9211 エフ・コード
今回は株式会社エフ・コードを分析していきたいと思います。エフ・コードは、DX/デジタルマーケティング領域において、多様なサービスを展開し、高い成長を遂げている企業です。積極的なM&A戦略やクロスセル戦略により、更なる事業拡大をしています。
総合評価
総合評価は、成長性は満点の10点、収益性7.7点、割安性6.7点、安全性5.0点、大化け性9.5点
銘柄選定の大前提の成長性は満点ですが、安全性は検討が必要です。
それでは各項目の確認をしていきます。
成長性の確認 10点
高い成長性
DX市場の成長と人材不足を背景に、高い成長性を誇っています。顧客数は2年前から約10倍に成長しており、今後も増加が見込まれます。売上収益は、過去3年間で約7倍、営業利益は約8倍、EBITDAは約10倍の成長を遂げています。今期(2024年12月期)の売上収益は前期比約1.9倍、営業利益は約2.1倍の成長が予想されています。
M&A戦略
M&A戦略も成長を牽引する大きな要因となっています。
既存事業領域を中心に、シナジーのある同種あるいは隣接領域のソリューションを強化するM&Aを積極的に行っています。過去2年間で11件のM&Aを実施し、今後も企業価値最大化に向けた主要な戦略としてM&Aを推進する方針です。
収益性の確認 7.7点
収益性
売上営業利益率は29.14%、ROE12.94%、ROA4.31%となっています。
公募増資
ROAが低水準なのは、M&Aのための資金調達を公募増資によって行い、そのため、純資産が増加したことによると考えられます。
割安性の確認 6.7点
PER16.2倍で、24期の予想PERは11.99倍で実績RER安値平均に比べ安値圏にいる。
安全性の確認 5点
自己資本比率は、30%程度で積極的な融資・投資と増資の影響が考えられます。
のれん
M&Aを繰り返しているため総資産の4割強を「のれん」が締めており、これが自己資本比率の低下の要因と考えられます。
のれんとは、企業が保有する無形固定資産のことで、ブランド力や技術力、ノウハウなどを指します。会計上では、企業の時価評価純資産と買収価額の差額として表記されます。
のれんは、企業が他社を買収する際に発生します。買収する企業の純資産に加えてのれんがかかるため、買収金額から買収される企業の純資産を差し引いた残余の金額がのれんとなります。
大化け性 9.5
予想PERは、グロースのサービスセクターの平均PERが36倍で、成長率が20%とし、1年後予想PERは約43倍としました。
PER43倍からの目標株価を算定すると、目標株価は3373円となりました。
高い成長性と収益性、積極的なM&A戦略を踏まえると株価上昇期待は高いと考えられます。
ただ、市場からは公募増資による一株利益の希薄化などから売り続けられ株価は低迷しています。
しかし、現在は1000円付近で下げ止まっている兆候があり、成長を維持できれば、今後グロース市場に資金が流入してくれば、反発も期待できます。
私の失敗告白
公募増資
私は日々SBI証券アプリでIPO検索して応募可能なものにはとりあえず応募していました。IPOにはほとんど当選しないもので、ただSBI証券はたとえ落選してもIPOポイントというポイントがたまり、ここぞというときはこのポイントを利用することができます。そこで、毎日のルーティンでIPOを確認、応募だけは出していました。
昨年の4月、いつものようにアプリを開きIPOのページを開くと当選の二文字があることに気付きました。
その銘柄がエフ・コードだったのです。私はついに当選したという歓喜に湧くとともに、一応、エフ・コードの定量面の確認をしたところ、かなり高い成長性と収益性を確認をしたので購入申込をしました。
当時のエフ・コードの株価が2300円程度で発行価格が1723円でした。
エフ・コードはIPO(Initial Public Offering)ではなくPO(Public Offering)で公募増資だったのです。
募集増資とは、企業が資金調達するために不特定多数の投資家へ新株を発行し、株式市場広く資金を募集する増資方法です。
公募する資質の種類
第三者割当増資: 特定の投資家に株式を発行し資金を調達する。
一般公募増資: 不特定多数の投資家から広く資金を調達。
増資による会社の影響
資金調達で事業拡大や借入金の活用に活用。
自己資本比率が上昇し、留意体質の改善につながります。
株価への影響
株式数増加により一時的に希薄化株式下落のリスク。
長期的には事業成長で上昇の可能性もある。
公募増資は、一株利益の希薄化を招き、株価は低調に推移する傾向があることは当然知っていました。当時は応募してもなかなかあたらないIPO・POに初めて当選したことのワクワクで、これだけの成長企業ならば将来的には上昇するでしょうという、今回は大丈夫だという根拠のない期待で購入してしましました。
そして、購入後の株価はみるみる下げ続け、現在は約40%の評価損となっています。
今回の学び
今回の学びは、教科書的に避けた方が良いとされるものは教科書どおりに避けるべきということです。
やってみなければわからないですが、一般的に避けた方がよいとされるものには、手を出さず手堅くいくことが資産形成では必要だと思いました。
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