【経済考】「膨れ上がる予算」は何をもたらすのか?.
0.「今日の記事のポイント」
☆「年金だけでは老後は食えないってことなの?と、今回のiDeCo拡充の政策を見るよ」
☆「自営業者の所得を見てみようと、20代・30代でどれだけiDeCoを積み立てられるかな?」
☆「老後不安は全年代に拡がっているよと、北風と太陽に似ているね」
☆「老後不安はどこから来るのかと、コロちゃんと老後不安」
1.「年金だけでは老後が食えないってことなの?」「今日の記事のポイント」
☆「2025年度予算を閣議決定したよと、住民税の基礎控除は据え置きとなったよ」
☆「寡(すくな)きを患えずして均しからざるを患うと、コロちゃんと子どもたちの不満」
1.「2025年度予算を閣議決定したよ」
コロちゃんが、朝コーヒ―を飲みながら、新聞をバサバサ読んでいると「税収増、予算再び膨張/来年度案決定/最大の115兆円」との見出しが目に入りました。
「政府」が、「2025年度予算」を「閣議決定」したとの報道です。
コロちゃんは、こんな「大きな話」はコロちゃんの手に余るというか、とても「コロちゃんの小さな脳みそ」に入りきれないな、と思いながら読んでみましたよ。
コロちゃんが気になった所だけを、ポチポチ拾い出して見ますね。
➀「家計収入の1/4は借金だよ」
コロちゃんは「国家予算」が、自分ちの「家計簿」とどう違うのかはよくわかっていません。それでも、どちらも「お金の話し」ですから共通部分はあるのでしょう。・・・多分。
最初は「家計収入の話し」ですよ。
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。
「財務省 令和7年度予算 一般会計歳入」より
上記のグラフは、「財務省」が発表した「令和7年度予算の一般会計歳入」です。コロちゃんだったら「年金所得」ですね。皆さんでしたら「年間所得」に当たるのでしょう。
コロちゃんが、ここで「注目した点」は、一つだけです。
それは「公債金(借金)」が「28兆円(24%)」と、「収入115兆円」の1/4を占めていることですよ。
(1億円未満切り捨て、小数点以下切り捨て)
コロちゃんは、いくらなんでも「収入の1/4が借金の家計」は、まずいんじゃないかと思いましたよ。
分かりやすく、「コロナ禍」前の2019年以後の「一般会計歳入総額と補正予算」を見てみましょうね。
◎「一般会計歳入総額+補正予算」
➀「2019年度 :109兆円+4兆円=113兆円」
➁「2020年度:102兆円+73兆円=175兆円」(コロナ禍)
③「2021年度:106兆円+36兆円=142兆円」
④「2022年度:107兆円+31兆円=137兆円」
⑤「2023年度:114兆円+13兆円=127兆円」(コロナ5類移行)
⑥「2024年度:112兆円+13兆円=125兆円」
⑦「2025年度:115兆円+?」
(一般会計歳入総額の出典:財務省:各年度の予算のポイントより)
(補正予算額の出典:財務省:財政総論より)
上記を見ても、「➁2020年度175兆円~⑤2023年度127兆円」は、パンデミックでしたから仕方がないと思いますよ。
しかし、その後の「⑥2024年度125兆円」とそれ以降は、元の「➀2019年度109兆円」以下に戻すべきでしょう。
来年度の2025年は、前年の112兆円から3兆円も増えています。報道では、この「115兆円」は過去最大と報じていますね。
そして「コロナ禍」以前の「➀2019年度:109兆円」を、6兆円も上回っています。
昨年末の「補正予算13兆円」も過大と思われましたが、この分では来年度も年末に「補正予算」の出番がありそうですね。
コロちゃんは、「政治家の財政規律の欠如」を思いましたよ。
30年近く続く「低金利の世界」にドップリと浸かっていた為に、すっかり「金利のある世界」に戻ってきても過去の感覚から抜けきれないようですよ。
➁「家計支出の1/3が社会保障費だよ」
さて、次は「家計支出」の話しですよ。
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出しますね。
「財務省 令和7年度予算 一般会計歳入」より
上記のグラフは、「財務省」が発表した「令和7年度予算の一般会計歳出」です。コロちゃんだったら「家計簿の支出欄」ですね。
コロちゃんが、ここで「注目した点」は、二つあります。以下ですね。
◎「コロちゃんの支出の注目点」
➀「社会保障費が歳出の1/3を占めている」
➁「国債費が歳出の1/4を占めている」
この「➀社会保障費」とは、「年金・医療・介護など」の支出です。来年度は「38兆円」になります。もちろん過去最大です。これはなかなか削りにくい項目ですね。
それでも、政策当局は「1300億円を抑制」したとしています。
この「抑制の被害者」は、「処方箋薬の薬価の引き下げ」+「高額療養費の見直し」ですから、「薬屋さんと所得の高い高齢者」となっています。
この「社会保障費」は、今後増えることが想定されています。
「内閣府」は、昨年7月25日「中長期の経済財政に関する試算」を発表しています。その中に、今後10年間程度の「経済財政状況の推計」をしているのです。
その中から、「社会保障関係費」を書き出しますね。以下ですよ。
◎「今後の社会保障関係費の推移」(ベースラインケース:兆円以下切り捨て)
➀「2025年度:38兆円」
➁「2026年度:38兆円」
③「2027年度:39兆円」
④「2028年度:39兆円」
⑤「2029年度:40兆円」
⑥「2030年度:40兆円」
⑦「2031年度:41兆円」
⑧「2032年度:41兆円」
https://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/r5chuuchouki7.pdf
(出典:内閣府:中長期の経済財政に関する試算より)
上記を見ると、今後2032年までの8年間は「社会保障費」は、順調に増加の一途をたどっていきますね。
8年後の「2032年度」には41兆円と、「2025年度」の38兆円から、3兆円も増えています。
今回の「一般会計歳出」では、「社会保障費」は「お薬屋さんと金持ち高齢者」にガマンをしてもらい1400億円削減をしたようですが、来年以降は誰にガマンをしてもらうのでしょうか?
これを読んだコロちゃんの意見は、「もうそろそろ無理なんじゃないの?」ですよ。
③「不満と不安が拡がっているよ」
コロちゃんは、今回の「一般会計歳出」を見て、もう1つ「➁国債費が歳出の1/4を占めている」ことでも、一言いたかったのですが、こちらはまた長くなりますから別の機会にしますね。
それで、上記の「お国の家計収入の1/4が借金」で、「家計支出の1/3が社会保障費」についてコロちゃんの意見を書きますね。
上記の「社会保障費」は、今後3年ごとに1兆円ずつ増える予測が出ています。
今回の「社会保障費」では「お薬屋さんと金持ち高齢者」の方に、ガマンしてもらいましたが、このままでは「ガマンしてもらう方」を毎年新しく探し回るのでしょうか。他に方法がないですものね。
その時に目の前に拡がる光景は「不満と不安」じゃないでしょうか?
「我慢させられた方は不満」を、それを「目の当たりにしていた方は不安」を。どちらにしても、あまり「健全な社会」ではないですよね。
コロちゃんは、現在の「政治の不安定さ」は、こんな背景から生まれたと考えていますよ。
2.「住民税の基礎控除は据え置きとなったよ」
「政府」は、12月27日に「2025年度の税制改正大綱」を閣議決定しています。いわゆる「年収103万円の壁」ですね。
この内容を見ると、「103万円の壁」が確かに「123万円の壁」に移動しているのですが、コロちゃんが驚いたことには、「住民税の基礎控除」は据え置きとなっていたのですよ。
まず前提として、「税額控除」のことについて確認しておきましょう。
➀「税額控除とは最低生活費だよ」
「所得税」は、皆さんの「給与や年金」から一定の「控除額」を引き、残った金額に課税されます。
簡単に言えば、この「控除額」とは「最低生計費を非課税とする考え方」から設定されているのですよ。
➁「住民税の基礎控除は据え置きなの?」
ところが、今回の改正では「住民税の基礎控除」は据え置きとなったようなのですよね。
コロちゃんが、ポチポチ調べてみましたが、「令和7年度税制改正の大綱」の内容には、以下のような記載があるのみでした。
◎「令和7年税制大綱」
➀「国税」
●「基礎控除」(10万円アップ)
・「 基礎控除について、合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額を10 万円引き上げる。」
・ 「合計所得金額が2350万円以下である個人58万円」
●「給与所得控除」(10万円アップ)
・「55万円の最低保障額を65万円に引き上げる」
➁「地方税」
●「給与所得控除」(住民税アップ)
・「55万円の最低保障額を65万円に引き上げる。」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/20241227taikou.pdf
(出典:内閣府:令和7年税制大綱より)
ほら、上記を見ると「➀国税」には「●基礎控除」と「●給与所得控除」の両方の「引き上げ」が記載されているのですが、「➁地方税」には「●給与所得控除」しかありません。
この「税制大綱」を読む限りは、「地方税の住民税」の「基礎控除は据え置き」となったようですよ。
しかし、「最低生活費(控除額)」の金額が「国(所得税)と地方自治体(住民税)が違う」って問題でしょう。
③「年金所得控除はどうなるの?」
コロちゃんがやきもきしたのは、この「税制改正大綱」に「年金所得控除」の記載がないのですよ。
コロちゃんたち「年金所得者」の控除は以下の通りになっています。
◎「公的年金所得者:所得税がかかり始めるライン」(単身者:年金所得:330万円以下:65歳以上)
❶「今までの年金所得者」
・「基礎控除 :48万円」+
・「公的年金等控除:110万円」=
・「合計 :158万円」
❷「来年からの年金所得者」
・「基礎控除:58万円(10万円増)」+
・「公的年金等控除 :110万円」=
・「合計 : 168万円」
コロちゃんは気になりますよ。だって、上記の「税制改正大綱(89ページ)」にも見つからないし、新聞でも書いてないんですよ。
これだと「給与所得者の控除は20万円上がります」けど、「年金所得者の控除は10万円しか上がらない」となってしまいますよ。
本来の「控除額は最低生活費」の考え方なら、「給与所得控除が10万円上がった」ら、「年金所得控除も同じく10万円上がって」も不思議はないんですけどね。
だけど「書いていない」ってことは、「年金所得者」には「年金所得の控除増額はない」と言うことなのでしょうね。
なんとも「不公平なことだ」とコロちゃんは思いましたよ。
④「税制改正の勝ち組は学生アルバイトとその親だよ」
今回の「税制改正」では、「18~23歳の子がアルバイトで123万円超稼いでも、直ちに税負担が発生しない『特定親族特別控除』を新設する」としています。
この親子が、今回の「税制改正の勝ち組」ですね。さらに「基礎控除と給与所得控除」が20万円増える「現役世代も勝ち組」でしょう。
そして「年金所得控除」が、もし増えていなかったら、「高齢世代が負け組」となりますね。
さらに、その負担の「財源は7000億円」とされましたが、コロちゃんは「政策を発表する時には税源も必ずセットで書き込まなければならない」と法律に明記すべきだと考えていますよ。1
今回「103万円の壁解消」を訴えた「国民民主党」は、「財源確保は政府が考えるべきだ」と言っていたそうですけど、コロちゃんに言わせれば「無責任極まりない」ですよ。
なお、今回の「減税額」は以下の通りとされていますよ。
◎「基礎控除・給与所得控除の下限の改正に伴う減税額」
➀「給与:150万円:減税: 2万円」
➁「給与:200万円:減税: 0.5万円」
③「給与:300万円:減税: 0.5万円」
④「給与:500万円:減税: 1万円」
⑤「給与:1000万円:減税: 2万円」
⑥「給与:2500万円:減税:4.1万円」
うーむ、見事な「逆累進減税」ですね。「お金持ち」ほど大きく減税されていますよ。
なんだかなー、「アルバイトの親子」と「現役世代のお金持ちほど」優遇される「税制改正」って、ちょっと「高齢の年金世代のコロちゃん」には納得がいきませんね。
( ̄へ ̄|||) ウーム
3.「寡(すくな)きを患えずして均しからざるを患う」
今日は「2025年度予算」と「税制改正大綱」が決定されましたので、その内容のコロちゃんが興味を持ったところだけをご紹介してみました。
「日本国」は、「収入の1/3が借金」で、支出の「1/3も社会保障」です。これでは「世の中に不安と不平」が拡がっても不思議ではありませんね。
年々「借金の額」が増え続けている現状は、到底「持続可能」とは思えません。その事によって生まれた「社会不安」がある限り、「消費の拡大」は望めないのではないでしょうか。
そして、その「将来不安」を背景とした「不公平への不満」がいたるところで見られています。
今回の「税制大綱」でも「勝ち組は学生アルバイトとその親だよ」とコロちゃんは書きましたが、これは「日経新聞の見出し/働く大学生と親に恩恵大きく」をお借りしたものです。
「新聞社」が見出しで書くぐらいですから、この「税制改正の受益者が目立つ」ことは、衆目の一致することなのでしょう。
このように、「社会の不満」とは「均(ひと)しからざるを憂う※」ところから生まれるものだと思いましたよ。
(※寡(すくな)きを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患う:論語)
「不安」が拡がった社会では、不満は「貧しいこと」ではなく、「平等でないこと」に向かうのでしょうね。
コロちゃんは、今後この「不安と不満」がより大きく拡がることを懸念していますよ。
4.「コロちゃんと子どもたちの不満」
今年の初めの寒い冬に、コロちゃんは「長男一家」に雪山に連れて行ってもらいました。いやいや「登山」なんかじゃあないですよ。スキー場ですよ。
「長男一家はスキー」で、コロちゃんは「温泉」です。
その帰りの日に、コロちゃんが子どもたちに「お土産」を買ってあげることにしたのですよ。その子どもたちの「お土産」について「パパさんとママさん」は以下の様に言ったのです。
「せっかくスキーに来たんだから、ここでしか買えない物を選んでね」byパパさん&ママさん
うん、もっともな考えですね。そして「なーちゃん(当時9歳)」は、ちゃんとスキー場らしいお土産を買ったのです。
ところが「たーくん(当時4歳)」は、選びに選んで悩み抜いた末に、どこででも買えそうな「ユンボのオモチャ」が欲しいと言ったのです。
その時に、もう自分のお土産を買っていた「なーちゃん(当時9歳)」は、大声で怒りました。
「たーくんはズルい! 私はスキー場らしいお土産を買ったのに、たーくんはどこででも買えるオモチャが欲しいなんてズルいよ。だったら私も欲しいものがあったのに!」byなーちゃん(当時9歳)
結局は大泣きとなった「たーくん(当時4歳)」の勝ち(?)となり、たーくんはどこででも買えるような「ユンボのオモチャ」を手にしましたが、何ともコロちゃんは困りましたよ。
ねっ、「寡(すくな)きを患えずして均しからざるを患う」でしょ?
最初から2人とも何も買ってあげなければ、不満はさほど出ないんですよ。
それが「買ってもらったお土産の扱い」が、「不公平で平等でない」となると「不満と怒りが爆発した」のですよ。
コロちゃんは、今日の「日本」の「2025年度予算」と「税制改正大綱」を書いていて、この「2人の子どもたちとのやり取り」を思い出しましたよ。
やはり「格差社会」は「不満と不安が充満し爆発する懸念」があると、コロちゃんは思いましたね。
その「爆発」が「たーくん(当時4歳)となーちゃん(当時9歳)」程度だったら、まだ可愛いですが、「社会が爆発する」とそうはいきませんよね。
早く対処をお願いしたいと、コロちゃんは思いましたよ。
今日は「2025年度予算」と「税制改正大綱」と言う「硬い話題」でしたので、最後はちょっと砕けてみました。
コロちゃんと、「長男一家の子どもたち」とのやり取りの雰囲気がちょっとでも感じられましたら、コロちゃんは嬉しいですよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。