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【経済考】高齢者に「資産」が滞留してるんだって?.

0.「今日の記事のポイント」

☆「豊かな高齢者vs負債の多い若い世代の記事だよと、遺産相続は半分以上が60代で受け取っているよ」

☆「亡くなる方は80歳以上が7割だよと、貯蓄は高齢者がため込んでいるよ」

☆「豊かな高齢者と貧しい高齢者を一緒くたにしちゃダメだよと、全ての高齢者の医療費負担を3割にしろだって」

☆「高齢者の終活はいくらくらいかかるのかな?と、コロちゃんの金融資産の滞留についての考え方」

1.「豊かな高齢者vs負債の多い若い世代の記事だよ」

今朝コロちゃんが、コーヒーを飲みながら新聞をバサバサ読んでいると、「増える『老老相続』資産滞留/相続人、半数が60歳以上」との見出しが目に入りました。

コロちゃんは、もう「こらいまれ年代」に突入した、紛うかたなき「高齢者」ですので、この記事を興味深々とじっくり読んでみましたよ。

その記事の内容は、遺産を相続する人の内「60歳以上の割合は52.1%」だと報じています。

また、貯蓄残高は「70歳以上は2503万円」となっていて、「40歳未満の負債は貯蓄の2.2倍の1757万円」だと報じています。

コロちゃんが、この記事を読んだ感想は「豊かな高齢者と負債の方が多い若い世代」とを対立させる記事だと感じましたよ。

コロちゃんは、この「豊かな高齢者」と「若い負債が多い世代」を対立させて比較するような主張ってキライなんですよね。

「高齢者の中には貧しい世帯」も多いですし、「若い世代」でもそれは同じです。だから、社会の見方を誤道させると考えているのですよ。

わざわざ「高齢世代」と「若い世代」を分断することないじゃん!
( *¯ ^¯*)フンッ

それで、この記事の内容をちょっと調べてみましたよ。

なお、この「増える『老老相続』資産滞留/相続人、半数が60歳以上」と言う見出しの「日経新聞の記事」をお読みになりたい方は、以下のリンクのクリックをお願いします。


2.「遺産相続は半分以上が60代で受け取っているよ」

この記事では「内閣府」作成の「2024年度経済財政報告」の各資料を基に分析したと書いてましたので、コロちゃんは早速元ネタを探してみましたよ。

どれどれ・・・、あーこれだこれだ。
(○゚∀゚σ)゚ミツケタ!。 

まずは、「遺産を相続する人の60歳以上の割合は52.1%」と半分以上だったというデータです。

下記ののグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「内閣府 相続人の年齢構成」より

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je24/pdf/all_01.pdf
出典:内閣府 令和6年度経済財政年次報告より(10月24日利用)

上記のグラフは「内閣府」が発表した「相続人の年齢構成」です。下に書き出しますね。

◎「相続人の年齢構成」(小数点以下切り捨て)

①「30歳以下 :8%」
②「40代   :12%」
③「50代  :27%」
④「60歳以上:52%」

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je24/pdf/all_01.pdf
(出典:内閣府:令和6年度経済財政年次報告より:10月24日利用)

ふむふむ、長寿の高齢者が亡くなった後の相続人は、今では「60代の方が52%」と全体の半分以上になっていて、「老老相続」となり「資産が滞留」して社会の役に立っていないと言うわけですね。
✧φ(ロ-ロ๑)フムフム…

そりゃそうですよね。コロちゃんは今もう「こらいまれ年代」だけど、まだ死にそうにないですよ。後しばらくは生きているでしょう・・・多分?
ʅ(。◔‸◔。)ʃ…ハテ?

3.「亡くなる方は80歳以上が7割以上だよ」

なお、コロちゃんが見た上記のグラフの隣には、「被相続人(亡くなった方)の年齢構成」のグラフもありました。「1989年・1998年・2008年・2019年」が記載されています。

下記に一部を書き出しますね。

◎「被相続人(亡くなった方)の年齢構成:1989年⇒2019年」

❶「80歳以上:39%⇒72%」
❷「70代  :30%⇒17%」
❸「60代   :19%⇒7%」
❹「59歳以下 :12%⇒4%」

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je24/pdf/all_01.pdf
(出典:内閣府:令和6年度経済財政年次報告より:10月24日利用)

うーむ、上記を見ると「80歳以上の被相続人(亡くなった方)」が、1989年から2019年の30年間で39%⇒72%に大幅に増えていますね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

なるほど、この30年間で、80歳以上まで生きている高齢者が激増したようですね。

コロちゃんは、今「こらいまれ」に入ったばかりですから、あと10年近くも生きてい・・・られるかなー?
ʅ(。◔‸◔。)ʃ…ハテ?

なんか、そんなに長く生きる予定はないのですけどね。こればかりは分かりませんよ。
┐(´д`)┌ワカリマセーン

4.「貯蓄は高齢者がため込んでいるよ」

上記の記事では、あと「貯蓄残高が高齢者で上昇傾向だ」と記載しています。コロちゃんは、こちらも元データを探してみましたよ。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「総務省統計局 世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高、負債保有世帯の割合(二人以上の世帯)-2023年-」より

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2023_yoyaku.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編) -2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)より(10月24日利用)

上記のグラフは、「総務省統計局」が発表している「世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高、負債保有世帯の割合(二人以上の世帯)-2023年-」です。

分かりやすく言えば、「年代別の貯蓄と負債」です。下に書き出しますね。

◎「年代別貯蓄と負債」(1万円以下切り捨て)

①「40歳未満」
・「貯蓄 :780万円」
・「負債:1750万円」

②「40~49歳」
・「貯蓄 :1200万円」
・「負債:1380万円」

③「50~59歳」
・「貯蓄 :1700万円」
・「負債 :710万円」

④「60~69歳」
・「貯蓄 :2430万円」
・「負債 :200万円」

⑤「70歳以上」
・「貯蓄 :2500万円」
・「負債 :78万円」

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2023_yoyaku.pdf
(出典:総務省統計局:家計調査報告:貯蓄・負債編:-2023年(令和5年)平均結果-:二人以上の世帯より:10月24日利用)

上記を見ると、一番負債が多く苦しい年代は「➀40歳未満:貯蓄:780万円:負債:1750万円」ですね。

それに対して「⑤70歳以上:貯蓄 :2500万円:負債 :78万円」の豊かさが目に付きますね。

上記の新聞記事では、以上の「遺産相続データ」と「貯蓄と負債のデータ」を並べて紹介した後に、「三菱ufjリサーチ&コンサルティングの馬場康郎氏」の意見を最後に紹介しているのですよ。

以下の意見ですよ。

「収入は無くとも資産がある人も一定数おり、所得ではなく金融資産を考慮した医療や介護負担を求める仕組みを作っていくことも一案だ」

コロちゃんはこの新聞記事を読んで、「高齢者の資産把握」には賛成しますよ。現在では「マイナンバーカード」と言う便利なものがありますからね。

国民の「資産把握」をキチンと行なった上で、「所得と資産」から「貧しい世帯」には手を差し伸べるのが良いとコロちゃんは考えていますよ。

しかし、政府は「国民の資産把握導入」には反対が多いと考えて、そこまで行なわないでしょう。

その時に何を行なうかと言うと、「高齢者の優遇制度」を取り上げて、「若者世代」に再分配するというざっくりとした「政策変更」なのではないでしょうか。

それがどのようなものかを、次に考えてみますよ。

5.「豊かな高齢者と貧しい高齢者を一緒くたにしちゃダメだよ」

上記では、コロちゃんと同じ年代の「⑤70歳以上:貯蓄 :2500万円:負債 :78万円」という実態があるようですが、コロちゃんはそんなに持っていませんよ。
(ノд・。) グスン

この「70歳以上:貯蓄2500万円」というデータは、あくまでも「平均」であって、沢山持っている「豊かな高齢者」によって上に引き上げられた数字なのですよ。

それでは、コロちゃんたち「高齢者の金融資産の実態」を見てみましょう。下記に書き出しますね。

◎「高齢者世帯の金融資産分布」(小数点以下切り捨て)

➀「貯蓄がない:11%」
➁「貯蓄がある:80%」
・「100万円未満    :6%」
・「100~400万円未満 :15%」
・「400~700万円未満 :10%」
・「700~1000万円未満 :6%」
・「1000~2000万円未満:14%」
・「2000万円以上    :22%」

③「高齢者世帯平均:1600万円」(100万円未満切り捨て)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
(出典:厚生労働省:2022年 国民生活基礎調査の概況より:10月24日利用)

上記は、「厚生労働省」の発表した「各種世帯の貯蓄額階級別・借入金額階級別世帯数の構成割合」のデータですが、他の民間調査では大体10~20%の「貯蓄なし世帯」があることが分かっています。

現在「高齢者世帯数(65歳以上世帯)」は2580万世帯(※)ですから、その10~20%というと250~500万世帯の「貯蓄ゼロの高齢者世帯」があることになります。

(※内閣府:高齢者会白書より)

上記のデータでも、「貯蓄がない世帯:11%」で「貯蓄」があっても、「100万円未満世帯は6%」になっています。

合わせて「2割弱の高齢者世帯」は、いざという時に頼れる「貯金額」が心もとない実態(0~100万円以下)となっていると思われますよ。

この様に「高齢者の間での貯蓄格差」は、現在では大きなものとなっています。しかもこの「格差」は挽回がほとんど期待されません。既に「確定した格差」なのですよ。

だからこの実態を見ると、「豊かな高齢者」vs「負債が多い若い世代」という対立構造を煽ることは間違いだとわかるでしょう。

コロちゃんは、「格差の是正」には賛成しますよ。その理由は簡単です。「格差を是正」した方が多くの方が幸せになるからです。

そのためには「豊かな方」からは多く出していただいて、「貧しい方」には多く配分するのが一番早く、効率的だと思いますよ。

決して「豊かな高齢者と貧しい高齢者」を一緒くたにして、「若い世代」との対立に持ち込んではいけないと、コロちゃんは考えていますよ。

6.「全ての高齢者の医療費負担を3割負担にしろだって」

上記で、「豊かな高齢者と貧しい高齢者を一緒くたにする政策はダメよ」と書きましたが、その典型的政策を主張なさっている政党があります。

今回の「衆議院選挙」の「日本維新の会」の公約が、「高齢者の医療費窓口負担を原則3割に引き上げる」なのです。

現在の「医療費」の自己負担割合は、「70~74歳:2割負担(コロちゃんはココ)」で「75歳以上:1割負担」です。

これを「全ての高齢者が医療費3割負担をしろ」と言うのが「日本維新の会の選挙公約」です。

コロちゃんは、これに「大反対」しているのですよ。

全ての「高齢者」が豊かなわけではありません。上記の政策は「豊かな高齢者と貧しい高齢者を一緒くたにする政策」の代表的事例ですね。

コロちゃんは「社会保障負担:医療費負担」の拡大には基本的には賛成しますよ。しかし、その「負担拡大」の原則は「ある所から取ること」だと考えています。

コロちゃんの主張は単純です。「豊かな高齢者から負担増を」です。「貧しい高齢者の負担を増やす」ことではありません。

7.「不安の時代を変える道が解決策だよ」

今日のテーマは「高齢者に資産が滞留しているんだって?」です。

では、なぜ「高齢者」はお金を貯めこむのでしょうか?

コロちゃんは「内閣府」の行なった「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」を見つけました

この「調査」は、全国60歳以上の男女3000人へのアンケート調査です。2020年に行なわれています。

下記をご覧ください。

◎「経済的不安なこと:複数回答」(小数点以下切り捨て)

➀「自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎること:30%」

➁「自力で生活できなくなり、転居や有料老人ホームへの入居費用がかかること:26%」

③「収入や貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなること:25%」

https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r01/zentai/pdf/s3.pdf
(出典:内閣府:令和元年度:高齢者の経済生活に関する調査結果より)

コロちゃんは、自分が高齢者なのでよくわかりますが、高齢者の悩みのほとんどが「収入が少ない」か「健康不安」です。

この「不安」こそが「高齢者が資産を貯めこむ理由」なのです。

ただしコロちゃんは、そんなに貯めこめませんでしたけれどね。
(ノд・。) グスン

だから「高齢者の資産の滞留」を無くそうとするならば、「高齢者が不安を感じない福祉制度」を作るのが本道ですね。

ただし、その「高齢者が不安を感じない福祉制度」をつくるための国民意識の一致を図るのには、長い時間がかかると思われますよ。

8.「高齢者の終活はいくらくらいかかるのかな?」

さて、ここで「コロちゃんが今後逝くまでの終活の費用」は、どのくらい見込んでおけば良いのでしょうか?

ちょっとポチポチと調べてみますね。

「生命保険文化センターの調査」によると、「介護費用と介護期間の平均」は以下のようになっています。

◎「介護費用と期間」

➀「介護期間 :平均5年1ヵ月」
➁「介護費用 :在宅:4.8万円」
③「介護費用:施設:12.2万円」
④「一時的費用:74万円」(住宅改造等)

https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1116.html
(出典:生命保険文化センター:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?より:10月24日利用)

うーむ、上記の①~④をポチポチ計算すると、以下になりますね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

❶「在宅介護費用総計:367万円」(5年間)
❷「施設介護総計  :819万円」(5年間)

いやいや、300~800万円もかかりますね。そしてこれに「お葬式」(100万円強)が加わると、たっか!
(;゚д゚)エエーッ!!!

だけど、考えてみれば高齢者には「年金所得」があるのですよね。「介護」に入れば他の生活支出は大幅に削減されますね。

「厚生年金の平均受給額」は、「男子16万円、女子10万円※」です。

(※加入期間と現役時代の所得によって異なります)

この「男子16万円」だと年間190万円程となり、平均介護期間5年間の「年金所得」は950万円となります。これなら 何とか安心して逝けますね。

いやいや、別に無理に逝かなくていいんですからね。
ε=( ̄。 ̄;A)ホッ

そうですね、コロちゃんはなんとか頑張って「在宅介護」を「おひとり様」で逝くことにしましょう。それが一番「清貧ライフ」の終幕にふさわしいですよ。

9.「コロちゃんの金融資産の滞留についての考え方」

コロちゃんは、「金融資産の高齢者層での滞留」は、高齢者の「将来不安」の解消が本道だと思います。

高齢者は「将来不安」さえなくなれば、お金を貯めこまなくて済むのですよ。

そして、その「将来不安の解消」のためには、現在の「小負担=中福祉」の現状を「高負担=高福祉」へ転換するべきだと考えていますね。

しかし、現実的には現在の「小負担=中福祉」から「中負担=中福祉」への転換も難しい現状がありますから、今後の「日本の大きな課題」となると考えていますよ。

そしてコロちゃんが、自分の「終活」を考えると時に思うことは、あまり「金銭に執着したくない」という思いです。

コロちゃんは、若い時から「お金よりも大切なのは生き方だ」と言う考え方を持っていたのです。優先されるものは「生きる目的」であって、「お金」はそのための手段だと思うのですよ。

この「お金」と「生き方」の、目的と手段が逆転すると、何よりも「お金が大切」となってしまいます。

コロちゃんは、そのように考えて「生きる目的」のために、多くの資金を投じてきました。それらは全く成果は上げられなかったのですが、コロちゃんは今振り返っても一切の後悔はしていませんよ。

コロちゃんは、その時点では「やり切った」との満足感だけは持って帰ってきましたからね。

最後はちょっとわかりにくい内容だったかも知れませんが、コロちゃんの「お金」に対する姿勢がいささかでもお伝えできればうれしいですよ。

このような「コロちゃん話」は、またの機会にお話ししたいと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

Dietrich SchellerによるPixabayからの画像







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