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資産に米国債を取り入れることにしました②
前回は、資産に米国債を取り入れ始めた経緯、アセット・アロケーション戦略、株価暴落時のS&P500 と米国債ETFの価格の比較から株価暴落時の債権の運用方法についてお話しました。今回も引き続き、債権についてお話していきます。
今回は、債権の種類と米国債ETFについて、債権運用の基本ルールについてお話したいと思います。
債権の種類
まずは債券の種類となります。
購入する債権の候補は以下の4つです。
・個人向け国債【日本】
・米国債権【アメリカの生債権】
・一般社債
・債権ETF
結果としては米国の債権ETFを購入しました。
それでは、それぞれの債権の特徴について軽く触れます。
個人向け国債(日本国債)
安全性が高く、1万円から購入可能
3年、5年、10年の3種類があり、固定金利型と変動金利型がある
2025年2月発行の場合、変動10年が年率0.75%、固定5年が年率0.77%、固定3年が年率0.62%
満期まで保有するれば、元本割れリスクがない
米国国債
安全性が高く、為替リスクを取ることで日本の国債より高い利回りが期待できる。
満期まで保有すれば、元本割れリスクがない
各機関の金利は下記のとおりです。
社債
数十万円から100万円程度の小口で購入可能
国債よりも高い利率が設定される傾向にある
ミドルリスク・ミドルリターンの商品として位置づけられる
債権ETF
債券ETFは、債券市場に投資するための上場投資信託で、特定の債券インデックスに連動する運用成果を目指します。個別の債券を直接購入するのではなく、ETFを通じて債券市場全体や特定のセグメント(例えば国債や社債)に分散投資することが可能です。
以上のような債権関連の金融資産がある中で、今回は米国債ETFの購入をすることに決めました。
米国債ETFを選んだ理由
個人向け国債は最も安全性が高いですが、米国に比べ圧倒的に金利が低いことと、債権を購入を目的である株式相場の暴落時のリスクヘッジとして機能する面では、米国債が最適であると考えました。また、米国債と債権ETFを比較すると、買いやすい、選びやすい、調べやすいからです。
米国債、ETFは、個人投資家が米国債券市場に簡単にアクセスできる投資商品です。以下に主な特徴と代表的な商品を紹介します:
代表的な米国債ETF
米国債ETFで検討をしたのは、AGGとTLT、EDVの3つです。
AGG
iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF (AGG)
運用会社: iShares(BlackRockが運営)
投資対象: 米国の幅広い債券市場
米国国債、モーゲージ担保証券(MBS)、社債、地方債など。
特性:
債券市場全体に分散投資しているため、リスクは低め。
配当利回りが安定しており、インカムゲインを重視する投資家に適する。
国債ETF(TLTやEDV)に比べて価格変動の恩恵が小さい。
TLT
iShares 20+ Year Treasury Bond ETF (TLT)
運用会社: iShares(BlackRockが運営)
投資対象: 満期が20年以上の米国長期国債
特性:
金利変動の影響を大きく受ける。
高い利回りを期待できるが、価格変動も大きい。
長期のインフレや金利低下時に価格上昇が期待される。
長期国債の値動きに連動するため、金利低下局面で大きな価格上昇を見込める。
金利上昇時に価格が大幅に下落するリスク。
EDV
2. Vanguard Extended Duration Treasury ETF (EDV)
運用会社: Vanguard
投資対象: 米国財務省発行のストリップ債(ゼロクーポン債)
特性:
超長期のストリップ債に投資するため、金利感応度が非常に高い(デュレーションが長い)。
金利低下時に大きな値上がりが期待できる。
TLTよりも金利変動への感応度が高く、金利低下局面でさらに大きな価格上昇が期待できる。
金利上昇局面では急激な価格下落のリスク。
配当金が少ない、またはゼロ(ゼロクーポン債の特性による)。
※ゼロクーポン債=利息が支払われない債券です。その代わり、「額面金額よりも安い価格で購入」して、満期時にその額面金額を受け取る仕組みになっています。
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TLTを選んだ理由
暴落局面での反発が大きい
長期国債の値動きに連動するため、金利低下局面で大きな価格上昇を見込める。
配当がある。同じように価格変動のあるEDVはゼロクーポン債なので配当金がないが、TLTは持っているだけでも配当金が入っていくる。
運用の基本ルール
債権を保有する理由の第一が暴落時の備えのためですが、保有を決めたTLTは金利感応度が高く、値動きもある商品なので、運用の基本ルールとして以下の3点を決めました。
株式市場が20%以上の暴落にあった場合、売却
利上げ局面になった場合、売却(TLT)
利下げ局面ではTLTを購入、利上げ局面ではAGGを購入
ただ、トランプ政権が発足し、関税引き上げによるインフレ懸念で、FRBは利上げをする可能性もあることから、
利下げ継続→TLT保持継続
という簡単な投資戦略だけでは、リスクを感じる部分もあります。
市場の情勢によって、柔軟に対応してきたいと思います。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
資産の多様性を広げ、豊かな生活を送れるようにお祈りしております。