ェ゚*)ムリムリ

上記で見て来た「総人口の減少」と「生産年齢人口の減少」が、「実質経済成長率のマイナス要因」となります。

そして「実質経済成長率のプラス要因」は、以下になります。

③「生産年齢人口1人あたりのGDPの伸び率は1%前後だよ」

コロちゃんは「生産年齢人口:1人当たり実質GDPの推移」をちょっと調べてみました。下記をお読みください。

◎「生産年齢人口一人当たり実質購買力平価GDP」

➀「1992~2012年:1.5%」

➁「2002~2012年:0.9%」
③「2012~2017年:1.0%」

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2018/data/ko180704a2.pdf
(出典:日本銀行ホームページ:主要国の生産性より:10月10日利用)

上記は「日本銀行」が発表している「生産年齢人口一人当たり実質購買力平価GDP」です。

コロちゃんは、これが「小峰教授」がおっしゃる「③生産年齢人口1人あたりのGDPの伸び率」と同じ定義の値なのか分かりませんでした。

ただ「生産年齢人口の1人当たり実質GDP」は「2024年1月時点で1.44%」との記載も見ましたので、大きな違いはないのかとも思われます。

上記を見ると「生産年齢人口の1人当たり実質GDP」は、2000~2010年代を通して1%前後のようですね。上記の20年間でそう増えているようには見えません。

これが「実質経済成長率」のプラス要因です。これを上記しました「マイナス要因」と合わせれば「実質経済成長率」が算出されます。

④「さて足し算と引き算をしてみよう」

ここまで、「小峰教授」のおっしゃる要素の➀~③を見てきました。もう一度下に書き出しますね。

◎「実質経済成長は以下の要素の和となる」

➀「人口の増減率」+
➁「人口に占める生産年齢人口の割合の変化率」+
③「生産年齢人口1人あたりのGDPの伸び率」
=「実質経済成長率」

「小峰教授」によりますと、上記の「➀人口の増減率」+「➁人口に占める生産年齢人口の割合の変化率」の合計は、以下の数字となります。

◎「人口要因による成長率押し下げ効果」

➀「10~19年:ー0.8%」
➁「20~30年:ー0.6%程度」
➂「30~50年:ー1.2%程度」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD242UJ0U4A920C2000000/
(出典:小峰隆夫大正大学教教授の日経新聞の論考より)

その「人口要因の押し下げ効果」を、上記で見て来た「③生産年齢人口1人あたりのGDPの伸び率:2012~2017年:1.0%」でカバーできるでしょうか?

「➂2030~2050年のー1.2%程度」になると、カバーできませんが、これは誤差の範囲内なのかはコロちゃんにはわかりませんね。

こただこまで見てくると、さすがに大きいプラスにまで浮上できるとは、コロちゃんには思えませんでしたよ。
ヾノ゚ェ゚*)ムリムリ

3.「人口減少下でも成長が出来るとは言ってないよ」

ここでコロちゃんが、この「小峰教授」の論考を読んで感じたことを書きますね。

昨日の「【社会考】賢く縮むは出来るかな?➀」の冒頭でも書きましたが、コロちゃんは、この先生の著書の「私が見てきた日本経済(2023年日経新聞出版発行)」を読んでいるのですよ。

その内容は、1969年に「経済企画庁(現内閣府)」に入庁した若い青年(著者)が「官庁エコノミスト」として成長する姿を、「経済企画庁」が毎年発行する「経済白書」の作成過程を通じて描いています。

この1冊を読めば、戦後からの「日本経済の変遷」が良くわかると言ったものでした。

その内容は、素人のコロちゃんでもわかる程度にやさしく表現してくれているもので、コロちゃんはこの著者の頭の切れ味なら「大学教授」が務まるのは当然と思いましたね。

その著者が書いた新聞論考ですから、内容の「信頼性・信用性」はピカ一だと、コロちゃんは思いましたよ。

その先生が、「人口減少で経済は縮む」との考えは誤りであるとおっしゃっています。

そして「マイナス成長は逃れられる」と「人口減少下でのウェルビーイングを更に高めることは十分に可能だ」とおっしゃるのですから、それは間違いがないのでしょう。

しかし論考をよく読むと、「人口減少下でも成長が出来る」とは、一言も言っていないのですよね。注意深く避けているようにも思えましたよ。

わざわざ聞きなれない言葉の「ウェルビーイングを更に高めることは十分に可能」としかおっしゃられていない。

ここからはコロちゃんの「勝手読み」ですが、「人口減少の日本では頑張ればちょっとは(0~1%弱程度)は成長できるかも知れないよ」と言う暗喩が文章のウラにあるのかも?
( ̄へ ̄|||) ウーム

なーんてことを考えたコロちゃんでしたが、もちろん根拠のない妄想ですよね。

ただコロちゃんは、この論考を読んで、今後の「日本経済」は均せば「実質GDP成長率は0%台後半程度」で進むのではないかとの確信を強く持ちましたよ。
(過去30年の実質GDP成長率の実績は年平均0.8%増です)

3.「正しい情報と方針が安心をもたらすよ」

コロちゃんは、現在の日本が上記の「少子化対策」と「経済成長」の2兎を追わなければならない難しい段階に達していることは分かるつもりです。

しかし、やはり必要なものは「正しい情報」と「正しい方針」でしょう。「少子化対策」は撤退戦です。

既に「少子化」は避けられない現実だと思います。それを正面から認めた上で、社会にもたらす負の影響を最小限に抑えることを、真正面から語るべき時期が来ているのだと思います。

「少子化対策」の成功で、「日本社会」は昔のままでいられるなどということはあり得ません。

コロちゃんは「賢く縮む(スマートシュリンク)」することには、全く異論はありません。ただその過程であり得ない幻想を振りまくことは反対しますよ。

もう日本は「見果てぬ夢」を見ている時間はないと、コロちゃんは考えていますよ。

4.「コロちゃんとスマートシュリンク」

コロちゃんちは、かつては妻と二人の子どもの「4人家族」でした。それが、息子たちが順々に独立していきました。

その後は「妻」と二人の暮らしになりましたが、ちょうど10年後に妻が「肺がん」で逝きました。その後は現在まで、コロちゃんとワンコの暮らしとなっています。

コロちゃんちは、「2人⇒3人⇒4人⇒3人⇒2人⇒1人」と変遷していったわけですね。この間の時間経過は、ほぼ50年間でしたね。

もし「4人⇒1人」への動きを「シュリンク」と言うならば、「2人⇒4人」に増えたことは「グロース」となりますね。

この50年間のこれらの変化に、コロちゃんが不安を感じたことはありませんでした。コロちゃん家族は「スマートグロース(賢く増え)&スマートシュリンク(賢く縮む)」したのですよ。

それは「将来像が見えていた」からです。「不安」とは「知識がない・情報がない」時に生まれるものだと、コロちゃんは考えているのです。

ですから、今日のテーマの「賢く縮むは出来るかな?」も、「厳しい将来の見通し」や「言いにくい暗い未来」であっても正しい情報を伝えて欲しいと、コロちゃんは心から願っていますよ。

重ねて言いますが「不安とは無知から生まれる」のです。コロちゃんは「不安も無知」もイヤですから、何でも知らせていただきたいと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Gregor MimaによるPixabayからの画像


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