【経済考】湿布したければ「薬局」で買えっていうの?.
0.「今日の記事のポイント」
☆「湿布薬は薬局で自分で買えって言っているよと、維新の会の提案を読んでみる」
☆「医療費の削減改革案は高齢者にやさしくないよと、アメリカみたいになりたいの?」
☆「コロちゃんと病院通い」
1.「湿布薬は薬局で自分で買えって言ってるよ」
コロちゃんが、朝コーヒーを飲みながら新聞をバサバサ読んでいると、記事の中にちょっと気になる内容を読みました。
多分ほとんどの方は、このコロちゃんが気付いた内容に関心がないだろうなと思われますけど、コロちゃんにとっては大きな問題の事項です。
それは何かというと、コロちゃんが「腰痛対策」で毎日背中にペタンと貼っている「湿布薬の値段」が5倍になるかも知れないという記事の内容なのですよ。
この新聞記事の見出しは「市販品類似薬/保険外に」との見出しの記事です。
その中に「日本維新の会」が、「社会保険料を引き下げる改革案」を「自民・公明・維新の政調会長会談で示した」とありました。
その「改革案」の中には、「OTC類似薬を公的保険適用外にする」との内容が含まれていたのですよ。
この「OTC類似薬」とは、「薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる一般用医薬品など」のことを言います。
要するに、今回の「維新の会」の提案は「ドラッグストアで買える医薬品は、病院の薬局で受け取るのではなく自分で買え」ということなのですよ。
いうまでもなく、「病院の薬局」で受け取るお薬は、健康保険の対象ですから「自費負担は3割※」です。
(※70~74歳は2割:75歳以上は1割:現役並み所得者は3割)
それが「薬局で買う」と言うことになると、お値段は3~10倍に跳ね上がるお薬も出てきます。だって「健康保険の自己負担」は、年齢と所得によって「10%~30%」なんですからね。
そうなると、コロちゃんが毎日「腰に貼っている湿布薬のお値段」も、たちまち「5倍」に跳ね上がるのかも知れません。
コロちゃんの医療費の自己負担は「現在20%(70~74歳区分)」ですからね。
そこでコロちゃんは、今回の「日本維新の会の提案」を、新聞記事からジックリと読んでみましたよ。
なお、このコロちゃんが「湿布薬の値段が5倍に上がるかも」と思った「社会保険改革」の新聞記事を、お読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
2.「維新の会の提案を読んでみる」
報道によると「日本維新の会」の提案は、「社会保険料を引き下げる改革案」と報じられています。その内容は、コロちゃんが読んだ限りでは以下でした。
◎「日本維新の会の改革案」
➀「湿布や風邪薬といったOTC類似薬(※)を処方箋をもらい薬局で購入すると自己負担率は1~3割で、残りは公的負担で賄うことになる。自己負担にすれば・・その分削減できる」
(※OTC類似薬:薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる一般用医薬品)
➁「医療費の窓口負担割合について収入だけではなく、株式や預貯金など保有する金融資産を考慮する仕組みの導入」
③「改革により医療費を年間4兆円削減できる。社会保険料の負担が1人あたり年間6万円減らせる。OTC類似薬を全額自己負担にした場合、医療費が3450億円ほど減ると試算」
ざっと、コロちゃんが読んだ記事には上記の「維新の改革案」が記載されていました。
そこでコロちゃんは、「日本維新会」のホームページを覗いてみると、以下のような政策が発表されていましたね。
◎「日本維新の会の、医療制度の抜本改革に向けての政策提言書より」
❶「湿布やロキソニンなどの痛み止め、アレグラのような花粉症治療薬、ヒルドイドのような保湿剤を含む市販薬が保険適用されている状況は、医療費の不必要な膨張に繋がっており、この部分での見直し」
❷「市販薬がある医薬品の保険適用を見直す・・・医薬品市場における健全な競争と後発医薬品メーカーの統合を促し、医薬品価格の適正化を図る・・医療資源のより効率的な利用を促進」
https://o-ishin.jp/health_care_reform/
(出典:日本維新の会:医療制度の抜本改革(医療維新)に向けての政策提言書よりコロちゃんが一部抜粋:2月8日利用)
うーむ、コロちゃんは上記の他にも読んでみましたが、感想は「医療の資本主義市場化」と感じましたね。
( ̄へ ̄|||) ウーム
もともと「医療費」が沢山かかる年代は「高齢」になってからです。
上記の「➀湿布や風邪薬といったOTC類似薬」を全て「保険適用外」となると、貧しい高齢者が「購入する薬を削減する」ようになることが、容易に想像つきますね。
わざわざ例として「アレグラのような花粉症治療薬、ヒルドイドのような保湿剤」のような若い年代の方でも使う薬品を上げていますが、金額的に圧倒的に多いのは「高齢者向けの薬」でしょう。
これは「高齢弱者いじめ」になる施策ではないかとコロちゃんは思いましたよ。
いやいや、コロちゃんが毎日1枚背中に貼っている湿布薬の値段が上がるから反対しているわけでは・・・ない・・かな?
(* ̄∀ ̄)ゞエヘヘ
だけどコロちゃんは、「維新会が提案した改革案」に賛成する部分もありますよ。以下ですよ。
「➁医療費の窓口負担割合について収入だけではなく、株式や預貯金など保有する金融資産を考慮する仕組みの導入」
そうそう、「マイナンバーカード」が既にあるのですから、全国民の資産状況を把握してキチンと「医療制度にも適用して運用」すればよいのですよ。
こんな「資産把握に反対する人」は、どうせ「隙あらば脱税しよう」と考えている富裕層に決まっていますよ。
3.「医療費の削減改革案は高齢者にやさしくないよ」
コロちゃんは、先の「国民民主党」の政策や、今回の「日本維新の会」の政策にしても、「若い世代vs高齢世代」と言う構図に持ち込む理念には、イラっとしますね。
「改革」と言う名のもとに「無駄を省く」として、いろいろな制度の施策を「削減」するということは、「省かれる無駄の対象」にとってはたまりませんよ。
だいたい「無駄」とされる対象は、「社会的弱者への施策」が多いのですよ。
今日は「市販類似薬」がテーマですから、「医療費削減」について取り上げますが、その「医療費削減」は国民全員が「平等に削減」されるわけではありません。
以下のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。
「厚生労働省 年齢階級別1人当たり医療費」より
上記のグラフは、「厚生労働省」が発表した「年齢階級別の1人当たり医療費」です。
グラフの上の部分の「青棒グラフが医療費」で、下の「赤斜線グラフが自己負担」で、「緑斜線グラフが保険料」です。
下に「医療費」と「自己負担分」を書き出しますね。左側が「医療費」で右側が「自己負担分+保険料」です。
◎「医療費(左)と自己負担分+保険料(右):令和元年度」(1万円未満切り捨て)
➀「100~ : 118万円=12万円」
➁「95~99:120万円=13万円」(医療費最大)
③「90~94:115万円=15万円」
④「85~99: 106万円=15万円」
⑤「80~84: 93万円=15万円」
⑥「75~79: 78万円=14万円」
⑦「70~74: 60万円=19万円」(コロちゃんはココ)
⑧「65~69: 47万円=23万円」
⑨「60~64: 37万円=30万円」
⑩「55~59: 29万円=40万円」
⑪「50~54: 23万円=41万円」(保険料負担最大)
⑫「45~49: 18万円=39万円」
⑬「40~44: 16万円=36万円」
⑭「35~39: 13万円=33万円」
⑯「30~34: 12万円=31万円」
⑰「25~29: 10万円=28万円」
⑱「20~24: 8万円=15万円」
⑲「15~19: 8万円=3万円」
⑳「10~14: 10万円=2万円」
㉑「5~9 : 13万円=2万円」
㉒「~4 : 24万円=3万円」
https://www.mhlw.go.jp/content/nenrei_r01.pdf
(出典:厚生労働省:年齢階級別1人当たり医療費より:2月6日利用)
ふー、疲れた。やっと書き終わったよ。
ε- ( ̄、 ̄A) フゥー
コロちゃんが、上記を一生懸命書いたのは、若い方に「ご自分の年代の医療費」を知ってもらいたかったからですからね。
上記を見ると「①~④の85歳以上」は医療費が100万円を超えています。
それに対して「⑪50~54歳」は「保険料負担+自己負担が最大の41万円」ですね。
これを見ても「OTC類似品の医療保険適用除外」が、主に「高齢者」に「負担増」となることは、一目瞭然ですよね。
だから「削減」となると、その対象は「主に高齢者」にならざるを得ないというわけですよ。
そもそも「若い方たち」は、「湿布薬」なんかほとんど貼らないでしょう。「湿布薬」を貼るのは「高齢者ばかり」に決まっていますよ。
p(`ε´q)ブーブー
だけど「⑯30~から⑨~64」までの「現役世代」の「自己負担+保険料」が、30~41万円で最も高いですね。
確かにこれを見ると、「若い世代が負担が大きすぎる」と叫ぶのもわかるような気がしますね。
今日は、分かりやすいように「湿布薬」を取り上げましたが、制度が変更されると「湿布薬」どころではない、多様な種類のお薬が対象をなることは明らかです。
このような「改革」は、高齢者にとっては間違いなく「改悪」ですよ。コロちゃんは反対しますよ。
4.「アメリカみたいになりたいの?」
コロちゃんは、上記の「医療費改革」って、「医療費を削減する」ってプランなんだけど、内容は「社会保険料の負担が1人あたり年間6万円減らせる(維新:青柳政調会長発言)」って言うんだよね。
これを「全年代別」に見ると、「高齢者の負担を増やし」「現役世代の負担を減らす」っていうことじゃないの?
p(`ε´q)ブーブー
結局のところ「世代間の対立・争い」となるようなプランだと、コロちゃんは思いましたよ。
コロちゃんは、以前に「タイムマシン経営」と言う言葉を聞いたことがありますよ。
この言葉は「欧米で成功した事業モデル・サービスを日本に持ち込み、いち早く展開する経営手法」のことなんですが、「名付け親」は孫正義氏です。
1990年代に、孫正義氏はアメリカでインターネットが勃興するのを目の当たりにして、1996年に合弁で日本に「ヤフー」を設立し、その後もインターネット関連企業を次々と設立しています。
この経営手法を、孫氏は「タイムマシン経営」と名付けています。
これは決して「インターネット産業」だけに止まりません。「アメリカで起きたことは10年後に日本で起きる」とはよく言われた言葉です。
たとえば「新聞社の凋落」や「製造業の衰退」などでも「日本」はアメリカの後を追いかけていますね。
今アメリカで起きていることは、「トランプ現象」とも言える「国民の分断」です。
コロちゃんは、この「国民の分断」がいずれ「日本」でも進むのではないかと危惧していますよ。
そして、その「分断を叫ぶと国民の支持が得られる」と考えるような政党の公約には、危機感を覚えるだけですよ。とても賛同などは出来ませんよ。
コロちゃんは、「将来の日本」が「今のアメリカ」のようになって欲しくはないという気持ちでいっぱいですよ。
5.「コロちゃんと病院通い」
今日は「市販品類似薬(OTC薬品)を保険外にしよう」と言う動きについての、コロちゃんの考えを書いてみました。
だけど「政党」の政策の批判は「臭くなる」と言われますから、これは「悪口」じゃないですからね。これはあくまでも「コロちゃんの正直な感想」ですよ。
これ以上言い訳を重ねるのも、見苦しいでしょうから、今日は最後に「コロちゃんの妻の肺がん入院時の行動」を書いてみますね。
コロちゃんの妻が「肺がん」で「大学病院」へ入院した時は、ちょうど「コロナ禍」の「非常事態宣言」が出た時でした。
だから「病院」では面会が一切できなくなりました。
その時にコロちゃんが選んだ行動は、「面会が出来なくとも毎日病院へ行く」でした。
しかし、毎日病院へ行っても、病院入り口の「受付」で拒否されてしまいます。
そこでコロちゃんが取った手段は「毎日ペットボトルの麦茶を1本差し入れる」ことでした。これならば「差し入れがある」と言う言い訳で、病棟入り口までは入れたのです。
「病棟窓口」では、インターホンを押すと看護師さんが出迎えてくれましたが、その時に「妻の様子」を聞いてから「ペットボトル1本」を毎日渡して帰るのが、当時のコロちゃんの日課でしたよ。
「ペットボトル」などは、病棟内の自動販売機でいくらでも買えましたから、看護師さんも苦笑いしながらコロちゃんに「今日の妻の様子」などを伝えてくれましたよ。
そのようにして、最初の入院の「1ヵ月間」は、毎日車で片道1時間強の「お見舞い&差し入れ」を続けましたよ。
妻からは、その後にその都度「麦茶が届いたよ」とのメールが来ていましたから、コロちゃんはホッコリした気持ちで帰宅しましたね。
妻はその1年後に「肺がん」で死去しました。
このような事をわざわざ書いたのは、「公的医療保険」には数多くのコロちゃんと妻のような「高齢患者」がお世話になっていることを思い出してほしいからです。
ホンの小さな「制度変更」でも、「高齢者」には大きな影響をもたらします。
だから「社会保険改革」もいいでしょうし、「医療制度改革」もいいですよ。
だけど、その「改革」はあくまでも「人間らしいやさしさ」をもって行ってもらいたいと、コロちゃんは思いますよ。
さて、どうやら今年の2025年は、多くの「制度の改革」が進められる年となりそうですね。「医療・年金改革」などなどが目白押しです。
コロちゃんなどの「高齢者」が関係する制度ばかりですから、今後もコロちゃんは目を皿のようにして新聞をバサバサ読もうと思っていますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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