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【経済考】「高額療養費」の負担がジワリと増えるかも?.

0.「今日の記事のポイント」

☆「高額療養費の負担が増えるよと、今後は医療費負担が増えますよ」

☆「医療費は高齢者になってから増えるよと、削減した費用はどこに行くの?」

☆「もはや制度が限界に達していると思うよと、コロちゃんと高額療養費制度」

1.「高額療養費の負担が増えるの?」

コロちゃんが、朝コーヒーを飲みながら、新聞をバサバサ読んでいると「高額療養費の負担増抑制」との見出しが目に入りました。

この「高額療養費の負担」とは、「いろいろな病気」で治療費が高額になった時に、一定限度額を超えた分は還付される制度です。

コロちゃんは、自身が「大腸がん・悪性リンパ腫」で治療を受けましたし、妻も「肺がん」の治療を受けましたから、その都度この「高額療養費制度」のお世話になりましたね。

この「高額療養費制度」は、所得額や年齢によって「負担限度額」が違ってきますので、なかなか対象者の「医療費限度額」が分からないこと(所得によって変わる)が、制度の難しさを表しています。

だからコロちゃんは、この「高額療養費制度」を利用する時には、何度も「病院の相談センター」や「市役所の担当者」へ相談をしましたよ。

その「高額療養費制度」が、今回「患者負担を増やす内容」で改革される予定になっています。

その理由は、当然「医療費の抑制」です。「患者負担」を増やせば、その分全体の「医療費が減る」わけですね。

「令和4年度の社会保障費」は137兆円ですが、そのうちの「医療費」は46兆円と大きな部分となっています。

またこの「医療費」は、今後2040年には76兆円まで増えると予想されています。それは今後高齢化で「患者数が増え続ける」ことが主な理由でしょう。

コロちゃんは、もう今の「医療制度」自体が悲鳴を上げて軋んでいる様に思えるのですけれどね。

報道でも「患者団体から、自己負担が増えれば治療を続けるのが難しくなるなどの声が上がった」と報じられています。


コロちゃんは、もうこの「自己負担を上げる」とかの「弥縫策」は止めて、もっと「医療制度」を抜本的に変えるしかないと思っているのですが、どうでしょうか。

なお、この「新聞」の「高額療養費の負担増抑制」の記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

あらら、「日経電子版」だと「見出し」が変わっていますね。下記に書き比べてみますね。
(゚Д゚)アララ

①「紙の新聞見出し:高額療養費の負担増抑制/政府・与党、修正視野に協議/治療抱える患者に配慮」

②「電子版見出し:高額療養費の負担増なぜ見直し?政府・与党患者に配慮」

うーむ、これは「①の紙が中立的な事実」で、「②の電子版がプランに懐疑的?」と考えるのは・・無理かなー?
(*´・д・)はて?

「電子版」では、単に「見出し」を一目でわかりやすくしただけかもしれませんね。

2.「高額療養費制度の見直し案をみる」

上記の新聞の記事では、「政府・与党、修正協議を視野に協議」と紹介しています。

ですから、まだこの「高額療養費制度の負担増の案」は決定したわけではありません。

今後いろいろと「負担増の軽減化」が計られると思いますが、「医療費負担減」を諦めるわけには行かないのでしょうね。

ですから、今回の「高額療養費制度の見直し案」の内容は、簡単にさらっとご紹介しますね。

下記のイラストをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 高額療養費制度の見直しの方向性(案)のイメージ」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001393881.pdf出典
:厚生労働省 高額療養費制度の見直しについてより:2月6日利用

上記のイラストは、「厚生労働省」が発表した今回の「高額療養費制度の改革案」のイメージイラストです。

詳細な「見直し案」の内容は、あまり興味がないと思われますので、上記の「青色ラインが現在」で、「赤ラインが見直し案」だとお考えになってご覧ください。全体的に上にシフトしています。

この分「青色ラインと赤色ラインの差」が「患者の負担増」になるわけですね。「厚生労働省」は、「3回に分けて引き上げる」と報じられています。

具体的にどのくらい増えるのかを、ちょっと見ておきましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 70歳未満・年収約500万円の方が医療費300万円かかった場合」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001393881.pdf
出典:厚生労働省 高額療養費制度の見直しについてより:2月6日利用

上記のグラフは、「厚生労働省」が発表した今回の「高額療養費制度の改革案」の「ビフォーとアフター」です。

上のグラフが「現行(ビフォー)」のもので、下のグラフが「見直し後(アフター)」ですね。内容を下に書き出しますね。

◎「70歳未満・年収約500万円の方が医療費300万円かかった場合」(1000円以下切り捨て)

①「現行(ビフォー)」
・「自己負担額:10.7万円」
・「高額療養費:79.2万円」
・「保険給付  :210万円」

②「見直し後(アフター)」
・「自己負担額:11.5万円」
・「高額療養費:78.4万円」
・「保険給付  :210万円」

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001393881.pdf
(出典:出典:厚生労働省 高額療養費制度の見直しについてより:2月6日利用)

上記は「70歳未満の方で、年収約500万円の方が医療費300万円かかった場合」です。よく見ると「②見直し後の自己負担額」が8000円増えています。

ただし、このグラフは「令和7年8月実施分」だけで、「見直し案」はこの後も「令和8年8月」、「令和9年8月」と全部で3回予定されていますから、上記グラフより更に2回上がる予定となっています。

だから今日のテーマで、「ジワリ」と言ったでしょう。1度8000円が上がるぐらいでは済まないのですよ。

それをまとめて上げないで、わざわざ「3回(3年間)」に分けて上げるなど、なかなかやり方が「賢い(ズルい)」ですね。少しでも反発を抑えようとする「知恵」なのでしょうか。

上記で「医療費300万円」を読んで、こんなに「医療費がかかるのだろうか?」と、お考えになる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、コロちゃんが「大腸がん」で手術した月の医療費は「200万円」を超えていましたよ。しかし、この「高額療養費制度」のおかげで、自己負担額は20万円弱に抑えられました。

ただ「入院費」には「食費・管理費」などもかかりますが、それらは「高額療養費」や「健康保険」の対象外となっていますので、「医療出費全体」はもう少しかかりましたね。

そして、「がん手術後」の「抗がん剤治療」や「放射線治療」は、それぞれ数か月間かかりますから、あっという間に「医療費」が膨れ上がりましたよ。

この様に「高額療養費制度」とは、とてもありがたいものだと、コロちゃんは身をもって実感しましたよ。

なにしろコロちゃんは、自身の「肺がんと悪性リンパ腫の治療」と、妻の「肺がんの治療」で、都合3度もこの「高額療養費制度」のお世話になりましたからね。

いわば「厚生労働省様」のある「霞が関」には、「足を向けて寝られない」気分ですよ。

(コロちゃんの寝ているベッドは頭が西向きですから、霞が関がある南には足は向いていません)

3.「医療費は高齢者になってから増えるよ」

上記の「高額療養費」と聞くと、若い方は「関係がない」と考えている方が多いかと思いますね。だって「若い方」は、ほとんど「高額療養費制度」を使うことはないのですよ。

次に「年代別の医療費」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 年齢階級別1人当たり医療費」より

https://www.mhlw.go.jp/content/nenrei_r01.pdf
出典:厚生労働省:年齢階級別1人当たり医療費より:2月6日利用

上記のグラフは、「厚生労働省」が発表した「年齢階級別の1人当たり医療費」です。この「医療費」には以下の全部が含まれています。

◎「上記グラフの医療費の内訳」

〇「入院・食事・生活療養」+「入院外・調剤」

うーむ、全部書き出すのは大変だなー? いやいや頑張って書きますよ。
( ̄へ ̄|||) ウーム

◎「医療費(入院・食事・生活療養+入院外・調剤」(1万円未満切り捨て)

➀「100~ :118万円」
➁「95~99:120万円」(最大)
③「90~94:115万円」
④「85~99:106万円」
⑤「80~84: 93万円」
⑥「75~79: 78万円」
⑦「70~74: 60万円」(コロちゃんはココ)
⑧「65~69: 47万円」
⑨「60~65: 37万円」
⑩「55~59: 29万円」
⑪「50~54: 23万円」
⑫「45~49: 18万円」
⑬「40~44: 16万円」
⑭「35~39: 13万円」
⑯「30~34: 12万円」
⑰「25~29: 10万円」
⑱「20~24:  8万円」(最小)
⑲「15~19:  8万円」(最小)
⑳「10~14: 10万円」
㉑「5~9 : 13万円」
㉒「~4  : 24万円」

https://www.mhlw.go.jp/content/nenrei_r01.pdf
(出典:厚生労働省:年齢階級別1人当たり医療費より:2月6日利用)

ふー、疲れた。やっと書き終わったよ。
ε- ( ̄、 ̄A) フゥー

コロちゃんが、上記を一生懸命書いたのは、若い方にご「自分の年代の医療費」を知ってもらいたかったからですからね。

上記を見ると、人生で一番「医療費がかかる年代は、85歳以上の年100万円以上」ですね。逆に「人生で一番医療費がかからない年代は、15~24歳の年8万円」です。

何と一番「医療費」が少ない「15~24:年8万円」と比べると、「80歳以上は10~15倍」に膨れ上がります。

現在は「2人に1人がんになり、3人に1人ががんで亡くなる」と言われる時代です。誰しもが高齢になるまで生きている時代です。

いずれ誰もが「高齢者」となるのですから、今回の「患者負担が増える見直し案」には、是非関心を持っていただきたいと思いますよ。

4.「削減した費用はどこに行くの?」

今回の「見直し案」では、以下のように報じられています。

「加入者全体の保険料負担は年間で約3700億円、1人あたり保険料負担は年1100~1500円減る見通しだった。国費の抑制効果は約1100億円を見込んでいた」

ただ、これに続けて「岸田前政権が決めた少子化対策の財源は28年度に年1.1兆円を社会保障費の削減で捻出する計画で、高額療養費は検討事項の1つだった」と報じていますね。

これは要するに「高額療養費の見直し」で生まれる財源は、既に「使い道(少子化対策)」が予定されていたみたいに聞こえますね。

コロちゃんは、この「高額療養費制度の見直し」が、今後高齢化が進み「医療費」が増加するために、やむを得ず行なわれるのかと思っていましたけれど、なになに流用されちゃう予定だったの?
(゚Д゚)アッラー!

いやいや、そう決まったわけではないですから、まだまだ今後の経過を見ていましょう。

5.「もはや制度が限界に達していると思うよ」

新聞報道では、「見直し案」では「高い年収」では「限度額が高くなる(医療負担が増える)」、その反面「住民税非課税世帯では3%の引き上げ率にとどまる」としています。

そして、続けて「非課税世帯には一定の資産を持つ年金受給者も含まれるが、支払い能力としては反映されない」と、不公平感をにじませています。

要するに、この報道では「所得は無くとも資産がある高齢者からもっと取れ」と言いたいのでしょうね。

コロちゃんは、「高齢者の資産把握」には賛成していますよ。

「マイナンバー制度」があるのですから、「銀行預金・郵便貯金」の口座を全て「マイナンバー」と紐付けして、「証券口座」と合わせれば「全国民の資産把握」は出来るでしょう。

「社会保障制度」で必要な財源は、「ある所から出していただく」のが肝要です。「ないところから取る」から批判されるのですよ。

コロちゃんには、「隠さなければならない資産」なんかありませんから、いつでも「お国に資産状況をお知らせ」出来ますよ。

今回の「高額療養費制度の見直し案」でも、少しずつ「患者負担を増やすサラミ戦術(今回は3年間で3回)」ですよね。しかし、こんなやり方がいつまで繰り返されるのでしょうか。

「令和4年度の医療費」は46兆円だったようですが、今後2040年には76兆円まで増えると予想されています。

これを見ていると、今回の「見直し案」がそのまま通ったとしても、また直ぐに次の「見直し案」が出て来るようになるのではないかとコロちゃんは思いましたよ。

だからコロちゃんは、「増税して財源を確保」した後に「制度の抜本改正」を行なうのが一番良いと考えていますよ。

まあ、この「増税論議」はまた別の機会に書きたいと思いますね。

6.「コロちゃんと高額療養費制度」

コロちゃんが、「高額療養費制度」を初めて利用したのは、コロちゃんが60歳の誕生日の3ヶ月後のことでした。

コロちゃんは、60歳の誕生日の翌月に「内科医院で大腸内視鏡検査」を受けて「大腸がんらしい」と言われたのです。

その時の「内科医の診断」では、「おそらく大腸がんでしょう、顔つきからして間違いがない。ただ組織検査をしなければ確定しません」と言われました。

皆さん知っていますか? 「がんには顔つき」があるそうなのですよ。
ʅ(。◔‸◔。)ʃ…ハテ?

「悪人顔?、お人よしの顔?」、まさかそんなのではないでしょうね。たぶん専門家の間での話しなのでしょう。

その1週間後に「組織検査結果」は「がん」と確定して、その後は「治療する病院の選択」です。

コロちゃんは「大学病院」を選択して、直ぐに予約を入れて翌週には「診察」でそのまま「入院・手術日」の決定へと進みました。

「大腸内視鏡検査」から「大学病院での手術日」までは、わずか1ヵ月間程度でしたね。

その「大学病院での入院と手術」で「高額療養制度」を初めて利用したのです。だからコロちゃんの場合は60代で初めて利用したとなりますね。

そもそも、この「高額療養費制度」は、「現役の方の所得」だと相当「医療費が高額※」にならなければ対象にならないのですよ。

(※所得600万円程度だと、だいたい月の医療費が20万円以上で適用されます)

この時の「入院・手術」では、コロちゃんは2ヶ月間にそれぞれ20万円以上の「入院医療費」がかかりましたね。

「診療明細書」には、総額が月200万円を超えていたように覚えています。それが「高額医療制度」の対象となることで、20万円程度に抑えられたのですよ。

そして、その後の「抗がん剤治療」は3ヶ月間に渡って治療を受けましたから、ここで2回「高額療養費の対象月」となっています。

だから、この時の「大腸がんの治療」では全部で3回「高額療養費」の対象となっていました。

この制度は「月単位」で適用されますから、その月の「医療費」によって「対象外」となる月も出てくるのですよ。「抗がん剤治療」は3~5ヵ月以上かかる時もありますからね。

だけど、この「高額療養費制度」のおかげで、コロちゃんは「費用の心配なく」安心して「入院・手術・抗がん剤治療」を受けることが出来ましたよ。

最後に1つアドバイスですが、「がん」で入院治療を受ける時は、「高額療養費制度」などについて、事前に「病院の相談連絡センター」か「市役所の担当窓口」で相談をしといた方が良いですよ。

いざ「手術」や「抗がん剤治療」が始まってしまうと、とても「相談」にあちこちを訪ねる体力・気力がなくなってしまうことがあります。

コロちゃんは、「抗がん剤治療」で手足の皮がボロボロ剥けてしまいましたよ。それに冷たい物に触れられない「末梢神経障害」が出てしまい、生活の中でも苦労しましたよ。

だから「複雑な制度の内容」などは、できるだけ「手術・抗がん剤治療」の前に相談して知っておくことをお勧めしますよ。

今日は「高額療養制度の見直し案」をテーマに、その内容と「高齢になってから増える医療費の実態」を書いてみました。

なかなか「若い世代の方」には実感が湧かないと思いますが、決して「他人事」ではありません。いずれどなたも「お世話になる制度だ」とお考え下さいね。

コロちゃんは、基本的には「現状以上に患者負担が増える事」には反対していますが、なにせ昨今の事情を考えますと、なかなか難しそうですね。

だから、今後もこの「高額療養費制度」の先行きを興味深く見守っていきたいと思っていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

NinaによるPixabayからの画像

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