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【経済考】今年の「年金は1.9%」アップだよ.

0.「今日の記事のポイント」

☆「今年の年金の賃上げ額(改定額)の扱いが小さいよと、今年の年金改定率は1.9%アップだよ」

☆「マクロ経済スライドという悪魔の手が伸びているよと、基礎年金底上げプランは年金減額プランだよ」

☆「マクロ経済スライドの年数が10年間も伸びているよと、物価上昇が今後も続くのかな?」

☆「物価に負ける年金改定率をいつまで続けるのか?と、コロちゃんと年金生活」

1.「今年の年金の賃上げ額(改定額)の扱いが小さいよ」

コロちゃんが、朝コーヒーを飲みながら新聞をバサバサ読んでいると「年金額、物価より伸び抑制」という見出しが目に入りました。

これは「今年の年金の賃上げ額(改定額)」の発表なのですが、何と扱いが小さいのですよ。
c(・。・)チッチャイヨ

コロちゃんが読んでいるのは「日経新聞」なのですが、この「年金改定額の発表」は「5面の一角」で、しかも左上のコマです。

「新聞」は右上からが1番読まれるポジションですから、「年金の賃上げ(改定額)」の扱いは目立たないとしか言いようがないですね。

さらに「1面」ではなく「5面」ですからね。多分、多くの皆さんも「この記事」に気が付かないで、スルーしてしまっているでしょうね。

しかし、「コロちゃんの清貧ライフ」にとっては、「年金の賃上げ(改定額)」こそ「生活の命綱」です。

コロちゃんは、この「年金改定額(賃上げ額)」の発表は、新聞の1面トップでも良いと考えていますよ。

何しろ「日本」の「重複のない年金受領者数は3978万人※」もいらっしゃるのですからね。

(※厚生年金労働局:令和5年度:厚生年金保険・国民年金事業の概況より)

なお、「日経新聞」のこの「年金額、物価より伸び抑制」の記事をお読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

2.「今年の年金改定額は1.9%アップだよ」

さて、やっと今年の「年金の賃上げ額(改定額)」の中身に入ることが出来ました。

「厚生労働省」が1月25日に発表した「年金改定額(賃上げ額)」は、今年の6月15日の「年金支給日」から実施されます。

今回「厚生労働省」が発表した今年の「年金改定額」は、以下となりました。

➀「年金の賃上げ(改定率)は1.9%アップだよ」

最初は、今年の年金の賃上げ額(改定額)です。

下記の表をご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 令和7年度の年金額の例」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001383981.pdf
出典:厚生労働省:令和7年度の年金額改定についてお知らせしますより:1月25日利用

上記の表は、「厚生労働省」が発表した「今年の年金の改定額(賃上げ額)」です。以下に書き出しますね。

◎「令和7年度:年金額の例:月額」

➀「国民年金」(満額)
・「令和6年度:6万8000円」(前年)
・「令和7年度:6万9308円」(+1308円)

➁「厚生年金(モデル年金※)」
・「令和6年度:22万8372円」(前年)
・「令和7年度:23万2784円」(+4412円)
(※モデル年金:40年間勤務の会社員の夫+専業主婦)

https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001383981.pdf
(出典:厚生労働省:令和7年度の年金額改定についてお知らせしますより:1月25日利用)

上記のように、ざっと「国民年金」では月1300円程の「賃上げ」で、「厚生年金」では月4400円の「賃上げ」となります。

「賃上げ率(改定率)」は、1.9%アップです。

昨年2024年の「年金賃上げ率(改定率)」は2.7%アップでしたから、昨年よりアップ率は下がりましたね。

コロちゃんは、「厚生年金」ですが「単身高齢者」ですから、上記の「令和7年度:23万2784円(+4412円):モデル年金」よりは、年金アップ額が低いです。

だいたい「月3000円台の賃上げ額(改定額)」となりますね。

コロちゃんは、不満でいっぱいですよ。だってこれでは「物価に負けて」ますからね。

しかし、この不満を書く前に、今回初めて発表となった「単身者の年金額予測」を見ておきましょう。下記ですよ。

➁「厚生年金の単身者の将来年金額を見てみよう」

「厚生労働省」は、今回の発表から「働き方に応じた男女別の受給水準の見通し」を初めて発表しています。

今までは「40年間勤務した会社員と専業主婦のモデル年金」しか発表してきませんでしたが、すでに「時代は未婚者・単身者の増加」へと進んでいます。

そこで「厚生労働省」は、やっと重い腰をあげて「単身男女の将来年金額」の予測を発表し始めたというわけですよ。

以下をご覧ください。

◎「厚生年金中心(20年以上)の単身男女の年金額:令和7年度月額」(1000円以下切り捨て)

➀「男性:17万3000円」
➁「女性:13万2000円」

https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001383981.pdf
(出典:厚生労働省:令和7年度の年金額改定についてお知らせしますより:1月25日利用)

さてお若い皆さん、もしあなたが「単身者で会社員」だったら、将来の年金額は上記の「➀男性:17.3万円」「➁女性:13.2万円」程度になる可能性が高いです。

この金額で「お一人様の高齢者」となった時に生活が出来るでしょうか?

参考までに、「総務省」が発表している一昨年の2023年の「単身高齢者」の生活収支を下に書き出しておきますね。

◎「65歳の単身高齢者の家計収支:月収支」(1000円以下切り捨て)

〇「実収入 :12万6000円」

〇「支出」
・「消費支出 :14万5000円」
・「非消費支出:1万2000円」(税金・社会保険料)
・「小計   :15万7000円」

●「毎月の不足分:3万1000円」

(※総務省統計局:家計調査報告 家計収支編:2023年平均結果の概要より)

繰り返しますが、上記で見た「厚生年金(20年以上)の男女の年金額」は、「➀男性:17.3万円」「➁女性:13.2万円」程度です。

また、一昨年の2023年の「単身高齢者」の家計収支は「月15.7万円」ほどかかっており、「毎月3.1万円」の赤字が出ています。

このまま推移すると、将来の「単身高齢者」の生活は、単身男性(月17.3万円)は何とか生活できるでしょうけど、単身女性(月13.2万円)は厳しくなると思われますよ。

3.「マクロ経済スライドという悪魔の手が伸びているよ」

今回の「年金改定率(賃上げ率)」は、「マクロ経済スライド」という「年金を引き下げるシステム」で「-0.4%」が下げられています。

この「マクロ経済スライド」とは、どんな「システム」なのでしょうか?

コロちゃんは、いつも調べて理解したつもりになっているのですが、直ぐに内容を忘れてしまうのですよ。そのくらいめんどくさい「システム」なのですよ。

「マクロ経済スライド」とは、「現役人口の減少率」と「平均余命の伸び」から調整率を計算して、その分を「年金改定額」から差し引く制度(年金減額制度)です。

下記のイラストをご覧ください。内容は下に書き出します。

「日本年金機構 マクロ経済スライド」より

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/kyotsu/kaitei/20150401-02.html
出典:日本年金機構:年金額の改定に関することより(1月25日利用)

上記のイラストは、「日本年金機構」が発表した「マクロ経済スライド(年金減額制度)の概念図」です。

このイラストのように、「物価と賃金」の両方が上がっている時には、「現役人口の減少率と平均余命の伸びからの調整率」=「マクロ経済スライド」分が、年金改定率から差し引かれます。

その結果「実質年金額」は下がります。

この「実質年金額」という言葉はないのですが、コロちゃんが「実質賃金」から思いつきました。コロちゃんが受け取る「名目年金額」から、物価上昇分を差し引いた金額です。

今後の「日本」では、しばらくの間は「物価と賃金」は上昇するでしょう。

その間はコロちゃんたちの「実質年金額」は、上記の「マクロ経済スライド(年金減額制度)」で下がり続けることになりますね。

だからコロちゃんは、ここの「小見出し」を「マクロ経済スライドという悪魔の手」と書いたのですよ。

コロちゃんは、何も悪いことはしていないのに、上記のイラストの青色矢印の分だけ、「年金額が調整(差し引き)」されてしまうのです。

4.「基礎年金底上げは年金減額プランだよ」

皆さん、今年2024年は「5年に1度の年金改革の年」です。今開かれている国会で「年金改革案」が審議されています。

その今回の「年金改革案」の目玉が「基礎年金の底上げ」です。

この「基礎年金の底上げ」と言っても、「2024年に61.2%だった所得代替え率」が、このままでは「50.4%に下がる」所を、「改革して56.2%に上げる」だけのことです。

「改革」をしても「基礎年金の所得代替え率」は下がるのですよ。わかりやすく下に書きますね。

◎「基礎年金の底上げの構造」

➀「現行:厚生年金所得代替え率」
・「2024年:61.2%」⇒
・「2057年:50.4%」

➁「改革:厚生年金所得代替え率」
・「2024年:61.2%」⇒
・「2036年:56.2%」⇒
・「2057年:56.2%」

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001359255.pdf
(出典:厚生労働省:マクロ経済スライドの調整期間の一致についてより:1月25日利用)

ほら、上記を見ると、「①現行のママ」だったら「2057年の所得代替え率は61.2%⇒50.4%」に大きく下がってしまいます。

これでは「就職氷河期」の若者たちが高齢者になった時に、大量の「貧困者」が出ると考えたのでしょう。それで「②の改革案」となりました。

「②の改革案」が国会で通れば、「2036年に61.2%⇒56.2%」に小さく下がり、その後の「2057年までも56.2%を維持」出来ることになるのです。

しかし、この「改革案」でも「2024年の所得代替え率61.2%⇒2036年56.2%に下がる」ことには変わりがありません。

だからコロちゃんは「基礎年金底上げ」とのネーミングは、「ウソではないけど正しくない」と思いますよ。

何しろ「所得代替え率は下がる(2024年61.2%⇒2036年56.2%)」のですからね。

そして、もっと大きな問題がここには隠れているとコロちゃんは考えましたよ。次に書いてみますね。

5.「マクロ経済スライドの年数が10年間も伸びているよ」

現在行なわれている「マクロ経済スライド(年金減額システム)」は、今後永遠に続けられるわけではありません。

下記の表をご覧ください。内容は下に書き出しますね。

「厚生労働省 マクロ経済スライドによる調整期間の一致を行った場合」より

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001359218.pdf
(出典:厚生労働省:マクロ経済スライドの調整期間の一致についてより:1月25日利用)

上記は、「厚生労働省」が発表した「マクロ経済スライドの調整期間の一致を行なった場合」の表です。

コロちゃんが注目したのは、「マクロ経済スライド(年金減額システム)」の今後の期間です。

「現行のママ」でしたら、「厚生年金のマクロ経済スライド(年金減額)は2年間で終了」します。それが「改革案」では「12年間」に伸びています。

ということはコロちゃんたち「厚生年金受給者」は、今回の「改革案」が通ると、本来ならば「2年間」で済むはずの「マクロ経済スライド(年金減額)」が、あと「12年間」に伸びることになります。

これをお読みの方も、なかなかわかりにくいと思いますが、「マクロ経済スライド(年金減額)」とは「物価上昇率」よりも「年金上昇率」を抑えるシステムです。

一言で言うと「物価に負ける年金額※」なのです。それがあと12年間も続くのですよ。

(※もちろん「物価に負けない賃上げ」のパロディです)

6.「物価上昇が今後も続くのかな?」

先日の1月24日に、「国会」で「石破総理」が「施政方針演説」を行なっていました。

コロちゃんは、さっそくこの「施政方針演説の全文」を、総理府のホームぺージから読んでみて、コロちゃんが気になる「物価上昇への対策」をどのように考えているのかを見てみましたよ。

そうしましたら、「石破総理は施政方針演説」で「物価高」について3ヶ所触れていました。以下ですよ。

◎「石破総理の国会施政方針演説:物価高」

➀「物価上昇に負けない賃上げ、資産運用立国」
・これは小見出しですね。本文は次でした。

➁「物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を・・・」
・物価上昇に負けない年金とは言っていませんね。残念。

③「賃上げの効果が出るまでの間にも物価高対策を・・エネルギーや食料品価格の高騰に苦しむ方々、価格転嫁が困難な中小企業、学校給食費への支援等・・低所得者世帯の方々に対する給付金など・・」

うーむ、「石破総理」は「物価高対策」はおっしゃっていますが、、物価高を止めるとはいっていませんね。
( ̄へ ̄|||) ウーム

あとは低所得世帯への給付金とは、「住民税非課税世帯」が対象でしょう。コロちゃんたち「年金生活者」は、その対象には入っていませんね。

そして「会社員」が5%以上の賃上げがあっても、「年金た生活者」には翌年に「マクロ経済スライド(年金減額)」が待っていますから、「賃上げ」があってもむしろ悪影響しかないような・・・?
(*´・д・)はて?

「マクロ経済スライド」って、「物価と賃金が両方上がった時」に発動されるのですよね。その時の「年金所得者」のプラスとマイナスは以下となっています。

◎「マクロ経済スライドがある場合」
・「物価上昇率が高い、名目年金額が上がる」
・「実質年金額が低下」
・「現在の年金受給者にデメリット」
・「将来の年金受給者にメリット」

いやいやコロちゃんは、上記の「実質年金額が低下」と「現在の年金受給者にデメリット」に反応しますよ。

「物価の上昇と賃上げ」って、「年金生活者」にはイイとこないじゃん!
(っ`Д´)っダメジャン

7.「物価に負ける年金改定率をいつまで続けるのか?」

先日の1月24日に「総務省統計局」が「2024年12月の消費者物価指数」を発表しています。

「変動の大きい生鮮食品を除く総合指数」が、12月は前年同月と比べて、3.0%上昇しています。

昨年2024年は1月~11月までは全て2%台でしたから、「物価上昇の勢い」は強くなっていますね。

上記で「マクロ経済スライド」を、12年間に延ばすことは「将来世代のため」には仕方がないのでしょうね。

そうなると「毎年-0.4%の減額」を、12年間も耐え続けることになりますね。

だけど、だからと言って「現在の年金世代」が苦しい生活を耐える理由にはなりません。

だったら、せめて「物価上昇」を少しでも抑えて欲しいと思っているのは、決してコロちゃんだけではないと思いますよ。

8.「コロちゃんと年金生活」

コロちゃんは、60歳の時に「大腸がん」に罹患して、そのまま「会社を退職してリタイヤ闘病生活」に入りました。

その後「妻とともに年金生活」となりましたが、2人分の年金を合わせると「生活に困ること」はありませんでした。

上記でも紹介した、今年の「令和7年度の年金額の例」に記載された「モデル年金※は月23.2万円」です。

(※モデル年金:40年間勤務の会社員+専業主婦の夫婦の年金)

当時のコロちゃんと妻の「年金」は、この金額より少し多かったですね。妻は「会社員時代(厚生年金)」が長かったのですよ。

そこでコロちゃんと妻は、それぞれの「趣味」にお小遣いを使うことにしました。

妻の趣味は「パチンコ」だったのですよ。妻は、その趣味のための「お小遣い」を要求しました。

喧々諤々の議論の末に、妻は「2ヶ月に1回5万円」のお小遣いで、コロちゃんは趣味にいくら使っても構わないとなりました。

だけど、コロちゃんの趣味は「読書」ですからあまり使わないのですよね。新刊本はごくたまに買うぐらいで、ほとんどは「図書館利用」ですからね。

だから、なんか「不公平」な気分をもったコロちゃんでしたよ。
(。・_・?)アレレ?

だけど、お互いに「まあ満足できる年金生活」が出来ていましたから、まあいいか・・・。
(´罒`)マアイイカ

このように「老後の年金生活」は、「夫婦2人」であれば、さほど困らない金額が受給できる方が多いと思われますね。

困るのは、その後です「おひとり様」になると、途端に「年金額」が下がります。しかし「生活費」は、夫婦で生活していた時の1/2にはなりません。

コロちゃんは、3年前に妻を亡くしたとたんに「清貧生活」になりましたよ。今は物価の上昇とともにだんだんと厳しい生活へと進んでいますよ。

今日は、「今年の年金は1.9%アップだよ」として、その内容を簡単にご紹介しました。

簡単と言っても、なかなか分かりにくいのが「年金改定の仕組み」です。ただ、あらためてコロちゃんが感じたのは「マクロ経済スライド(年金減額)」という分かりにくい仕組みです。

この複雑さと分かりにくさは、わざとじゃないでしょうかね。

「マクロ経済スライド(年金減額制度)」って、皆が知ったら炎上ゴーゴーのような「年金減額の仕組み」なのですよ。

だけど、分かりにくいから「反対の声」が広がらないと考えているのはコロちゃんだけではないと思いますよ。

コロちゃんは、「年金をあげろ」と言っても社会の賛同は得られないでしょうから、せめて「物価をこれ以上あげないでくれ」と悲鳴を上げたい気分ですよ。

この「物価をあげないでくれ」との声は、多くの方々の賛同を得られるのではないかと思うのですが、皆さんはどうお考えでしょうか? 

コロちゃんは、今後の「世論調査・世の中の声」の行方を興味深々で見つめていますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。


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