【経済考】「医療費3割負担拡大」お金のある所から取ろうよ.
0.「今日の記事のポイント」
☆「後期高齢者の医療費3割負担を検討するようだよと、若者と高齢者の負担を比べてみるよ」
☆「豊かな高齢者には負担増を、貧しい若い世代には負担減をと、所得は見たけど資産はどうかな?」
☆「資産では高齢者が10倍、所得では若者が2倍だよと、75歳以上の医療費は全体の4割だよ」
☆「コロちゃんと後期高齢者医療制度(75歳以上)」
1.「後期高齢者の医療費3割負担を検討するようだよ」
コロちゃんは、現在「こらいまれ」年代に入ってからようやく1年を過ぎたヒヨッコです。
一般的な「高齢者の区分」では、コロちゃんは「前期高齢者(65~74歳)」となり、「病院」で使われる「健康保険」は、「国民健康保険」です。
これが、今後75歳となると「後期高齢者医療制度」へ移るようになっています。
この「後期高齢者医療制度」の財政が、高齢化の進行に伴って苦しくなるとして、「政府」は先日の9月13日に「高齢社会対策大綱」を閣議決定しました。
その中には「持続可能な高齢者医療制度の運営」との項で、以下のような記載がありました。
「後期高齢者の窓口3割負担(「現役並み所得」)の判断基準の見直し等については・・・検討を進める」
現在若い現役の方の「医療費負担は3割」となっていますが、75歳以上の高齢者の「医療費負担」はお安く抑えられています。(一般の方の自己負担は1割)
何しろ「後期高齢者の方(75歳以上)」には、収入が「年金所得以外にない方」が数多くいらっしゃいますからね。
ただ、これは直ぐに「75歳以上の3割負担を拡大する」というわけではありませんよ。あくまで「検討を進める」ですからね。
「後期高齢者医療制度」の医療費負担は、現在以下のようになっています。
◎「後期高齢者医療制度:窓口負担」(75歳以上)
➀「自己負担1割:一般の方」
➁「自己負担2割::単身約200万円以上(月約16.7万円以上)」
➂「自己負担3割:単身約383万円以上(月約32万円以上)」(全体の約7%)
上記の内容の「高齢社会対策大綱」の改定は、2018年以来の6年ぶりに行なわれたと報じられています。
この「75歳以上の医療費の3割負担の対象者の拡大」は、今後「検討」はされるでしょうけど、はたして「実施」出来るでしょうか?
お役所仕事には、よく「検討はしたけど結果は変わらなかった」と言うことも多いですからね。
「三菱総研」の試算によると、「後期高齢者らを原則3割負担とすれば、医療給付費だけで年1.24兆円の抑制効果がある」と報じられていますね。
コロちゃんは、この「豊かな高齢者の医療費負担を増やすこと」には賛成なのですよ。
まあ、コロちゃんのような「清貧高齢者」に対しては、間違っても「医療費の3割負担の拡大対象」にはされませんけれどね。
ならないよね? えっ、「清貧だろうがみんなかも知れないって?」、うーむ・・・。
( ̄へ ̄|||) ウーム
もちろんコロちゃんは「自分が対象外」の場合だけ賛成するわけではないですよ。あくまでもコロちゃんは、日本の将来を考えて「賛成」しているのです。
(`⌒´*)oエッヘン!
2.「若者と高齢者の負担を比べてみるよ」
報道によると、6月の政府の「骨太の方針」には、各省の協議段階では明記されていた「高齢者に医療保険料の相応の負担を求める案」が、公表原案からはすっかり抜け落ちたと報じられていました。
どうやら抜け落ちた案は「金融所得を多く持つ高齢者に応分の保険料負担を求める狙いの案」だったようです。
この報道では2021年度の「医療費と保険料」を以下のように記載しています。
◎「医療費と保険料」
➀「35~39歳の平均医療費:年14.1万円」
➁「75~79歳の平均医療費:年76.9万円」
➊「35~39歳の平均保険料:年31.6万円」
➋「75~79歳の平均保険料 :年8.5万円」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA197ER0Z10C24A8000000/
(出典:日経新聞:8月27日号:10月1日利用)
うーむ、「35~39歳の若い世代」は、あまり「医療費」は使いませんよね。高齢者の1/5以下ですよ。
( ̄へ ̄|||) ウーム
しかし、「保険料」は若い世代が高齢者の4倍近く負担しています。
まあ、確かに「若い世代」はあまり病気をしないし、逆に「高齢世代」はほとんどが病院通いをしていますからね。
それは「制度」としてやむを得ない面もあるかと思いますが、それでも限界があるとコロちゃんは思いますよ。
この報道では、「現役世代から高齢者医療制度への支援金」は2008年に始まったと書いています。これはコロちゃんも初めて知りましたよ。意外と最近になって始まっていたのですね。
その制度発足からの「1人当たりの仕送り額」を、「24年は年7万円を超え、約15年間で2.0倍になった」と報じていますね。
いくらなんでも、これじゃ「若い世代」が可哀そうと言うか、これで結婚も出来なくなっちゃったりしないといいのですけどね。
コロちゃんは、やっぱり「豊かな高齢者」にはもっと負担をしてもらった方が良いと思いますよ。だから「後期高齢者医療制度(75歳以上)」の「自己負担3割の対象者の拡大」には賛成しますよ。
3.「豊かな高齢者には負担増を、貧しい若い世代には負担減を」
上記で豊かな高齢者には、「医療費の自己負担」を増やしても良いのではないかと書きましたが、その「豊かな高齢者」はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?
コロちゃんは、ポチポチ調べてみましたよ。「高齢者」のデータだけでは面白くないでしょうから、「社会の中堅層の30代の方」も調べてみましょう。
➀「金融資産の6割を60歳以上が持っているよ」
まずは「金融資産の全体像」です。
2024年6月末現在の「家計金融資産」は2112兆円(※)です。その6割を所有しているのが「60歳以上の高齢者」です。
(※家計金融資産2112兆円:2024年第2四半期の資金循環より:日本銀行調査統計局)
また、その一方では、社会の「金融資産」の多くは「高齢者」が保有しています。しかし、この「金融資産」は平等に分布しているわけではありません。
➁「高齢者の半分が1500万円以上を持っているよ」
上記で「2112兆円の金融資産」の6割を60歳以上の高齢者が保有しているといって、そのすべてが平等に持っているわけではありません。
「高齢者世帯」の「平均貯蓄金額」は、2022年で2414万円(※)となっていますが、その保有は片寄っています。
(※総務省:家計調査報告(貯蓄の状況)2022年結果より)
下記の「金融資産分布」をご覧ください。「金融資産分布」は12区分を3区分にまとめました。
◎「世帯主65歳以上の金融資産世帯分布(平成26年、2人以上の世帯)」
➀「~450万円未満 :7%」
➁「450~1500万円未満:32%」
➂「1500万円以上 :47%」
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11510900_po_1103.pdf?contentNo=1
(出典:国立国会図書館 調査と情報 高齢者の保有金融資産の現状及び課題より:10月2日利用)
上記は、コロちゃんが勝手に①~③にまとめてしまいましたが、12区分で一番多い「ボリュームゾーン」は、何と「⑫4000万円以上:15%」です。
「高齢者は金持ってんなー(コロちゃんを除く)」。
(*゚0゚*)スゴー
コロちゃんは、勝手に上記の「高齢者世帯の金融資産分布」を以下の3つに名付けました。
◎「高齢者世帯:金融資産分布」
➀「貧乏 : 7%」
➁「中流 :32%」
➂「金持ち:47%」
なんか、この分類だと「③金持ち:47%」が半分近くなっちゃいますが、コロちゃんの頭の中では1500万円以上も持っていると、どうみても「お金持ち」としか思えないですね。
やっぱり、高齢者は「老後」に施設に入ると思うと、1500万円以上持ってないと不安になるのかも知れませんね。
えっ、「コロちゃんはどのくらい持っているの?」ですか?
あるわけないでしょ、コロちゃんは「清貧」なんですからね。
( *¯ ^¯*)フンッ
いやいや、コロちゃんの話しはどうでもいいんですよ。
そんなことより、これを見ると「豊かな高齢者の医療費負担を増やすこと」をしても良いとは思ませんか? コロちゃんは、「お金があるところから取るべきでしょう」と思っていますよ。
➂「30代は3割が貯蓄ゼロだよ」
「高齢者の話題」ばかりじゃつまらないでしょうから、「社会の中堅層」である「30代の方たちの資産額」を見ておきましょう。「金融資産分布」は、11区分を3区分にまとめました。
◎「30代の金融資産保有額の分布」
➀「~400万円未満 :50%」
➁「400~1500万円未満:32%」
➂「1500万円以上 :12%」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2023/
(出典:金融広報中央委員会:家計の金融行動に関する世論調査より:10月2日利用)
上記は、コロちゃんが勝手に11区分を①~③にまとめてしまいましたが、3割の方が「貯蓄ゼロ」となっていますね。結構多いでですね。
(●`・Д・)ゝダィジョウブヵァァアアァァ?
また、11区分で一番多い「ボリュームゾーン」は「500~700万円未満:11%」です。
なるほどこれは順当でしょうね。この年代は、そろそろ「家の購入」を考え始める年代ですから、ある程度の「金融資産」は保有している方もいらっしゃるとコロちゃんは考えましたよ。
コロちゃんは、勝手に上記の「30代の金融資産分布」を以下の3つに名付けました。
◎「30代:金融資産分布」
➀「貧乏 :50%」
➁「中流 :32%」
➂「金持ち:12%」
うーむ、「➀貧乏:50%」が半分ですよ。「高齢者の金持ち:47%」と対照的ですね。
これはやっぱり「豊かな高齢者」からは、もっと「医療費負担」を増やしても良いとコロちゃんは思いましたよ。
「社会の中堅層」の「貯蓄・金融資産」が、上記の状態ではなんとも心もとないように思えましたよ。
4.「資産は見たけど所得はどうかな?」
上記は「金融資産」ですから、高齢者にとっては「老後の杖」であり、「終末期への準備資金」でもあります。
だから、「高齢者世帯」がお金を貯めて少々の準備をするのは、当たり前というかやむを得ない事なのですが、その「世帯所得」はどのようになっているのでしょうか。下記で見てみましょう
➀「高齢者の半分以上が年収300万円以下だよ」
それでは高齢者世「帯の所得区分」を見てみましょう。
◎「高齢者世帯の所得分布」(25区分を3区分にまとめました)
➀「50万円未満~300万円未満:56%」
➁「300~800万円未満 :39%」
➂「800万円以上 :4%」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/html/zenbun/s1_2_1.html
(出典:内閣府: 令和5年版高齢社会白書より:10月2日利用)
上記は、もともと「所得分布」が25区分にも細かく分けていて見にくいので、簡単にまとめてみました。
この「高齢者の所得」の「ボリュームゾーン」は、「150~200万円の12%」ですね。
コロちゃんは、このデータを下の様に見ますね。
◎「高齢者世帯:所得分布」
➀「貧乏 :56%」
➁「中流 :39%」
➂「金持ち:4%」
「コロちゃんはどこにいるの?」ですか?
もちろん「➀貧乏➀:56%」に決まっているでしょう。1人の「年金所得」だけで300万円以上(月25万円以上)なんてほとんどいませんよ。
(※上記のコロちゃん分類では中流以上は所得300万円以上となっています)
(※年金の最高受領額は1カ月あたり37万円です)
➁「30代の所得は300万円台がボリュームゾーンだよ」
コロちゃんは「30代の年収分布」をポチポチ探してみましたが、「政府のサイト」では見つかりませんでしたので、他のデータをご紹介しますね。
30代の年収は、「男性が494万円」で「女性が383万円」となっていましたね。やはり「男女の所得格差」は大きいですね。「年収分布」は以下のとおりです。
◎「30代の年収分布」(9区分を3区分にまとめました)
➀「~400万円未満 :41%」
➁「400~700万円未満:49%」
➂「700万円以上 :8%」
https://doda.jp/guide/heikin/age/
(出典:求人情報・転職サイトdodaより:10月2日利用)
上記のデータは、男女合計の値でしょうから、「男性」だけを見るとちょっと高くなるかもしれません。
しかし「ボリュームゾーン」は、「➁300~400万円未満:26%」ですね。
年間所得300~400万円ですと月25~33万円ですね。毎月の手取りはこれより大分下がりそうですね。
コロちゃんは、下記のように名付けてみました。
◎「30代:所得分布」
➀「貧乏 :41%」
➁「中流 :49%」
➂「金持ち:8%」
上記のデータは個人所得で世帯所得ではないですから、実際には「共働き世帯」はもっと生活が楽だと思われますね。
しかし「貧乏4割・中流5割・金持ち1割」の区分には、何となくコロちゃんは納得しましたよ。
今の「日本社会の30代の皆さんの所得」は、上記のようになっていますね。
ここから「後期高齢者医療制度」への支援金を更に増やすのは酷だと思いませんか? コロちゃんは、「お金があるところから取るべきでしょう」と思っていますよ。
5.「資産では高齢者が10倍、所得では若者が2倍だよ」
さて、上記の「高齢者と30代の若者の資産と所得」を見てきました。まとめると以下のようになっていますね。
◎「高齢者と30代の若者の資産を比べる」
➀「高齢者の資産のボリュームゾーンは4000万円以上(15%)」
➁「30代の若者の資産のボリュームゾーンは300~400万円未満(26%)」
「高齢者は金持ってんなー(コロちゃんを除く)」。
(*゚0゚*)スゴー
◎「高齢者と30代の若者の所得を比べる」
➀「高齢者の所得のボリュームゾーンは150~200万円(12%)」
➁「30代の若者の所得のボリュームゾーンは300~400万円未満(26%)」
しかし、これを見ると「高齢者」も「30代の若者」もみんな所得は低いんですね。このように見いくと、高齢者と若者の「資産と所得」が良くわかりますね。
「資産」では高齢者は若者の10倍以上を保有していますが、「所得」では2倍ほど若者の方が多くなっています。
もちろん、これは「ボリュームゾーン」のお話しですから、中には「貧しい方・お金持ち」の方が居るのは「高齢者・30代の若者」のどちらも同じです。
これを頭に置いて、次を見てみましょう。
6.「75歳以上の医療費は全体の4割だよ」
先日の9月に「厚生労働省」は、「令和5年度医療費の動向」を発表しています。
それによると「令和5年度の概算医療費は47.3兆円」で、3年連続で過去最高を更新しています。
その内容をみてみると、「団塊の世代(1947~1949年生まれ)」が75歳以上となり始めたことから、「後期高齢者(75歳以上)」の医療費が全体を押し上げたとされています。
下に「75歳以上と75歳未満の医療費」を書いてみますね。
◎「令和5年度医療費」
➀「75歳以上:18.8兆円(39%)」
➁「75歳未満:26.2兆円(55%)」
➂「公費 :2.3兆円(4%)」
➂「合計:47.3兆円」
https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/23/dl/iryouhi_data.pdf
(出典:厚生労働省:令和5年度 医療費の動向~概算医療費の年度集計結果~より:10月2日利用)
何と、上記によると「全国民医療費」の4割が「75歳以上」に投じられるのですよ。
上記の「医療費の動向」を読むと、「75歳以上の一人当たり医療費」は平均96.5万円となり、「75歳未満の平均25.2万円の4倍になるようですね。
現在の「団塊の世代(1947~1949年生まれ)」は、最後の年の方がちょうど75歳になったばかりですから、この「75歳以上の方の医療費の増加」は、まだしばらく続くと思われますね。
その増加分を今後どのように賄うのかを考えると、コロちゃんはこれ以上若い方からの支援金を増やすのは酷なのではないかと思いますよ。
コロちゃんは、「お金があるところから取るべきでしょう」と思っていますよ。
ですから、冒頭で書いた「75歳以上の医療費の3割負担の対象者の拡大」をコロちゃんは支持しますよ。
7.「コロちゃんと後期高齢者医療制度(75歳以上)」
コロちゃんには、昭和3年生まれの母がいました。もう10年以上前に84歳で亡くなりましたが、最後は「療養型病院」に入り、そこで亡くなりましたね。
母は、高齢になってから「多発性骨髄腫※」を発症して「大学病院」での治療を受けていました。
(※多発性骨髄腫:血液のがん:有名人では2021年に俳優の「佐野史郎さん」が発症しその後に復帰)
コロちゃんは姉と一緒に、母を連れてずいぶん病院通いをしましたね。
その時に常に頭にあったのは「医療費」のことです。「高齢者」となると、年を重ねれば重ねるほど身体のどこかが悪くなります。
この「高齢になった時の医療費」は、「年金」では到底賄えるはずはありません。だから「後期高齢者医療制度」は必要だとは思いますよ。
コロちゃんも「母の入院」では、大変お世話になりましたからね。
しかし、増え続ける「後期高齢者」の医療費を、目立たないようにあちこちから少しづつ集める「弥縫策」ももう限界だと、コロちゃんは考えますよ。
今日は、長くなりましたからここで終えますが、コロちゃんはいずれはどこかで「大きな増税」をしなければならないと考えていますよ。
なにしろ、「ない袖は振れない※」は世の中の真理ですからね。
(※袖がなければ振りようがない、 お金がなければどうにもしようもないとの意:江戸時代の女性が求愛の返事に袖を振って返事とした故事による:左右に振れば〈イエス〉前後に振れば〈ノー〉とされた)
コロちゃんは、これからの「医療費」の財政補填をどのように進めるのかを注視していますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。