見出し画像

【経済考】「バラマキ減税」と「ポピュリズム」.

0.「今日の記事のポイント」

☆「コロちゃんは増税論者ですと、7.8兆円のバラマキになるよ」

☆「住民税非課税世帯には減税は無いよと、コロちゃんは日本の社会をこう見ています」

☆「選挙は支持層に刺さる政策が命ですと、財源はどうするの?」

☆「日本でもポピュリズムが拡がるのか?と、コロちゃんと選挙」

1.「コロちゃんは増税論者です」

コロちゃんは、借金で生活を賄うのはキライですから、「借金」と聞くだけで嫌悪感・罪悪感を感じてしまいます。

それは「国家財政」についても同じで、コロちゃんは「赤字国債」で予算を編成する国をいつも苦々しく思っているのですよ。

だって、その「赤字国債」を返済するのは、コロちゃんの孫世代や子孫たちですよ。絶対、その子どもたちは大人になった時に、先祖を恨みますよ。

そんなわけで、最近「政治の世界」で取りざたされている「国民民主党」の「所得税の控除額を103万円から178万円に増額する減税」について、ちょっと書きたいと思いますね。

2.「7.8兆円のバラマキになるよ」

「国民民主党」が、今回主張し「自民党・公明党」に丸のみさせようとしている「年収103万円の壁の対策」とは、「所得税の控除額を103万円から178万円に引き上げる減税政策」です。

その理由としては「賃金が上昇する中で累進課税の税負担が増えていること」をあげているようですが、コロちゃんはこの「政策」の問題点を二つ指摘したいと思いますよ。

➀「財源が心もとない」

「国民民主党」が財源として挙げているのは以下と報じられています。

❶「税収の上振れ」
❷「予算の使い残し」
❸「外国為替資金特別会計の剰余金」

なんだなんだ、「❶税収の上振れ」と「❷予算の使い残し」なんか「安定財源」にはならないよね。毎年どうなるかは分からないし、ちょっと景気が落ち込んだらマイナスもあるでしょ。

それに「❸外国為替資金特別会計の剰余金」は、確か来年からの「防衛費の増額の財源」に予定されていましたよ。早いもの勝ちだったら「防衛費が優先」ですよ。

もし今回の「国民民主党」の主張を「自民党」が丸のみして実施された場合は、「税金の減収額は7.8兆円になる」とか「地方自治体の個人住民税だけで4兆円程度の減収」と報じられています。

そんな「7.8兆円の財源」を毎年手当てするって、上記の❶~❸の説明では難しいと思いますよ。

➁「高所得層ほど手厚い減税となる」

報道では「国民民主党」は下記のような計算を発表しています。

◎「減税額」

❶「年収200万円 :8.6万円」
❷「年収300万円 :11.3万円」
❸「年収500万円 :13.2万円」
➍「年収600万円 :15.2万円」
❺「年収800万円 :22.8万円」
❻「年収1000万円:22.8万円」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA081HR0Y4A101C2000000/
(出典:日経新聞:国民民主「103万円の壁、基準上げれば消費活性化」より:11月9日利用)

上記の他に「政府試算」では「年収2300万円では減税額約38万円」とも発表されていますね。

うーむ、これを見ると「年収2300万円の世帯」に減税のプレゼントを「贈る必要があるの?」と言いたくなりますね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

コロちゃんは、自分とこに「減税のプレゼント」がないから文句言っているわけじゃないですけど・・・ん? 

あれれ? 何でコロちゃんとこにないの? この政策は「貧しい世帯」には恩恵がないんじゃないの?
(。・_・?)アレレ?

3.「住民税非課税世帯に減税はないよ」

今の「日本」で、一番貧しく支援が必要とされている方は「生活保護世帯」でしょう。「生活保護の世帯数・人数」は、2024年5月現在で165万世帯・201万人となっています。

その次に「支援が必要」とされている方たちに、「住民税非課税世帯」があります。上記の「生活保護世帯」も含まれますね。

この「住民税非課税世帯」の公式なデータは無いようですよ。

コロちゃんは、ネットであちこちをずいぶん調べたのですが、各地方自治体の管轄なので全国の統一した「住民税非課税世帯」をまとめた資料は見つかりませんでした。

しかし、昨年2023年の「岸田前総理」の「1人あたり4万円の定額減税」と「住民税非課税世帯に対しては10万円を給付する政策」の発表時に、「住民税非課税世帯数」が発表されています。

その時に報道された「住民税非課税世帯の世帯数と人数」は下記でした。

①「住民税非課税 世帯数  1500万世帯」
②「住民税非課税 世帯人数  2500万人」
③「住民税非課税 高齢者人数 1300万人」

結構人数が多いんですよね。「世帯人数2500万人」は、国民5人に1人になります。

これらの方々は「税金」を払っていませんから、当然「今回の国民民主党の103万円の壁対策の減税」の恩恵は一切ありません。

そうなんですよね。今回の「国民民主党の減税策」は、「日本社会」の「低所得層」には一切恩恵がない、社会の「中流層・上流層の方たち」へのプレゼントになっているのですよ。

4.「コロちゃんは日本の社会をこう見ています」

それでは、コロちゃんが今考えている「現在の日本社会の姿」をご紹介しますね。

コロちゃんは、簡単に日本の社会を「貧乏・中流・お金持ち」と分けているのです。その割合は、以下だと考えていますよ。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「内閣府 所得階層別の世帯数の割合」より

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/1101/shiryo_01.pdf
出典:内閣府 経済財政諮問会議 足下の経済状況と今後の課題より(11月8日利用)

上記のグラフは、「内閣府の経済財政諮問会議」が発表した「所得階層別の世帯数の割合」です。「所得別」に4グループになっています。下に書き出しますね。

◎「所得階層別の世帯数の割合」(少数点以下切り捨て:階層区分はコロちゃんの見解です)

➀「300万円未満  :35%」貧乏層
➁「300~550万円 :27%」中流層
③「500~950万円 :21%」中流層
④「950万円以上  :15%」お金持ち層

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/1101/shiryo_01.pdf
(出典:内閣府:経済財政諮問会議:足下の経済状況と今後の課題より:11月8日利用)

うーむ、「貧乏の世帯数の割合」がわかるならば、全世帯数から「貧乏世帯の数」がわかりますね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

現在の「日本の世帯数は5873万世帯※」ですね。これから上記の「所得階層別の世帯数の割合」で、「お金持ち・中流・貧乏」世帯数を計算してみましょう。

(※総務省:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数:令和6年1月1日現在:より)

◎「日本の階層分布数」

❶「貧乏世帯数  :2055万世帯」
❷「中流世帯数  :2819万世帯」
❸「お金持ち世帯数:880万世帯」

ほうほう、コロちゃんはもちろん「❶貧乏世帯数:2055万世帯」に入っていますけど、「❷中流世帯数819万世帯」の方が、「貧乏世帯」よりも多いのですね。
φ(゚ー゚〃)ホォホォ

ざっくり見ると「貧乏・中流・お金持ち」で「3割強・5割・1割強」って感じですね。

日本社会を俯瞰すると「❷中流世帯数:2819万世帯」がボリュームゾーンです。

しかし「❶貧乏世帯数:2055万世帯」が、同じ2000万世帯台まで迫っています。

この「❶貧乏世帯数:2055万世帯」には、今回の「国民民主党の減税の恩恵」はないんですよね。次にこの点を考えてみましょう。

5.「選挙は支持層に刺さる政策が命です」

「国民民主党」が、先日の「衆議院選挙」で主張した政策に「国民の手取りを増やす」がありました。

今日取り上げた「国民民主党の103万円の壁対策の減税策」も、「国民の手取りを増やす政策」の「1丁目1番地」でしょう。

今回の「衆議院選挙」で「国民民主党」が、大きな勝利を治めたのも上記の「国民の手取りを増やす政策」が、多くの国民の心に刺さったのだと思われます。

しかし、この政策で「利益を得る対象層」はどのような層でしょうか。

上記で「経済財政諮問会議」の資料からコロちゃんが計算した「日本の階層分布数」を、もう一度見てみましょう。

◎「日本の階層分布数」

❶「貧乏世帯数  :2055万世帯」
❷「中流世帯数  :2819万世帯」(ボリュームゾーン)
❸「お金持ち世帯数:880万世帯」

これを見ながら、今回の「国民民主党の103万円の壁の減税」の恩恵を受けられない「住民税非課税世帯数」を、また下記で見てみましょう。

◎「住民税非課税世帯の世帯数と人数」

①「住民税非課税世帯数:1500万世帯」
②「住民税非課税世帯人数:2500万人」

上記の二つのデータを比べてみると、以下のことが分かりますね。

◎『「❶貧乏世帯数:2055万世帯」の中の「➀住民税非課税世帯数:1500万世帯」には「103万円の壁減税」の恩恵はない』

◎「103万円の壁減税」は、主に「❷中流世帯数:2819万世帯」+「❸お金持ち世帯数:880万世帯」に恩恵がある。所得が高いほど恩恵は大きい」

◎「「103万円の壁減税」は、一番恩恵が感じられる「❷中流世帯数:2819万世帯(ボリュームゾーン)」の心に刺さるアピール力があった」

上記の3点は、コロちゃんの見解です。

しかし、選挙とはそもそも「言葉がどれだけの多くの国民の心に刺さるか」を争うものです。

そう考えると、今回の「国民民主党」の「手取りを増やす」と「103万円の壁減税」は、「❷中流世帯数:2819万世帯(ボリュームゾーン)」の利益と心に刺さるものであったと思われますよ。

この様に見ていくと、「立憲民主党」や「共産党」の政策は、「❶貧乏世帯:2055万世帯」を対象としたものが多かったと思われますね。

だから「❷中流世帯 :2819万世帯(ボリュームゾーン)」からは受け入れられなかったのでしょう。

だけど、コロちゃんはこの「103万円の壁減税」は「バラマキ」だと思いますよ。

そこで思い出したのが、昨年2023年に行なわれた「岸田元総理の4万円減税+住民税非課税世帯へ10万円給付」です。

あれも「バラマキ」でしたよね。ただ、今から思えば「住民税非課税世帯10万円」があるだけ「貧乏人にやさしい」ものでしたね。

それに「所得が多い方の方が多い」と言う事も無かった(4万円定額減税)ですから、まだ今回の「103万円の壁減税」よりマシだったのかなー?

何とも「不毛なバラマキ比べ」ですよね。

6.「財源はどうするの?」

さて、最初にちょっと触れましたけれど、この「国民民主党の年収103万円の壁対策」の財源を考えてみましょう。

あい丸々実施された場合の「税金の減収額は7.8兆円になる」と報じられていますね。その「財源」はなんともこころもとないものばかりです。

そもそも「所得控除」とは1年限りのものではありません。普通は長年に渡って続けられるものです。そりゃそうですよね。1年限りでは「現金バラマキ」と同じことになります。

「国民民主党」が「財源」としている「❶税収の上振れ」や「❷予算の使い残し」や「❸外国為替資金特別会計の剰余金」は、毎年あるかどうかわからないものばかりですね。

コロちゃんは「清貧ライフ」をおくっていますから、何か大きな支出がある時には直ぐに家計の中の「財源(年金額)」が頭に浮かぶのですよ。

ちょっとここで「日本の借金額」を見ておきましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「財務省 普通国債残高の累増」より

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm
出典:財務省 わが国の税制・財政の現状全般  財政に関する資料より(11月8日利用)


上記のグラフは、「財務省」が発表した1965~2024年の「日本の国債残高」です。一言で言うと「社金の残高」ですね。

戦後の「日本」が初めて「国債」を発行したのは、1965年の2000億円でした。前年の東京オリンピックの後の不況対策でした。

それから年々「国債発行」は増え続けました。その後の累積額は以下の通りです。

◎「国債発行残高」

➀「1975年 : 15兆円」
➁「1985年 :134兆円」
③「1995年 :225兆円」
④「2005年 :527兆円」
⑤「2015年 :805兆円」
⑥「2024年:1105兆円」

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a02.htm
(出典:財務省 わが国の税制・財政の現状全般  財政に関する資料より(11月8日利用)

凄い増え方ですね。右肩上がりですが、だんだん急角度に上昇していますよ。
(゚0゚)スッゴッイ!

「給料」が増えるのは嬉しいですけど、「借金」が増えるのは全く困りものですよね。しかも、この借金を返すのは、後の世代ですからね。コロちゃんの孫・子以降の世代でしょうね。

「財務省」の発表によると、最新の2024年6月末時点での日本の「借金総額」は、「1311兆421億円」にのぼるそうですよ。

これだけの「借金」を抱えながら、「安定財源」を示さない「国民民主党の103万円の壁減税」には、コロちゃんはちょっと無責任だと思っていますよ。

7.「日本でもポピュリズムが拡がるのか?」

これはコロちゃんの視点なのですが、現在の「世界の情勢」はどんどん複雑化してきていると考えています。

かつての1950~1980年代の世界は、「民主主義陣営」と「共産主義陣営」の二つにハッキリわかれていました。

「日本」は、躊躇なく「民主主義陣営」に所属していればよかったわけですね。とてもわかりやすかったのですよ。

ところが、現在では「安全保障」では「アメリカ側」に所属し、「経済」では「中国」と切っても切れない関係を保たなければならなくなりました。

かつてのように「共産主義は悪、民主主義は善」とスッキリ分けられなくなりました。

そして「ウクライナ戦争」はともかくとして、「ガザ紛争」などでは、どちらが「善・悪」とは決められずに、専門家があれこれ「複雑な事情や歴史的背景」を語るようになっています。

そのように「世界が複雑化する」と、多くの庶民は「国内ではスッキリしたい」となるのではないでしょうか。

それが、現在世界を席巻しようとしている「国内政治のポピュリズム化の進行」だと言うのがコロちゃんの視点です。

一言で言えば「世界が複雑化」したために、「国内は単純化を求めた」ですね。

みんなは、せめて「国内ではスッキリした政策・分かりやすい政策」を望むようになるのですよ。そう考えれば、今回の「国民民主党の手取りを増やす」との言葉は、実に分かりやすいですね。

「ポピュリズム」とは、「 大衆からの人気を得ることを第一とする政治思想や活動」とされています。

そのような観点から見れば、「年収103万円の壁減税」の「財源は?」などは、多くの大衆は聞きたくないのですよ。

ましてや「103万円の壁減税」が、「中間層以上へは恩恵があるが、貧乏層には恩恵がない」なども聞きたくないのでしょう。

そのように見れば、アメリカの「トランプ大統領当選」の「ポピュリズムの旋風」は、「日本でも起きている」とコロちゃんは考えていますよ。

8.「コロちゃんと選挙」

コロちゃんは、若い頃には「選挙」で投票したことはありませんでした。それよりも「やりたい事」を優先していましたね。

コロちゃんの周りには、同じように投票に行かない若者たちが沢山いましたから、若者の投票率が低いのは、昔も今も変わらないと思われますよ。

それが、歳を重ねて「必ず投票に行く」ようになった理由は、「無投票は信任投票」なのだと考えるようになったからです。

皆さんは、もう覚えていらっしゃらないかも知れませんが、2000年に「森元総理」は、以下の発言をなさっていました。

「(無党派層は)選挙に行かないで寝ていてくれればいい)」by森元総理

「自民党」は、確実に投票に行く「岩盤支持層」がありますから、なるべく「無党派層」には投票に行ってほしくないのですよ。

だからコロちゃんは「投票をしないのは現職への信任投票だ」と考えることにしたのですよ。

そしてもう一つの理由は「世の中の流れ」の見方です。

若い時には「俺の1票で当落が決まるわけではない」と考えていましたが、その後は「1票が世の中の流れの一部となる」と考えるようになりました。

コロちゃんは、1970年代初頭に20歳になってから、数多くの「国政選挙」を見てきました。コロちゃんは、自分が投票に行かなくとも「選挙結果」には興味があったのですよ。

それらの「国政選挙」の中には、結果を見て驚くような「風が吹いた選挙」もありました。

近くは「2012年の安倍自民党の勝利」や「2009年の民主党政権誕生」もありましたし、それ以前では「1989年の土井たか子委員長のマドンナ旋風」などもありましたね。

それらを、リアルタイムに見ていたコロちゃんは、「いつ風が吹くかはわからない。いつ自分も風の1票になるかはわからない」と、考えるようになったのですよ。

だから今回の「衆議院選挙」も、コロちゃんはキチンと「投票所」へ足を運びましたよ。ワンコと一緒にですけどね。ただワンコには「投票犬」はありませんでした。

あ、間違った「投票犬」じゃなくて「投票権」でしたよ。
(゚Д゚)アッ、マチガエタ

今日は「バラマキと財源」を巡る「国民民主党の103万円の減税政策」について、その内容とコロちゃんの考察を書いてみました。

それと「日本社会の構造をどう見ているのか」のコロちゃんの捉え方と、「ポピュリズム」の考察を続けました。

最後の「コロちゃんと選挙」はおまけです。ギャグで〆ましたが、笑ってもらえると嬉しいですね。

えっ、寒かったって?
:;((•﹏•๑)));:サムイ

それはゴメンなさい。
(;・д・)ノあ、ごめん

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい

Artur PawlakによるPixabayからの画像


いいなと思ったら応援しよう!