【社会考】「ゆるブラック」って何のこと?
0.「今日の記事のポイント」
今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。
☆「ゆるブラックって初めて聞いた言葉だよと、新入社員は、働き方は人並みで十分だし私生活中心だよ」
☆「OJTは減っているのかと、みんながリスキリングを推奨するよ」
☆「若者はいつの世でも不満を持っているよと、ゆるブラックと若者の不満」
☆「コロちゃんとお仕事の記憶」
1.「ゆるブラックって初めて聞いた言葉だよ」
コロちゃんは、新聞記事で「ゆるブラック」の記事を読んで、初めてこの言葉を知りました。
報道によると「ゆるブラック」と言う言葉は、「残業が少なく労働環境は整っているけれど、やりがいや成長実感がわかない企業」を指すようですね。
コロちゃんに言わせれば「残業時間が短く、サービス残業はなく、時間外・休日・深夜手当などがしっかり支払われている職場」は、理想の職場のように思いますが若者はそう受け止めないようですね。
ではどのように感じているのかと言うと、「スキルやキャリアを高めづらく、士気の低い職場だ」と受け止めていると記事では示唆しています。
「毎日同じ仕事を繰り返し、責任ある仕事を任せられることもない」ために、キャリアアップ出来ないと感じているというのです。
いやいや、「仕事」なんかそういうものでしょう。
「毎日同じ仕事を繰り返す」から、習熟できるんだし、新人が最初から「責任ある仕事」を任せられるわけはないでしょう。
なんか、コロちゃんは自分が「昭和の遺物」のように思えてきましたね。
新聞報道の小見出しでは、以下の文言が踊っていましたよ。
◎「ゆるブラックにご用心」
➀「人事評価の基準見えない」
➁「移動まで10年成長に不安」
➂「同世代の活躍SNSで焦り」
「ゆるブラック」去った20代の本音、好待遇でもなぜ転職? - 日本経済新聞 (nikkei.com)
(出典:9月19日経新聞より:9月23日利用)
この記事には、「社員の口コミが読める転職サイトオープンワーク」の協力を得て集計した結果「、半数近い企業にゆるブラックの傾向があった」と書かれてましたね。
そこでコロちゃんがこの記事を読んでの感想を書きたいのですが、この記事の「ゆるブラック6680社の投稿分析」として、下記の項目が記載されていました。
◎「ゆるブラック投稿分析」
➀「以下は全企業平均よりも低い」
・「20代成長環境」
・「人事評価の適正化」
➁「以下は全企業平均よりも高い」
・「法令順守意識」
「ゆるブラック」去った20代の本音、好待遇でもなぜ転職? - 日本経済新聞 (nikkei.com)
(出典:9月19日経新聞より:9月23日利用)
コロちゃんは、この➀➁の「投稿分析」から、この記事は「20代のやる気のある若者をの賃金・地位を、もっと早く引き上げろ」との記者の思考回路が透けて見えるように思ったのです。
つまり、この記事の「背景」にある新聞記者の思考は、「新卒一括採用で昇進は横並びのメンバーシップ雇用」から、「能力のある社員を優遇するジョブ型雇用」へと変えるべきだとの価値観ですね。
もっとも、これはコロちゃんの勝手な感じ方ですので、違っているかも知れません。
しかし、コロちゃんはこの「ゆるブラック」への不満が20代の若者たちに広く渦巻いているとは、どうも腑に落ちないんですよね。
そんなに今の20代の若者たちが、「仕事に意欲的でやる気満々」とは信じられないのですよ。
これは「投稿サイトの口コミ分析」ですから、不満のある一部の若者の声ばかりが強調されて発信されているという可能性はないのでしょうか。
2.「新入社員は、働き方は人並みで十分だし私生活中心だよ」
コロちゃんが、新入社員の動向を調査した資料がないかと、あちこちをポチポチと調べていましたら、2019年度の新入社員1792人を対象にした「日本生産性本部」の調査結果を見つけました。
これは「働くことの意識調査」と題されていますね。
この新入社員の「意識調査」は、1969年度より年一回実施しているもので、今回で51回目を数え、この種の調査ではわが国で最も歴史のあるものとされていますね。
その中でコロちゃんが気になった2点をご紹介しますね。下に書き出します。
➀「働き方は人並みで十分が増えているよ」
最初にみるところは「新入社員の働き方」についての意識です。答えは「働き方」が「人並み以上」と「人並みで十分」の2択です。
◎「働き方は『人並みで十分』か『人並み以上に働きたい』か?」
➀「2013年度:人並み以上42.7%:人並みで十分49.1%」
➁「2014年度:人並み以上40.1%:人並みで十分52.5%」
➂「2015年度:人並み以上38.8%:人並みで十分53.5%」
④「2016年度:人並み以上34.2%:人並みで十分58.3%」
⑤「2017年度:人並み以上34.9%:人並みで十分57.6%」
⑥「2018年度:人並み以上31.3%:人並みで十分61.6%」
⑦「2019年度:人並み以上29.0%:人並みで十分63.5%」
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/R12attached.pdf
(出典:日本生産性本部:平成31年度 新入社員「働くことの意識」調査結果より:9月22日利用)
上記の結果を見ると、2013年度以降の「新入社員の意識」は、一貫して「人並みで十分」が優勢となっていて、2019年度の調査結果では「人並み以上」との差が「34.5㌽」と開いています。
この「34.5㌽差」は、調査開始以来最大との記載がありますね。
そして「人並み以上」が最大だった年は、上記の中では「①2013年度:人並み以上42.7%」です。その後の2019年度には13.7㌽も減少しています。
これを見た限りは、「新入社員」の多くは「ゆるブラック不満」を感じているとは、コロちゃんには思えませんね。
なお、この調査の記載では「景況感や就職活動の厳しさによって『人並み以上』と『人並みで十分』が相反した動きを見せる」としています。
「景気が良く」て「就職活動が容易な時」には、「人並みで十分」が増える関係にあるとしていますね。
ということは、「景気が悪くて、なかなか就職できない年」には、「やる気がある(人並み以上)」が増えるということみたいですね。
これは若者たちが「厳しい競争を潜り抜けてやっと就職できたのだから頑張らなきゃ」と考えるからかもしれませんね。
だけど、原因はそうかもしれませんけれど、結果は「⑦2019年度:人並みで十分63.5%」です。
現在の新入社員が「ゆるブラック価値観」を持っているとは、コロちゃんには思えませんよ。もう一つ「仕事中心」か「(私)生活中心」かを見てみましょう。
➁「私生活中心が仕事中心のほぼ3倍いるよ」
この「仕事中心」か「(私)生活中心」設問への回答は、グラフは掲載されていますが、毎年の数値は全部記載されていませんので、記載がある2019年の分を下に書き出します。
◎「仕事中心か私生活中心か:2019年」
〇「仕事中心6.0%:私生活中心17.0%」
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/R12attached.pdf
(出典:日本生産性本部:平成31年度 新入社員「働くことの意識」調査結果より:9月22日利用)
グラフを見ると、2014年以降で「私生活中心」が急上昇していますね。
そして2019年の調査結果は、「私生活中心17.0%」の方が、「仕事中心6.0%」を「11.0㌽」も上回っています。「私生活中心」が、ほぼ3倍ですね。
上記のような「新入社員」の調査結果を見ると、現在の20代の若者たちの多くが「仕事でやる気満々」だとは、コロちゃんにはとても思えませんよ。
コロちゃんは、冒頭の「ゆるブラックへの不満」の背景には「OJTの削減・少なさ」があるのではないかと思っていますね。
3.「OJTは減っているのか?」
コロちゃんは、以前に「日本企業のOJT・OFFJT※」が減っていることを取り上げたことがありました。この「OJT・OFFJT※」とは、以下のことです。
(※OJT〈On the Job Training〉は、新入社員や業務未経験者などに対して、社内で必要な技術やノウハウを教育・育成する方法)
(※OFFJT〈Off-the-Job Training〉は、社外で時間や場所を取って行う教育や学習方法)
上記のように「OJT」は、「社内で勤務時間中に行なわれる教育訓練」ですね。そして「OFFJT」は、「社外で勤務時間中に行なわれる教育・訓練」になりますね。
どちらも「勤務時間中に行なわれる」のが、「リスキリング」との違いですね。
コロちゃんは、「日本の生産性の低下」には、この「日本企業のOJT・OFFJT時間の低下」が一因としてあるのではないかと疑っているのですよ。
➀「OJT実施率は1997年がボトム(50%)だよ」
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。
「内閣府 教育訓練実施率」より
上記のグラフは、「内閣府」が発表している1986~2003年の「教育訓練実施率の推移」です。
「赤色の実線が計画的OJTの実施率」で、「青色の点線がOFF-JTの実施率」です。
どちらのラインも、大きく谷を描いて「計画的OJT」は、1997年に「30%前後」でボトムを付けています。
そして「OFF-JT」の方は、2002年に「50%前後」でボトムを付けていますね。
この「大きく低下した1990年代」は「バブル崩壊後から金融危機が起きた時代」です。その時に「多くの日本企業」が一斉に「OJT、OFF-JT」を削減したのです。
その理由は簡単ですよね。「バブル崩壊後」の「3つの過剰(雇用・設備・債務)」の削減の一環として「日本企業」は一斉に「OJT・OFF-JTの削減」に走ったのですよ。
上記のグラフでは2003年までの記載しかありませんが、その後も見てみましょう。
➁「OJT実施率は60%で横ばいだよ」
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。
「経済産業省 計画的なOJTを実施した事業所の割合の推移」より
上記のグラフは2008~2021年の「計画的なOJTを実施した事業所の割合の推移」です。
上の青色ラインが「全産業の正社員」の「OJTを実施した事業所の割合の推移」です。
ラインは「60%前後」とほぼまっすぐです。この13年間の間に60%前後で推移していて増えていないんです。
「日本企業」は、1970~1980年代は活発に「OJT、OFFJT」を行なっていましたが、1990年代に大きく削減して、それ以降はやや上昇しましたが、未だに1980年代の水準に届いていません。。
なお、直近の2022年のデータでは、「OJT実施事業所は60.2%(正社員)」、「正社員以外に対して実施した事業所は23.9%※」となっていますね。
(※厚生労働省:令和4年度能力開発基本調査より)
比較するために下に書き出しますね。
◎「正社員:計画的なOJT実施事業所割合」
➀「2008年度:59.4%」
➁「2013年度:59.4%」
➂「2018年度:62.9%」
④「2021年度:59.1%」
⑤「2022年度:60.2%」
◎「正社員以外:計画的なOJT実施事業所割合」
➀「2008年度:23.8%」
➁「2013年度:28.6%」
➂「2018年度:28.3%」
④「2021年度:25.2%」
⑤「2022年度:23.9%」
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/pdf/honbun_1_2_2.pdf
(出典:経済産業省 ものづくり人材の能力開発の現状より:9月22日利用)
(出典:2022年度分は、厚生労働省:令和4年度能力開発基本調査より引用:9月22日利用)
ざっと上記を見ると、「正社員のOJT実施事業所割合」は60%程度で推移しており、「正社員以外のOJT実施事業所割合」は20%台半ば程度で「正社員の半分以下」ですね。
この事実と、上記の「ゆるブラックへの不満」を合わせて考えると、「向上心のある一部の若者たち」は、現在の職場の環境に物足りないのでしょう。
そして「私生活を優先とする若者たち」は、むしろ現在の「ゆるブラック環境」に適応しているのではないでしょうか。
➂「日本のOJTは国際的にも少ないよ」
世界中どこの国の方でも、「学ぶことをやめれば生産性は上がらない」のです。当たり前のことです。
下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。
「厚生労働省 OJTの実施率の国際比較について」より
上記のグラフは、「厚生労働省」が発表している「OJT実施率の国際比較」です。23ヵ国が記載されていますね。
左が「男性のOJTの実施率」で、右が「女性のOJTの実施率」です。
「日本」は23ヵ国中で、「男性は18位で、女性は19位」です。
OECDには現在38ヵ国が所属していますが、日本はその諸国の平均以下の数値です。同じ東アジアの「韓国」よりも「日本」は下なのですよ。
4.「みんながリスキリングを推奨するよ」
「岸田総理」は、もうお辞めになることが決まっていますが、「政府の方針」は一度決めたらよほどのことがない限りそのまま進められるでしょう。
「政府」は、今年の6月に「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2024)」を閣議決定しています。
この中には「リスキリングによる能力向上支援」と言う項目が入っていました。その内容は、以下の通りです。
➀「教育訓練講座を受講した時の給付金の支給」
➁「教育訓練中の生活を支える為の給付金制度の創設」
➂「経営者5000人に『経営学修士(MBA)』で学ぶような経営知識や戦略的思考法を身につけてもらう制度創設」
④「3000人を対象にリ・スキリングプログラムを創設する」
コロちゃんが、ざっと「骨太の方針」見た限りでは上記のような内容でしたね。
なおこの「内閣府」が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2024」を読んでみたい方は、下記のクリックをお願いします。全部で57ページありますよ。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2024/2024_basicpolicies_ja.pdf
上記のように「政府」は「リスキリング」を、強く推奨しています。また「経団連」も、「リカレント(※)・リスキリング」を声高に発信していますね。
(※リカレント:学校教育を離れた後も、必要なタイミングで教育を受け、就労と教育を繰り返すこと)
さらに「経済同友会」も、2022年に「日本リスキリングコンソーシアム」を設立して、国や地方自治体、民間企業が一体となってスキルをアップデートしようと呼びかけています。
これらを見て行くと、「政府・財界・企業」が一体となって「リスキリング」を推進しようとしています。
だけど、コロちゃんは思うんですよね。「何で勤務時間中に会社の負担でやらないの?」って。
だって「スキルアップ」すれば、一番利益を得るのは所属する「企業」でしょう?
だったら、一番利益を得る「企業」が負担を負うのは当たり前のことじゃないでしょうか。
元々「日本の企業」では、社内教育で「スキルアップ」や「アップデート」をやっていたのですよね。それは1980年代の「OJT実施率」を見ても分かりますよね。
それが、1990年代の経済危機の中で削減されて、現在は60%程度に上がってきていますが、それでも以前の水準には戻っていないですよね。
それに増え続ける「非正規雇用」への「OJT」は、「正社員」の半分以下ですよね。これを上げるなりすれば「最大のリスキリング」になるのではないでしょうか。
それに、社内教育で「OJT」を行なえば「ゆるブラック」との不満も無くなるんじゃないかと、コロちゃんは思っていますよ。
だって「社内OJTで待望のスキルアップ」が出来るのですからね。
5.「若者はいつの世でも不満を持っているよ」
ここまで書いて来て、コロちゃんは今の若者たちは「世の中に不満を抱いているのだろうか?」と思いました。
コロちゃんが若い頃の若者たちは、「怒れる若者」たちでよく爆発していましたよ。そういえば、コロちゃんが20代の若い頃に読んだ本で「恐るべき子供たち※」と言う本がありましたね。
(※恐るべき子供たち:1929年:ジャン・コクトー:コミック:1979年:萩尾望都)
この本は、当時の若者たちの間で広く読まれていましたよ。
後に「萩尾望都」がコミック化していましたね。コロちゃんは両方読んでいますよ。と言うか「コミック」は持っていましたね。断捨離で処分しましたけれど。
コロちゃんが若かった1970年代の若者たちは、大きな不満を持っていましたよ。だけど、それはいつの世でも同じじゃないかとコロちゃんは思っています。
むしろ「若者がおとなしい社会」は、活力が無くなった社会ですから、その方が「将来が不安」ですよ。
そこでポチポチと「若者の意識」を探してみると、「内閣府」の以下の「世論調査」を見つけました。
➀「20代・30代の若者の6割が不満だよ」
それでは「内閣府」が毎年全国の3000人を対象に行なっている「社会意識に関する世論調査」を見てみましょう。下記ですよ。
◎「内閣府:社会意識に関する世論調査」
〇「社会全体の満足度:満足していない」
➀「18~29歳:あまり満足していない40.8%+満足していない17.9%=58.7%」
➁「30~39歳:あまり満足していない39.8%+満足していない24.7%=64.5%」
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-shakai/gairyaku.pdf
(出典:内閣府:社会意識に関する世論調査:令和5年11月調査:9月23日利用)
あらら、20代の不満が多いと思ったら、30代はもっと多かったですよ。
ふーむ、それではどんなことに若者たちは不満を抱いているのでしょうか? それも見ておきましょう。
➁「不満は経済的ゆとりがないことだよ」
それでは次に「満足していない点」を聞いてみましょう。上位3位まで書きますね。
◎「内閣府:社会意識に関する世論調査」
〇「現在の社会において満足していない点は何か?」
➀「経済的なゆとりと見通しが持てない:63.2%」
➁「子育てしにくい:28.6%」
➂「若者が社会での自立を目指しにくい:28.9%」
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-shakai/gairyaku.pdf
(出典:内閣府:社会意識に関する世論調査:令和5年11月調査:9月23日利用)
なお、上記の「ゆるブラック」と関係がありそうな「働きやすい環境が整っていない:25.8%」は5位で、「向上心・向学心を伸ばしにくい:9.5%」は11位でしたから多数派とは言えませんね。
コロちゃんは、この世論調査の結果を読んで、一安心しましたよ。まだまだ「日本」は、若者が不満を持つ活力がある社会だと思ったのですよ。
6.「ゆるブラックと若者の不満」
上記のように、現在の企業社会の中で「ゆるブラック」と言う若者の不満が出て来ていることを見てきました。
コロちゃんは、この背景には「政府・企業」が、個人の「リスキリング」は奨励しながら、「企業の勤務時間中」の「OJT・OFFJT」を削減していることに原因があるのではないかと思っているのです。
その理由の一つは「働き方改革」などによる「労働時間の削減」にあるかと思われますね。企業が一番削減しやすい所は、目の前の利益と直接結び付きにくい「OJT.OFFJT」でしょう。
しかし、そんなことをすれば、「長期的な生産力」が落ち込んでしまいます。それも「失われた30年の原因の一つ」なのではないでしょうか。
「世論調査」などを見ると、社会への不満が「20代の若者」だけではなく、「30代の方たち」にも拡がっているようにも見えます。
いずれ、企業も社会も、それと正面から向かい合わなければならなくなるように思えますよ。
7.「コロちゃんとお仕事の記憶」
コロちゃんはもう「お仕事」から退職して10年も経っていますが、今から振り返れば「ブラックな働き方」をしていましたね。
時代はちょうど1980年代後半の「バブル経済」の真っただ中では、残業を厭わずに長時間労働を続けていました。
「日本」で、それまでの「週48時間労働」が、「週40時間労働」に短縮されたのは1994年です。しかし「経過措置」が1997年までありました。
労働現場に「週40時間労働」が浸透したのは、それよりも遅れて2000年代に入ってからでしたね。
コロちゃんは、いつもその時点の「労働時間」の上限ギリギリまで働いていましたね。それは「生活費」を稼ぐためでしたよ。
だから他の方が休みが欲しい「お盆と正月」は、よく勤務を代わってあげたものでしたよ。その方がコロちゃんの「手当」が増えますからね。
それに「スキルアップ」は、特に注力しましたよ。
成績の良い先輩の研究を行なったり、教えを請うたり、努力をすれば「給与アップ」につながりますから、一生懸命に行ないましたよ。
だからコロちゃんは、冒頭の「ゆるブラック不満」の気持ちは、よくわかるのですよ。しかし「同世代の活躍SNSで焦り」には、気にすることはないと伝えたいですね。
コロちゃんが一生懸命努力したのは「家族の生活」のためでしたよ。決して周りと比較して上でありたいというような優越した気持ちなどは一切ありませんでした。
働くのは「自分のため」、スキルアップも「自分のため」、決して他の方と比較するためではありません。
コロちゃんは、そう考えた方が「生き方が美しい」と自分では思っていましたよ。
この「美しい」と言う概念ですが、コロちゃんは生き方には「美しいと美しくない」の二通りがあると考えていたのです。
例え、頭を下げようと、土下座しようと、目的が正しければ「美しい」と考えたのがコロちゃんでした。
そして、生きる上では「自分を殺す場面」も必ずどこかであります。お仕事でミスをして上司に怒られている時などがその典型的な場面ですね。
その時には、徹底して頭を下げて誠心誠意謝りつくすのが「美しい生き方」だと、コロちゃんはいつも考えていたのですよ。
今日は、ちょっと最後に話がずれちゃいましたが、コロちゃんは現在の若者たちにエールを送るつもりで、自分の恥ずかしい経験をお披露目しましたよ。
どこかで、皆さんの参考になれば幸せですよ。ここまで読んでくれた方たちに感謝をしますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。