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Productivity Weekly (2020-11-18号)

こんにちは。サイボウズ株式会社 生産性向上チームの平木場です。

僕たち生産性向上チームは毎週水曜日にProductivity Weeklyという「1週間の間に発見された開発者の生産性向上に関するネタを共有する会」を社内で開催しています。

本記事はその時のネタをまとめたものです。過去の記事は生産性向上マガジンで読めます。

先週はお休みだったので、今回が第二回です。

AWSのお話

EC2 Auto Scaling にスポットインスタンスのキャパシティリバランシング機能が追加された

これまではスポットインスタンスが中断される2分前にのみ通知が発行されてました。今後はそれに加えて、スポットインスタンスの中断リスクが高くなるとシグナルが発生するようになります。中断シグナルを受け取ることにより、中断前に新しいスポットインスタンスを立ち上げたり、termination lifecycle hooksを実行させたりすることができます。

生産性向上チームは社内のCircleCI Serverを管理しています。nomadインスタンスにスポットインスタンスを利用しているため、ビルド中にスポットインスタンスが回収されてビルドが失敗してしまうことがありました。この機能をうまく使うことでビルドを安定させることができそうです。

Amazon MQ が RabbitMQ をサポート。

フルマネージドなRabbitMQがAWSに登場しました。低コストで既存のRabbitMQからAmazon MQ for RabbitMQに移行できるようです。

ReportPortalというテスト結果の解析を行うOSSを動かすために、私たちもRabbit MQを運用しています。まだあまり検討していませんが、入れ替えることで、場合によってはコストダウンにつながるかもしれません。

AWS Organization に所属する全アカウントの Trusted Advisor を横断的に見られるようになった

AWS Trusted Advisorは、利用してるリソースを検査し、セキュリティやコストの問題点を教えてくれるサービスです。

アカウントごとに利用できるサービスでしたが、それがマルチアカウントに対応し、AWS Organizationに所属する全アカウントの問題点を横断的に見られるようになりました。

これで社内で利用している各アカウントが健全かどうかを確認しやすくなるので有効にしたいのですが、利用するためにはOrganizationの「すべての機能」を有効化しなければなりません。私たちのOrganizationは「一括請求機能」のみを有効にしているため、今のところ使うことができません。残念。

Amazon Lightsailでコンテナが使えるようになった

Amazon Lightsailでコンテナを使えるようになりました。VPCなどを作成せずとも簡単にサービスをデプロイできるので、さくっと社内ツールを作るような場合は選択肢になりえるかもしれません。

Travis CIのお話

Travis CI の料金モデル変更のお知らせ。

Travis CIの料金モデルが変更されました。パブリックリポジトリでもクレジットの上限が設定され、デフォルト以上に使いたければ申請が必要になりました。

今までありがとうTravis CI、さよならTravis CI

上の料金モデル変更に伴う嘆きの声を集めた記事です。CircleCIやGitHub Actionsがある現代でTravis CIのシェアはそこまで高くないと思いますが、無料で使うことが厳しくなり、さらにユーザー離れは進むことだと思います。

僕が大学生の頃はまだまだDockerも流行っておらず、CIと言えばTravis CIというイメージが当時ありました。研究で作ったコードのテストで利用した僕にとって初めてのCIサービスで、感慨深いものがあります。今までありがとう!そしてさようなら!

Docker Hub の pull rate limit についてのお話

Docker Hubのpull rate limitが最近話題ですね。最新の情報を把握したいところだと思いますが、さまざまな情報が散らばっており、情報を集めるのは骨が折れるかと思います。

この記事は、現状(11/15)の散らばっている情報をまとめた記事です。メジャーな情報はもちろん、おそらくはマイナーであるpull rate limit例外に関する情報もまとまっています。

ちなみにこの記事は同じ生産性向上チームの一員である@miyajanが書いた記事です。

Apple Silicon 周りの動き

DockerはまだApple Silicon M1で動作しない

Appleが新しいCPU(Apple Silicon M1)を搭載したMacを発売しましたが、現代の開発者には欠かせないDockerはまだ動かないようです。

これらの記事によると、Docker社は既にM1で動作するDockerを開発中とのことです。ただ、依存しているミドルウェアがまだM1に対応してないこともあってリリースにはまだ時間がかかりそうとのこと。

VS CodeもまだApple Silicon M1で動作しない

VS Codeも現時点ではApple Silicon M1で完全には動作しないらしいです。このissueはM1の対応状況を示しているもののようです。

Homebrew上にある各formulaのApple Silicon M1対応状況

Homebrewでインストールできる各ソフトウェアの何がM1で動作して何がM1で動作しないかがまとめられているissueです。

購入を検討している方の参考になるかもしれません。

【コラム】生産性向上に関するネタとは?

前回の記事を見た方に、「生産性向上に関するネタって何??」と尋ねられたので、コラムとして載せます。

Cybozu Productivity Weeklyにおける生産性向上に関するネタとは、「生産性が上がると思える情報」を指します。

ネタを共有する人が「これは生産性が上がる!」と思ったらそれは生産性向上ネタです。(ざっくりしてて申し訳ないです。)

ただ、参加者で主にネタを共有するのは、私たち生産性向上チームの誰かなので、普段の業務に関連するようなネタが多いです。(ちなみに、フロントエンドエキスパートチームの人もたまに共有するので、フロントエンドよりのネタも入ることがあります。)

生産性向上チームがよく使う技術要素(採用情報より引用)

- 言語: Go, TypeScript
- バージョン管理: GitHub (Enterprise Cloud / Enterprise Server)
- CI: GitHub Actions, CircleCI, Jenkins
- アプリケーション監視: Datadog
- パブリッククラウド: AWS, GCP
- 仮想化技術: Docker, Kubernetes
- Infrastructure as Code: Terraform, Serverless Framework

それだけでなく、開発や設計に使えそうなノウハウや、エディタ、IDE、シェルに関する効率化の記事やツールなども共有することがあります。

「生産性向上に関するネタ」は「生産性が上がると思える情報」になりますが、Cybozu Productivity Weeklyでは特に上のような技術、ノウハウなどが共有されることが多いですね。

本連載は、そういった情報を得たい人におすすめです。

あとがき

2週間ぶりのProductivity Weeklyでした。なので、ネタが古いぞ!という人もいるかもしれません。

Docker Hubのpull rate limitの混乱は落ち着いてきた感があります。そのうち各社の対応ノウハウも紹介されていくかもしれません。楽しみですね。

Apple Siliconは業務で触ることは当分無いかと思うのですが、やはりみんな気になってたのか、結構盛り上がる話題でした。めっちゃ爆速らしいですね。欲しくなってきました。


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